下着姿の女性

2010年の“世相を反映したブラジャー”は、「日本国内の観光資産を発掘・活用して経済を活性化させ、“観光赤字日本”を“観光大国”にしよう」というものだった。今後、日本が外国人のハートを掴み、観光大国に変身するのか非常に興味深い。

毎年恒例なトリンプのそんな宣伝活動は置いておくとして、今回は日本の女性下着とフランスのものとの違いを比較したい。以前から日本女性とフランス人女性は性格や気質の面で異なることが多いと思っていたが、それは洋服の下に着る下着にもよく表れているのだ。

翻訳家・エッセイストの中島さおりは、著書「なぜフランスでは子どもが増えるのか?~フランス女性の生活スタイル」のなかでフランス人の下着についてこう語っている。

「フランスの女性下着は、上に何も着ていない時に女性を美しく見せることを考えている。フランスの、実用性のない蝶々のような下着類は、思い切って潔く、下着姿を見せる相手にだけ、しかも脱がせる前のその瞬間だけ、女性を美しくすればよいと考えているのだろう。」

確かにフランスの下着と日本の下着はその方向性が全く異なる。日本の女性下着の広告でよく目にするキャッチフレーズは、「きれいにアウターを着こなすためのブラ」だったり、「谷間くっきりメイクの天使のブラ」だったりする。ワコールから販売されている「大きな胸を小さく見せるブラ」は、ボリュームのあるバストを華奢でスッキリとしたシルエットに魅せるをコンセプトにしている。この商品は、「胸が大きくて太って見える」、「胸が大きくて似合わない服がある」といった悩みを抱える女性のハートをがっちり掴み、売り上げも好評のようだ。

これら女性下着メーカーの販売戦略からも予測できるように、日本人女性は「上に服を着たときにどう映るか?」を重視して下着を選ぶようである。日本ではおなかをスッキリと見せたり、ヒップアップ効果のあるガードルが売られているが、これはそんな日本人女性の要望を取り入れた商品である。

反対に、フランスではセクシーな下着が目につく。上に服を着たときのことは考慮に入れず、下着だけになった時にどう見えるか?がポイントであるようだ。ブラジャーに関して言えば、ワイヤーやパッドが入っていないものも多く、機能面よりもデザインを重視しているように思える。フランス人にとって、女性の下着は男性をセデュース(誘惑)するための道具という認識が強いようだ。その証拠にフランスの女性下着メーカーの広告で一番目立つ単語は、glamour(色気)、sexyの2つである。

セディース

フランス人女性はよく「自然体でセクシー」と表現されるが、“自然体”と“セクシー”という相反するような美しさの秘密は下着にあるのかもしれない。いい香りのする香水をつけたら、その日1日の気分が変わるように、セクシーな下着を身につければよりフェミニンな気分になる。以前からの持論だが、フランス人女性は「女であることを忘れないための努力」という点で日本人に勝るような気がする。フランス人女性は母親になっても女らしくあることに価値を置き、いつまでもセクシーだと言われるのはこんなところに起因している。

下着にはフランス人女性と日本人女性の違いが端的に表れているのだ。元フジテレビアナウンサーで、結婚後パリに在住している中村江里子さんは「日本人女性とフランス人女性の違い」をこのように説明している(「中村江里子のパリスタイル」より抜粋)。

「どうしてかはわかりませんが、私が強く感じているのは、フランス人女性と日本人女性というのは、と~っても違うということ。勿論、どちらが良い、悪いというのはありません。
日本女性というのは、自然と生まれ育った環境の中で相手を気遣う、尊重することが出来ます。
自分が前面に出ていくのではなく、きちんとサポートが出来るし、性格的にも穏やかな気がします。
フランスでは前面に出て行かない=横でただニコニコ笑っているということではありませんが、人を上手に立てることが出来るのではないでしょうか。
こんな私でも、普段の動作ひとつひとつやちょっとした心遣いに、彼の友人達は感動してくれます。

フランス女性の女性らしさが動としたら、私達日本人は静なのでしょう。
男性だけでなく女性の友人達も、日本女性、日本人の礼儀正しさや外見的には肌や髪の美しさをほめてくれます。」

「動」の美しさと、「静」の美しさ。うまい表現だなぁと、個人的には思う。

写真:AP Photographie

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