ホームジャパン日本好きな外国人が思わず買ってしまう、アレ。

日本好きな外国人が思わず買ってしまう、アレ。

日本好きな外国人男性が、日本に行った際に思わず手に取り買ってしまうもの。それは、日本刀(まがい品を含める)である。

ある人は京都旅行で神社の参道で売ってある木刀を買い、ある人は夏祭りの売店で剣先が光るおもちゃの刀を買い、またある人はクウォリティーの高い品を求めてグーグルで“katana”を検索し注文する。買ったばかりの刀を手に、それっぽいポーズをきめ、とりあえず振り回してみて一言。

「Yeah, it’s so cool. SAMURAI!」

日本好きな外国人男性のハートをくすぐる、日本刀。その秘密は何だろうか?

当然ながら、“日本好き”な外国人というのは日本を好きになったきっかけが過去にある。海賊狩りのゾロそのきっかけは人それぞれであるが、若い世代(20代前後の外国人留学生)の場合はマンガやゲームをきっかけに日本に興味を持ち始める人が多い。そしてそのアニメやゲームの中で、この“刀”が登場するのだ。例えば、今日本一売れているマンガであり、30カ国以上で漫画の出版がされ、28カ国以上でアニメが放送されている『ONE PIECE』(ワンピース)では、クールでストイックな武士道精神の持つロロノア・ゾロというキャラクターが登場する。彼が自分の目で刀を選び、それを武器に様々な必殺技を使って敵を倒していく姿がかっこよく描かれている。こういったアニメのキャラクターなどに』影響されて、自分も刀を手に入れたいと思うようになるのだ。

また、日本に住む外国人というのは、「日本」について学ぼうとする。日常生活のなかで日本人と接しているうちに、理解できないこと、ハテナが頭に浮かんでくる。例えば日本人は人の前を横切る時に縦にした片手を体からやや離した位置で小さく数回上下させる「手刀を切る」と呼ばれる仕草があるが、これは欧米にはないことで外国人にとっては奇妙だったりする。どうして日本人はああいった仕草をするのか、そのルーツはどこから来るのかといった理解できないことを調べる。すると、日本人が手刀を切るのは元々、相手に掌を開いてみせることで、自分が武器を持っていないと表しつつ、自分が通ろうとしている道をも示すためだと理解できる。日本人と過ごす日々のなかからハテナが浮かび、そこから日本の歴史を学ぶ。日本の歴史を勉強していくうちに、自分も日本の歴史を象徴するもの=刀が欲しいと思うようになる。

サムライ単純に帰国して周りに自慢したいという人もいる。日本のことをあまり知らない外国人であっても、SAMURAIHARAKIRIといった言葉を知っているので、日本の歴史のなかには必ず刀が登場してくるだろうといった予測はつく。逆に言えば、フランス旅行から帰ってきた日本人が、「ほら!これフランスで買ったアンティークの置物よ」といって見せられるのと同じことである。見せられたほうもその価値がイマイチわからなかったりするので、何となくいいものだと思ってしまったり、それを買った友人がものすごく高価なものだと言えば鵜呑みにしてしまったりする。日本では数千円で買えるような安っぽい日本刀であっても、日本で買ってきたものだと言えば、何となく高価なもののように思えてしまうのも、不思議ではない。

また、心理コーディネーターの織田隼人氏は著書の中でこんなことを語っている。

男性は武器、道具類、役立つツール(十徳ナイフ、時計、スマートフォンなど)が大好きである。大昔、戦いの場に身をおいていた男性は、武器や道具などの「使える(使えそうな)もの」にこだわる習性が身についている。武器や道具は自分を守る道具でもある。よいものを持っていると自分が強くなれるし、命を助けてくれる。粗悪なものだと、いざという時に使えず命を落とすかもしれない。日々刈りに危険をさらされていた男たちが、武器道具にこだわるのは当然の話。そして、それが現代の男性たちに引き継がれているのも、理解できる話である。

女性にはいまいち理解できない部分ではあるが、刀はいざという時に強くありたいと思う男性たちの心理を刺激する。また、特撮ヒーローもののおもちゃを買う子どものように、刀は男性の少年心をくすぐり、「日本をもっと理解したい」と思う外国人の知的好奇心に訴えかける。

これはまた別の職人ジェームスさん3チェコには日本刀を作るバベルさんという職人がいるのだが、チェコだけでなく、フランス、ドイツなどにも顧客がいて、3年先まで注文がいっぱいだそうだ。

日本固有の伝統的な製造法で作られる日本刀。

今後も日本好きな外国人男性のハートをガッチリと掴むだろう。

写真:Ben Ahhi

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