厚生労働省の人口動態統計によると、今や結婚するカップルの20組に1組が『国際結婚』(2009年データ)だという。この40年で11倍に増えた日本人の国際結婚。あなたの周りにも外国人と結婚しようとしている人がいるかもしれない。そんな身近になりつつある国際結婚だが、実際のところ、日本人同士との結婚と何が違うのだろうか。そこで今回は、外国人と結婚した日本人が語る「国際結婚して良かったこと、苦労すること」を紹介する。国際結婚経験者のホンネを探ってみよう!

 

良いところ1: 愛情表現が豊か

【国際結婚】外国人と結婚して良かったこと、苦労したことは?

 外国人と結婚した日本人は男女ともにパートナーの愛情表現の豊かさを良く思っている人が多いようである。「いつもハグ、キスなどで愛情を確かめ合ったり、感謝の気持ちをストレートに言葉で表現してくれたりするので、嬉しい。他人の前でも大袈裟に“妻が一番”と褒めてくれる」(ロシア男性と結婚)、「私が国際結婚でよかったなって思うのは相手が愛情表現を恥ずかしがらないところ」(あかりさん)など、オープンな愛情表現を好む人が多いようだ。

もちろん外国人と一口に言っても愛情表現の苦手な人もいるが、日本人は外国人に比べて一般的に愛情表現をしない傾向にあるようだ。その理由は日本の文化的背景からくるらしい。例えば、孔子は「君子は言に訥にして、行に敏ならんことを欲す」と説いたが、これは「言葉ではなく行動で示せ」という意味で、まさに日本人の美徳を表現している。さらに、夏目漱石は英語教師時代、「I love you」を「私はあなたを愛しています」と訳出した学生に怒り、日本語で実際にそんなこと言うものか、「月が美しいですね」とでも訳すのが日本語の翻訳だ、と喝破したという伝説がある。

日本は古くから“言わなくてもわかる関係”を良しとしてきた文化がある。この点が外国との違いであるが、愛情表現をしないパートナーとの関係を淡泊に感じてしまう人は国際結婚の方が向いているのかもしれない。

 

苦労すること1: ビザの手続きが面倒

【国際結婚】外国人と結婚して良かったこと、苦労したことは?

国際結婚をした人が挙げる不満で最も多いのが、面倒な手続きだ。日本人同士の結婚と比べ、かなり煩雑な手続きを要するのが国際結婚。例えばアメリカだと、婚約者ビザ、移民ビザなど“目的に合わせた”ビザ申請が必要になる。有名な、永住権(グリーンカード)をもらうときも,場合によっては何ヶ月も時間がかかり、その間は国外に出られない、合法的に働けない、などの不自由もある。

「自分が結婚後、国際結婚は大変!って思ったことは無いですが、書類関係と文化の違いは結構大変だと思いますね。特にビザ関係はお金も数万では利かない、最低でも15万ぐらいは手続きでかかりますし、国際引越しだって最低でも数十万かかります。」(アメリカ人と結婚)

日本で結婚する場合でも、漢字が読めない外国人パートナーのために全ての手続きをしなくてはならないという場合が多い。また、役所の職員も国際結婚手続きやビザ申請に不慣れだったり、大使館に問い合わせてもなかなか返答をもらえなかったりで、思ったようにスムーズに進まないのが国際間での手続き諸々だ。国際結婚では婚姻手続きや外国人配偶者ビザの申請などが、新婚生活での第一関門と言っても過言ではない

 

良いところ2: 帰省!

【国際結婚】外国人と結婚して良かったこと、苦労したことは?

 国際結婚の特典といえば、夫婦どちらかの国に帰省するときの“海外旅行”が楽しめる点だ。ただの帰省が「海外旅行」になり、行く方も迎える方も異常に盛り上がる国際結婚カップルの一大イベントである。航空券さえ買えば、ホテルをとらなくても長期間滞在できる点もいい。格安で海外旅行ができ、しかもその国の人(パートナーとその家族)による心強いガイドもついている。さらに、相手の国の年中行事にあわせて帰省すると、文化はお互いの国のモノを楽しめる。例えばアメリカだったらクリスマス、ハロウィーンの時期に帰省して、日本だったらお正月やお花見シーズンに帰省するという選択肢がある。

「海外旅行ができるから」という理由で国際結婚する人はいないと思うが、ただの帰省で小旅行を楽しめる点は国際結婚のメリットだと言える。

 

苦労すること2: 帰省

【国際結婚】外国人と結婚して良かったこと、苦労したことは?

