外国人がなかなか馴染むことができない日本の習慣の一つに、贈り物の習慣がある。外国人が日本で生活していくなかで、日本の贈り物の習慣はもはや文化であり、贈り物をする頻度も海外に比べて格段に多い。お正月のお年玉、暑中見舞い、お歳暮の定期的な贈答、それに加え、クリスマス、バレンタイデーなど。また、近くに子供が生まれれば、出産祝いに始まり、七五三、入学祝、卒業祝、成人式、結婚、入学試験の合格祝、新築祝などなど。

さらに頻度が多いだけでなく、日本では贈り物のマナーが厳しく、暗黙のルールも多いため、日本の生活や文化に慣れていない外国人にとってはかなりややこしい習慣なのだ。

それでは具体的に、日本の贈り物文化のどういうところが外国人から見てわかりにくいのだろうか。そこで今回は、日本独特の贈り物文化と海外との違いを6つ紹介する。海外から見た日本の不思議な習慣を探ってみよう。

 

1. 現金

まず、日本の現金を贈る習慣が海外とは大きく違う点の一つである。結婚祝いやお年玉など、ご祝儀という形で人生の節目節目に現金を包んで渡すが、海外ではこういった行為はまれである。もちろん、祖父母や親などが子どもにお金を渡すということはあるが、日本のように形式的ではなくお金を渡すための特別な袋などは存在しない。

一般的に海外で贈り物と言えばお金ではなく”モノ”であり、そのため自分のほしいものを最初にリスト化する場合もある。贈り物に現金を渡すというのは、あまりにも生々しいと考える人が少なくない。

2. お返しは絶対

日本では何か贈り物をされた時、返礼としてその人に物を贈り返すのが一般的だ。例え相手が「お返しなんて気を使わないで」と言った場合でも、よっぽど親密な仲ではない限り、お返しをするのが暗黙のルールだ。しかし、外国人はこのように言われた時、言葉のまま受け止めてしまう。

海外で贈り物をするときは、例えば出産祝いを渡した時など、もらった側もお祝いをもらうことを予測していない場合が多い。そのため、贈り物はあくまで”気持ち”であり、気持ちを頂いたことに感謝はするが、「返さないといけない」という義務感はあまりない。気持ちを渡す贈り物でありながら、それを返す義務がある点が日本独特だと言える。

3. お土産

日本は海外に比べてお土産産業が大きく、お土産の種類や数なども多岐にわたる。それは日本人がどこか旅行に行った時に必ずと言っていいほど「お土産」を買っていくからだ。もちろん、海外の人もお土産を贈ることはあるが、仲のいい友人や家族に買っていくという人が一般的だ。しかもこの場合も「絶対に買わなければいけない」わけではない。欧米人にとってのお土産は「思いがけないプレゼント」であり、日本人にとってのお土産は「通過儀礼として贈り物」というイメージを持っている人が多いようだ。

4. 開けてもいい?

外国人から見た「日本の贈り物文化&マナー」海外との違い6パターン日本では、プレゼントを開けるタイミングは人によって様々である。プレゼントをあげた人のために、その場で開けてリアクションを見せた方が好印象だという意見もあるが、反対にプレゼントを貰って喜ぶリアクションを強要することになるので避けるべきだという意見もある。もらったその場ですぐに開けたいという人もいれば、うまくリアクションがとれないので後で一人になったときに開けたいという人もいる。いずれにせよ、プレゼントをもらってその場で開ける場合は、一言「開けてもいい?」と聞くのが無難だと思う。

反対に、海外では贈り物を貰ったらその場で開けるのが普通。わざわざ断りを入れる必要はない。

5. 包装紙

日本は折り紙やのし紙などの影響もあってか、包装紙や包み方の細部にまでこだわる。だから日本から外国人にお土産をすると、その完璧なまでのラッピングを褒められることが多い。日本では包装紙やリボンのついたラッピングまで含めて”贈り物”であり、プレゼントを貰った時には包装紙についているセロハンテープをキレイに剥がして、プレゼントを開ける。全ての日本人がそうするわけではないが、包装紙をビリビリと豪快に破いて開けるより好感をもたれるだろう。

海外ではプレゼントをもらったとき、「早く開けたい!」という気持ちを伝えるかのごとく、その場で包装紙をビリビリと破く。包装紙なんて目に入らないと言わんばかりの豪快さだ。そのため、例えばクリスマスプレゼントを買ったときもお店ではなく自分でラッピングする人も少なくなく、その場合、お世辞でもキレイとは言えない。

6. つまらないものですが…

日本では贈り物を渡すとき、一言「つまらないものですが…」と付け加える。最近は、「形式的で古い」「返って失礼になる」「そんなに謙遜しなくてもいいのでは?」という意見もあるそうだ。しかし、「こんなにいいものを買ってきた!」と胸を張って渡すよりも、多少謙遜して渡す方が日本の文化には合っている。なぜなら「つまらないものですが・・」という言葉の背景には「相手の負担を軽くする」という意味合いもあったからだ。贈り物を貰う側の「お返し・御礼」をどうしようといった気持ちを和らげるため、使われてきたという説もある。

日本のようにお返しが絶対ではない海外では、贈り物をする側もされる側もプレッシャーが少ない。そのため、こういった謙遜のフレーズは海外では使われない。

 

まとめ

日本の贈り物の習慣はややこしい。贈り物マナーは日本人にとってもややこしいので、外国人には尚更だ。しかし、複雑な贈り物の文化がなんとも日本っぽいと思うのは私だけだろうか。贈り物にまつわる礼儀やマナーが、日本人の本音と建前を如実に表している。ちょっと複雑でわかりにくい日本の贈り物マナーは、そのまま日本人のコミュニケーションを反映しているような気がする。

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4 コメント

  1. とても面白いです、文化の違いって発見だらけですね。私も日本で少しずつ日本文化の芸術と言うと大きいけれど個人のパーティーなどで伝えています。
    すごく日本人でも気づかないところに目が届くことがとても新鮮です。

  2. 包装袋は過剰包装が多くのし袋もそんなに見たり気にしてる人いないしゴミが増えるだけだから日本人でもやめて欲しいと思う。すぐに開けたい。お土産や暗黙のルールが面倒に同意。吉本新喜劇の茂じいのようにつまらないものにはめん。現金包むよりも必要なものや体験の方が確かに良いですね。日本は相対的貧困率がアメリカ並みに高く現金包むご祝儀文化とかは辛いです。
    海外と日本の両方の文化を知る人の視点と指摘で日本が自分の意見をはっきり言う平和的自己中が増え日本が平和主義でありつづけることとマナー等で仲違いせず寛容さを身に付け海外と仲良くなれる日本人にも外国人にも区別なく住みやすいインターナショナルなプライド要らずの社会になりますように。