海外で働く人、結婚する人、子育てする人、学ぶ人にはそれぞれいろんなドラマがある!海外で頑張る人のドラマを「これから海外に行こう」と考えている人に伝えたいと思い、海外在住者にインタビューしていきます。第6回目の今回は起業を目指し、フランスでエステの専門学校に通う岡本優希さん。慣れない土地で目標に向かって前向きに生きる彼女が見た海外とはどんなところなんでしょうか。

 

―フランスに行ってみようと思ったきっかけは何ですか?

優希さん 25歳の時にエステサロンで店長を務めていた事がきっかけでした。当時、顧客数約3000人・スタッフも多い時で13人というサロンで、教育やマネジメントなど様々な業務を抱え、夜中に帰ってくる時もしばしばという忙しい毎日を過ごしていました。 管理や教育をする立場になり、物事に対する視点が変わって自分自身が成長できた時期ではありましたが、同時に「自分とゆっくり向き合いたい」と思うようになりました。

日々やらなくてはいけない仕事と時間に追われ、ゆっくりと立ち止まってみる時間が自分の人生の中では必要なのではないかと思うようになったのです。全く違う環境に自分を置いてみたらどうなるだろう?という強い好奇心と、「日常を離れ、自分にとって本当に必要なものとそうでないものをゆっくり整理したい」という思いから、海外生活を決意しました。フランスを選んだのは、エステティック発祥の地と言われているからです。歴史あるエステティックサロンも点在しています。この国で美容業界をそれまでとは違う視点でみたい、そして美容に関わる生活の中、受けたインスピレーションでこの先の自分の人生を動かしたいと思いフランスに来ました。

―実際に行ってみて、優希さんのなかで何が変わりましたか?

インタビューにこたえてくれた優希さん
インタビューにこたえてくれた優希さん

優希さん 今フランスに来て、美容を通して多くのフランス人と日々接していますが、様々な面でとても刺激を受けています。

自分の中の変化で言うと…少し「度胸」がついたかな?と実感する事が最近ありました。先日実務研修(スタージュ)先で面接があったのですが、それをとても自然に楽しめたからです。面接では、面接官に「フランス語だけでなく英語もできなくては仕事にならない」と念押しされ、さらには前もって知らされていなかったマッサージの技術テストをすると言われました。もし私がフランスに来て間もない頃に、フランス語で自分の思いや経験を話すだけでなく、このような予想外の課題を出されてしまったら、きっとパニックになっていたと思います。笑

「何とかするしかない」という精神と、それに「立ち向かう度胸」が身に付いてきた事が今回の採用につながったのだと思います。フランスに来て、成長できた事のひとつです。

こうした事から、私は海外に興味がある人は思いきって日本を出て、日常ではできない経験にチャレンジしてみる事をおすすめします。言葉の壁がある海外では、毎日思うようにいかないことの連続です。日本と比較すると生活の中では不便な事も多く、うまく現地の言葉が話せずに落ち込んでしまうこともありますし、嫌と言うほど自分と向き合うことになります。反面、そんな中でも気持ちを明るく持って目標に向かって進めば、道は開けるものです。このような苦労も喜びも含めて、海外生活は自身を高め、深めていく一つの手段となるのではないでしょうか。

「何かをできる様になる」ためにはどうしよう?と考え、ぶつかっていくことの連続が人を強くさせるのだと思います。

―海外でもたくましく生きる優希さん。これから一人で海外に行ってみようと考えている女性に何かアドバイスはありますか?

優希さん 海外では自分の思うようにいかない時、私は「手放し精神」を大切にしてきました。手放し精神とは、嫌なことや悲しいことが起こった時に全部手放しで受け入れようとする精神のことです。海外に限った話ではありませんが、人生でどんなに辛いことが起こったとしても、自分に起きたことは全て意味のあることなんだと受け入れる力が必要だと思うんですよね。

例えば日常的な話を出すと、上司にこっぴどく叱られたAさんとBさんがいるとします。Aさんは上司から言われたことにショックを受けて、上司を影で批判します。対するBさんは「なぜ上司はこう言ったのか?」、「この先どう進んでいけばいいか?」と考えます。この2人の差はとても大きく、海外生活にはAさんのように感情で流されるのではなく、Bさんのようにそこに含まれる意味を自分で考え、行動に移す事。これが経験を糧にできるコツであり、異文化での生活をより楽しくしてくれるのだと思います。

―美容のプロ、優希さんから見たフランス人女性の魅力とは何ですか?

優希さん フランス人女性は流行にはあまり左右されず、洋服や化粧品など自分のこだわりを持っている人が多い印象を受けます。自分のプロデュース力も高く、独自の色気を持つ人も多い。「色気」にこんなに種類があるものかと驚いています。

そして忙しく日々を過ごした事も関係しているのでしょうが、フランス人特有の「自分に本当に必要なものだけを選ぶ」という傾向が、私はとても素敵だと思っています。

日本は本当にたくさんの商品に溢れ、便利でとても刺激的な国です。海外に向けて誇れる事もたくさんあります。ですが同時に、今は自分にとって何が大切なのかがわかりにくくなってしまう社会でもあると思います。モノや人の取捨選択がしにくく、煩雑になってしまいやすい。自分にとって何が必要で、どんな人が大切なのかが見えなくなり、自分の軸を容易く見失ってしまうのではないでしょうか。

私はフランスにいる今、家族や恋人、親友と過ごす時間を大切にし、何においても「自分の気に入ったものだけを選ぶ」というフランス人のスタイルに、心地よさと気付きをもらう毎日です。もちろんフランス人の生活スタイルが完璧だと言うことはありません。

ですが、流された状態であっという間に日々を重ねてしまうよりも、自分で選択する自由を手にし、人生を充実させていく。またはその努力をする事。

日々フランス人と接している中で、そうした「生きるエネルギー」が人を美しくする基盤となるのだと気付きました。

私は美容という仕事を通して、この「自分の人生を自分で輝かせる美」を伝え、スパ・エステティックが人の人生に彩りを加えるお手伝いができると強く信じています。

 

 「自分の価値判断を大切にして生きたい」と語る優希さんは、その言葉のごとく、どんな時でも自分の意見をしっかり持っている。同時にその向上心と意志の固さとは対照的に、物腰の柔らかで親しみやすい雰囲気をもつギャップが魅力的な女性だった。自分の夢と目標に向かい、海外という慣れない土地でも日々チャレンジし続ける彼女は強く、美しく、かっこいい。そんな優希さんがこれからどうやって日本の女性を美しくしていくのか、彼女の今後に目が離せない。

岡本 優希(おかもと ゆうき)

1982年大阪生まれ。18歳の頃初めて行ったエステで、強い勧誘に押され高額なローン契約をする事となる経験をするが、これがきっかけとなってエステ業界に興味をもつようになる。美容専門学校で勉強し、20~60代の幅広い年齢層を顧客にエステ業務に没頭。25歳で店長に就任。「洗練された技術・上質なサービスを適正価格で安心して受けれるサロン」を日本で実現することを目標に、自身のステップの一環として2013年フランス労働省認定のSPAのセラピストの資格を取る学校に入学。6月からはニースの5つ星ホテルでのスパで、スタージュ生として働くことが決定している。

 

 

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