春といえばやっぱり花見!満開の桜の木の下で仲間や友人とごちそうを囲む宴会は格別ですよね。毎年お花見をするたびに「日本人で良かったなー」と思う人も少なくないはず。日本から離れて生活してみると、お花見こそ日本や日本人の良さを凝縮した行事だなと思うこともしばしばです。古くから日本人に愛されてきたお花見&桜ですが、この伝統文化が時代を超えて現在も日本人に愛されるには理由があります。そこで今回は、日本の素晴らしい文化“お花見”が日本人に愛される理由&海外との違いを6つご紹介します。

1四季を楽しむ心

 日本人は古くから四季の移ろいや自然美を感慨深く感じる民族です。俳句には季語を入れて、四季を一つ一つ情緒的にとらえるという感性を育てました。奈良時代に日本に伝わったと言われるお花見は、“日本らしさ”が大事にされ、独自の文化が生まれた平安時代に発展しました。平安時代の貴族たちは桜を植えてパーティを開き、美しさをうたいました。これが現代の日本人にも受け継がれているのではないでしょうか。

 実際に、日本人が「日本に生まれて幸せだなぁ~」と思うことに関するアンケートによると、「四季の美しさ」と答えた人が2番目に多く(5003票中、664票。1位は“食べ物がおいしい”で1085票)、日本の四季の美しさを誇りに思う人の割合が高いことがわかります。日本人は季節の移り変わりや自然の変化に敏感で、それを情緒的に捉えるという感性が海外にはない独特な日本人の心のようです。(参照:NHK for school

2お酒が飲める

会社の花見会の主催が新入社員の初仕事という企業もあるようですが、日本で花見が職場でも家族間でも、友人同士の集まりでもされるようになった理由のひとつに、「お酒が飲める」という要素があることは明白です。

1979年、バラクーダーが歌ってヒットした『日本全国酒飲み音頭』の一節に、「4月は花見で酒が飲めるぞ」と歌っています。この歌はとにかく、嬉しいにつけ、悲しいにつけ、花が咲いても、雪が降っても、何かにかこつけて年中どこでも酒を飲んで陽気にはしゃぐ日本国民の姿を象徴した歌ですが、お酒の席を楽しむ日本人を表しています。もし、お花見でお酒が飲めなかったら…。きっと今ほどお花見が流行ってはいなかったかもしれません。

ちなみに、海外でもアメリカ・ワシントンDCのポトマック河畔の桜などは有名ですが、ワシントンD.C.では屋外での飲酒が禁じられているため、桜の木の下にレジャーシートを敷くピクニックスタイルではなく、桜並木の下をお散歩するのが主流です。お酒を飲むのはおろか、お弁当を食べたり、お団子を食べたりもできません。桜の木の下を人波に押されながら歩くので、立ち止まってゆっくり桜の花を観賞することもできません。せいぜい記念の写真を撮るくらいです(海外駐在員ライフより一部抜粋)。

そうなると、日本の花見のイメージとは少し違った感じがしますよね。公共の場で酔っぱらって暴れるのはどこの国でもNGですが、日本では公園で飲酒ができる国であるという点が花見の発展に繋がったと言えるのではないでしょうか。

3気候の良さ

 公共の場でお酒が飲めること以外にも花見の発展に繋がった要因があります。例えば、桜が咲く時期の気候の良さ。アメリカ以外にも日本から桜が贈られた国がありますが、例えばフランスでは芝生の上でビニールシートを広げ、ワインを片手にバゲットにチーズやハムを挟んで食べるピクニックをしている人をよく見かけます。日光浴の大好きなヨーロッパ人はもちろんピクニックも大好きです。しかし、パリ近郊の桜の木がたくさん植えてあるソー公園にはフランス人の姿があまりありません。その原因はパリの気候にあるそうです。

 桜が咲く時期の3月下旬から4月上旬のパリは、気温が低く雨の日も多いため、とてもピクニック日和とは程遠い気候です。パリで桜が見ごろの時期に、花見をするにはいろんな偶然が重ならないとなかなか難しいのが現状です。それに比べると、日本の春の陽気は気温もちょうど良く、雨が降ることも少ないため、まさに花見に適していると言えます。私たちが日本でお花見が楽しめるのも、素晴らしい春の気候のおかげです。