 国際結婚の特典でもある「帰省」だが、同時にこれはデメリットでもある。格安の海外旅行ができるといっても、やはり1回の帰省に莫大な時間とお金がかかってしまう。中には相手の国と14時間以上かかる国もあり、何機も乗り換えして1日かかって帰るという人もいる。

「飛行機代だけで、何十万。安い時期に行けばいいとは言っても、学校がある時は無理だし、それに冬は寒過ぎて、行けない。結局、気候のいい夏しか行けないから、飛行機代がかかりすぎる事になる。」(カナダ人と結婚)、「航空券の値段も昔と比べると随分安くなり、実際に年に2,3回は帰省していますが、何かあってすぐに駆けつけられないのは辛い。」(イギリス人と結婚)

国際結婚では自分の国、相手の国、もしくは第3か国に住むことになるが、どの選択肢を選んだとしても夫婦のうちどちらかが家族や親しい友人、仲間たちと離れ離れになってしまう。国際結婚での困難は、この「どうしても埋められない距離」からくるものが多い。

 

良いところ3: 「外人だからしょうがない」

【国際結婚】外国人と結婚して良かったこと、苦労したことは?

“違いがあること”を最初から受け止められるというのが、国際結婚の良い点だという人もいる。

「国際結婚は違いがあって当然、というところからスタートするので、喧嘩になっても「文化の違い」と思い、ある程度あきらめもつき、うまくいきやすい」(フィリピン人と結婚)。「国際結婚の良いところは、“外人だからしょうがないか”で片付けられるところですね(笑)」(miffy30aさん)

例えば、外国人の奥さんが初めて味噌汁を作ってくれたとする。味噌汁の味が少々濃くても、「まぁ外国人だからしょうがないか」で済ませられるし、むしろ「味噌汁の作り方を学んでくれたこと」を嬉しく思うのではないか。よく「恋愛結婚は減点法」だという人がいるが、国際結婚の場合はその逆の加点法である。最初から文化も言葉も違う2人が生活するわけだから、全てが完璧にいくことはないし、むしろできないことの方が多い。しかし、だからこそ相手が歩み寄ってくれたときが加点となる。もともと、相手が自分のことを「わかっていて当然」だという過剰な期待がないからこそ、うまくいく。そう考えてみると、日本人同士の結婚も“男女の違い”があるのだから、違いを受け入れ過剰な期待をしないことが夫婦円満の秘訣だと言えるのかもしれない。

 

苦労すること3: 文化の違い

【国際結婚】外国人と結婚して良かったこと、苦労したことは?

  自分と相手は違うとわかっていても、文化の違いが障壁になってしまうこともある。「外国人だからしょうがない」で流せなくなってしまった時に、国際結婚カップルは衝突してしまうのだ。夫婦でわかりあえないこともあるが、それに輪をかけて周りの人の理解が欠けているせいで差別にあう人もいる。外国人の少ない日本では特にそうだが、外国人との結婚に偏見をもっている人もいるせいで、ストレスを抱えてしまう外国人も少なくない。また、子育てに対する考え方の違いから夫婦喧嘩になることは日本人同士でもあるが、外国人とのカップルは尚更のようだ。そのせいで、外国人として相手の国に生活している方がその国に対して不満をつのらせていき、それが爆発する…。という悪循環に陥りやすい。

元々同じ文化なら起こらない喧嘩も、国際結婚夫婦にはあるようだ。文化の違いによる衝突は、国際カップルにとっては切っても切れない問題である。

 

良いところ4: 固定観念がなくなる

【国際結婚】外国人と結婚して良かったこと、苦労したことは?

国が違う夫婦が歩み寄って生活するなかで絶対に必要になるのが、相手に合わせることだ。日本人の常識や考え方からは想像できないことでも、自分の意見ばかりを相手に押し付けていてはうまくいかない。そして相手とのギャップを受け入れた結果、凝り固まっていた価値観がなくなり、世界観が広がったと答える人が多い。

「国際結婚の良いところは固定概念がなくなること。結構日本で当たり前と思っていた事が全然違ってたりします。家庭のルールが日本と相手国のミックスになり、自分の視野が広がります。」(国際結婚した日本人男性)、「生活面のギャップは寧ろ刺激になってそこがまた魅力的に感じられますし、人生観には新陳代謝にもなります。結婚は自分にとっての人生&権益でもありますので、その点を踏まえて選んだので僕にとっては良いと思います。」(ノルウェー人と結婚)

文化の違いから衝突することはあっても、その衝突をひとつひとつ乗り越えた後に見える新しい世界というものがあるようだ。

 

苦労すること4: 老後や親の介護が心配

【国際結婚】外国人と結婚して良かったこと、苦労したことは?

