9月にニースへ引っ越してきてからというもの、我が家での移動手段は「原付バイク」になった。すると、周りのフランス人たちのバイク事情が目に入るようになる。96年にヨーロッパ域内における運転免許制度の統一が行われ、フランス国内のスクーター販売台数は年々増加している。渋滞を避けることができる、駐車場所の確保が簡単というのが、購入の大きな理由らしい。特にフランスで頻繁に行われる地下鉄ストの最中にも通勤や仕事上の移動に支障をきたさない、という点がメリットで、管理職の間でも時間節約に役立つ、とスクーター通勤派が増えているらしい。だから車ではなく敢えて2輪車を選ぶという人がいるので、バイクの駐輪場には高級バイクも目立つ。

フランスのスクーターに関しては、驚くことが多い。

まず、50ccでも2人乗りができる。それに、1987年12月31日までに生まれたフランス人は原付バイクの免許がいらない。旦那の話では、中学校の時に1日交通安全講習(BSA)があったため免除となるそうだ。ツールド・フランスの国、原付バイクは電動自転車のような扱いなのか?バイクを買って、そのまま車道を運転するというのは最初は結構怖かった、と旦那は言ってた。確かにフランスの原付バイクは野放し状態のようである。

スクーターへの新たな法規制

フランスバイクの問題点として挙げられるのが、デブリダージュ(débridage)である。これはバイクの制限速度ストッパーを外すことであり、エンジン音がうるさい改造バイクのことで、これを施しているバイクが結構多い。フランスの道路交通法では原付バイクの制限速度を時速45kmまでと定めているが、違法であるデブリダージュを施したバイクだと50ccでも時速80km出せるようになるという。当然、ブレーキが急にきかなくなるといった危険性を含む。よって、2007年の保険に関する調査によると、事故を起こした原付バイクの半分はデブリダージュのものだったという。

「2輪車使用に関する安全性を高めることが主要な争点だ」と語る、交通安全局長。

公式発表によると、この10年間で軽バイクによる事故で亡くなった人の死亡率は9%~28%へと上昇したらしい。

デブリダージュに関しては、販売店側も責任が問われる。2006年1月1日より、原付バイクにデブリダージュを施されていた場合、それを売った販売者は禁錮2年、3万ユーロの罰金を支払う刑に課せられる。しかし実際この刑罰は、とても徹底されたものだとは言えない。先日スクーターの定期検査のため販売店を訪れたが、販売者にデブリダージュを勧められた。現実は、有って無いような法規制なのかもしれない。

とはいえ、2011年1月1日からはデブリダージュの原付バイクを運転する者も135ユーロの罰金を支払わなくてはいけなくなるので、今後この法規制の意味も変わってくるのかもしれない。

こんな感じの運転を平気でする若者もいるまた原付バイクに乗る若者の危険な運転も事故につながる。

赤信号で並ぶ車の列の狭い間をくぐっていくバイク、極度にスピードを上げるバイク、前輪を浮かした運転などは注意してみると割といるものだ。道路交通安全局長はこう語る。

「原付バイクを運転する者の大半は14~17才であり、彼らとその家族はデブリダージュや危ない運転の危険性に直面することの責任感をもつべきです。」

フランスバイク事情に関しては、96年以降の2輪車ブームに法規制が追い付いていないという印象を受けた。特にフランスでは、車も含めてスピードを出すタイプの運転者が多いように思う。歩行者も、バイクも車も、少し心に余裕をもって慎重に運転することが大切だ。

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