フランス政治のしくみ1

県議会議員選挙の選挙運動も始まり、2012年には大統領選を控えているフランス。でもフランスの政治のしくみがどんなものか説明できますか?いまさら人に聞けないフランス政治のしくみを誰にでもわかるように説明。第1回目の今回は、「フランス半大統領制」についてです。

フランスの政治体制はよく「半大統領制」と称されますが、これは「議院内閣制」と「大統領制」を組み合わせた政治体制であることを指します。つまり、議院内閣制の枠組みを取りながら、より権限の大きな大統領を有するということです。

ではまず、「議院内閣制」とは何でしょうか?我が国日本の政治の仕組みでもある議院内閣制とは、内閣が議会に対して責任を負い(つまり内閣は議会が選んだのだから内閣のすることには議会が責任を負うということ)、その存立が議会の信任に依存する制度のことをいいます。特徴として、議会の多数派が内閣を形成し、政権の座につく点です。

次に、「大統領制」。これは国民の直接選挙によって大統領を国家元首とする制度のことです。大統領は議会とは独立に選出されて、国家元首であると同時に最高行政官としての役割もあります。

では、フランスの「半大統領制」ではどのようにこの2つの政治体制を取り入れているのでしょうか?まず、フランスの大統領に付与された権限は以下のようなものがあります。

・国民議会(下院)を解散する権限
・国民議会は大統領への弾劾裁判ができない
・議会の承認なしに法律、条約、憲法改正案などの国民投票をかける権限
・非常事態権の行使

シャルル・ド・ゴールインド、イタリア、ドイツのように大統領が儀礼的な役割しかもたない大統領制に比べ、フランスの大統領はより強力な権限を持っていると言えるでしょう。

しかし、首相が率いる内閣もあるわけです。首相・内閣は国会の下院である国民議会からの信任を受けていなければなりません。そういった意味で、議院内閣制的な要素も強く残っています。

フランス政治が現在の「半大統領制(第5共和政)」になったのは、1985年ド・ゴール首相の下で第五共和国憲法を採用してからのことです。それまでは形式的な権限しか持たなかった大統領だったのですが、それ以降は大統領は「三権の総覧者」(行政・立法・司法を全体にわたって目を通す者の意)として位置づけられるようになりました。現在、フランスの統治機構は典型的な半大統領制と見なされています。

シェア


返事を書く

 

※ コメントは承認制です
コメント反映までに時間がかかることがあります。予めご了承ください。

コメントなし