4マナーの良さ

花見が日本全国どこでも楽しめるのは、日本人のマナーの良さのおかげだと言えます。「数字でわかる!日本人と中国人の違い」で紹介した通り、日本人は最もマナーの良い観光客の第1位に選ばれるほどマナーの良い秩序的な国民です。特に、「行儀が良い」「礼儀正しい」「ホテルで大騒ぎをしない」といった点が世界の人から見ると評価すべきところだといいます。桜が折られて傷つけられることなく、美しい花を観賞できるのもそんな日本人のマナーの良さがあってのこと。反対に、花見の場所で暴れて喧嘩する人が増加したり、犯罪が発生したり、ごみが散乱するなどの問題が多く見られる場合はお花見ができなくなってしまうかもしれません。私たちが現在も花見を楽しめるのは、マナーの良い先祖たちのおかげです。

しかし最近では、前もって広い場所を占有する団体や、カラオケの使用や音楽を流したり、火気の使用、立小便、ゴミの放置など、大きな社会問題となっています。これからも日本で花見を楽しめられるように、花見客一人一人がルールを守るようにしましょう。

5弁当の発展

 おいしいお弁当を食べることも花見の楽しみのひとつです。風流を解さない人を批判するときに「花より団子」ということわざを用いますが、やっぱりお弁当やごちそうなども花見の醍醐味ではないでしょうか。

 そして、日本で花見が楽しまれる理由のひとつは弁当の発展にあると言えます。日本では、古くから弁当の習慣が起こり、他の諸国では例を見ないほどの発展を遂げていきました。最近では海外でも、日本のマンガを通して“BENTO”が知られるようになりましたが、まだまだ弁当は外国人にとっては真新しいものです。冷めたものを食べる習慣があまりない海外では、ピクニックで食べるものと言えば、サンドウィッチとスナック菓子です。しかしこれでは少し華が欠けてしまいます。

 その点、日本の弁当は色味も華やかで、ビニールシートに広げるだけで何だか楽しい気分になりますよね。日本で楽しくお花見ができるのは、お弁当という日本独特の素晴らしいわき役があるからです。

6自然崇拝

 日本は「万物に神宿る」として「山」や「木」そして人の手によって作り上げられた「物」に対しても敬意と感謝を以て接する自然崇拝の国と言われています。桜の木も例外ではなく、桜はその昔、神様が宿る木と考えられていたそうです。

 そのため、ごちそうを持って花見に出かける「山遊び」という習わしが日本全国に広がりました。神様である桜の木をもてなすためにごちそうを持っていき、田植えの前に山の神様にお米の豊作を祈っていたそうです。

 他にも、農家の人は花が開くのを田植えの時期の目安にしたり、良くさく年は豊作(ほうさく)などと占ったりして桜に親しんできました。桜の木は稲作中心の日本人の生活や日本人の信仰心に深い関わりのある植物だと言えます。(参照:NHK for school

まとめ

桜は日本人に一番なじみの深い花だ。日本の桜の8割を占めるソメイヨシノの花言葉は「純潔」だそうだ。花言葉が示すようにけがれがなく清らかな精神で、日本人が花見を楽しめる時代がこの先もずっと続いていきますように…。平安時代に貴族がうたったように、いつの時代も美しい桜を眺められるそんな日本であってほしいと思う。

シェア


返事を書く

 

※ コメントは承認制です
コメント反映までに時間がかかることがあります。予めご了承ください。

6 コメント

  1. 一昨年、一年間、日本で研修した。上野公園にお花見したことがありました。良い思いでになりました。日本にもう一度戻りたいな!

  2. 江戸時代に園芸品種のソメイヨシノが生まれたことも大きいと思いますよ。
    見ごたえのある開花をする品種と、それを楽しめる余裕ができた時代だからこそ、
    日本人の間に浸透したんだと思います。

  3. 幕末までの花見は、“梅”が有力になってきてますがね。
    もっとも、花見にいい気候なのは、やっぱり桜の時期でしょうね。
    それに何より、卒業と入学の時期でもあり、卒業式や、入学式に桜の開花が重なると本当に記念になる!
    桜吹雪の中の校門を抜ける卒業生や、桜のアーチの中を通って、新一年生が登校していく姿は、本当に晴れやかで、華やかでいいものです!