国際結婚に限らず、海外で暮らしている人に共通する不安が「老後」や「親の介護」である。若くてエネルギーがある時の海外生活は比較的容易だが、年齢を重ねてくると不安も大きくなってくるようだ。

「向こうの家族が亡くなったり、親族に不幸があった場合の対応が面倒。」(フィリピン女性と結婚)、「親の介護や面倒を見るために単身帰国するなど、国内に住んでいるのと違って負担が大きい」(なかさん)、「宗教が違うため、どちらかが死んだらどうすれば良いかわからない。」(gigamamontさん)

親の死に目に会えないのではないかと心配する声も多かった。海外で生活している人は大なり小なり将来に対しての不安を抱えているようだ。

 

良いところ5: 言語

【国際結婚】外国人と結婚して良かったこと、苦労したことは?

 違う国の人との結婚での最大の魅力は「言語の違い」なのかもしれない。相手の国の言葉を覚えたいと思っている人には、ネイティブのパートナーがいることはとても心強いことだ。語学学校は大変な費用がかかるが、国際結婚した人にとっては語学習得にかかる費用は無料。1日中正しい言語の習得をサポートしてくれる人がそばにいてくれるのだ。まさに、外国人との結婚は新しい言語を身につけるチャンス!とも言える。

筆者もフランス人の旦那と週替わりで、フランス語、日本語、英語で会話をしている。習得した語学の数だけ、映画や音楽、文学などの楽しめるエンターテイメントの数も広がる。多言語で情報収集することのできるメリットも大きい。英語にはないフランス語の言葉や、フランス語にはない日本語の表現などを学ぶことで、言葉のニュアンスや表現方法の幅も広がる。国際結婚は言語習得を望む人には一番手っ取り早い方法だ。

また、言語が違うからこそ「相手が何を言おうとしているのか」に注意を払うようになるという利点もある。日本語同士なら、「同じ日本語なのだから自分の言っていることが相手に伝わって当然だ」と安易に考えてしまう。しかし、言語が同じだからと言って相手が言うことを理解しているとは限らない。夫婦のコミュニケーションには、常に相手が言わんとしていることを理解しようとすることが大切だ。そういった意味では、母国語が違うカップルだと相手に言葉の意味を説明するため、夫婦のすれ違いを防ぐことができるのではないか。

 

苦労すること5: 言語

【国際結婚】外国人と結婚して良かったこと、苦労したことは?

しかし現実には、国際結婚カップルの両方が相手の言語を流ちょうに話せるケースは少ない。どちらかが相手の言葉を話せないカップルが大半だ。結婚相手とどれくらいコミュニケーションがとれるかは夫婦によって様々だが、上手く会話ができないことでストレスとなっているカップルも多いようだ。

「英語圏に住んでいますが、結婚当初は英語がままならなかったのでコミュニケーションを取るのが大変でした。言ってる事がお互い解らないので、だんだんイライラして会話が減ってました。」(ももんがさん)、「夫となる人物と、緻密な言葉で連携が取れません。話をしたい事は山ほどあるのに、言葉を探す事がとても大変です。互いに近くに居るのに、心から相談したい内容を他の人にしてしまう状況が苦しいです。」(りんずさん)

こうなると、夫婦が互いを理解するのが難しくなる。しかし、どの国際結婚カップルもつきあい初めはなかなかうまくコミュニケーションがとれなかったという。国際結婚では、「言葉の壁を乗り越える」というのが夫婦に与えられた永遠の使命なのかもしれない。

 

まとめ

外国人と結婚をした人の意見を集めてみると、「国際結婚のいいところ、悪いところなんてない」という人が多かった。結局のところ、国際結婚も考え方次第なんだろう。

参照:(1)(2)(3)(4)

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3 コメント

  1. 家族付き合いが複雑になるケースもあると思います。
    日本人以外の人と結婚するって言った時の親族の反応が否定的だった時はがっかりしたな。縁を切るとも言われたけど子供が出来たらガラッと変わるのかな〜と希望を持っております。

  2. 愛情表現について日本は言葉でなく行動で示すというようなことが書いてあったが、外国人も行動でも表す。愛情表現って言葉で「愛してる」と言ったり誉めるだけでなく、何でもない日常で花を買ってきたり相手が疲れてる時はご飯作ってあげたり、浮気せずに家に帰ってくるとか、そういう日常のちょっとしたことも含めて「愛情表現」だよね。
    日本人でも外国人でも、愛情表現の言葉がなくてもあっても、行動で愛情が伝わらない人は信用できないよね。