厚生労働省は毎年、日本の人口動態統計を発表しています。なかでも興味深い資料は年齢・性別別の死因分析資料です。そこで今回は、「日本人はなぜ死ぬのか?」をテーマに、平成21年~23年に発表された厚生労働省の人口動態統計をもとにした興味深い内容をまとめてみました。

 

▪ 日本人の死因、第1位はがん

主な死因別死亡数の割合(平成22年)
主な死因別死亡数の割合(平成22年)

日本人が亡くなる最大の原因は悪性新生物(がん)です。昭和56年より死因の第1位となり、現在では、年間30万人以上の国民ががんでお亡くなりになっています。つまり3人に1人の日本人ががんで亡くなっているという計算です。また、生涯のうちにがんにかかる可能性は男性の2人に1人、女性の3人にだと言われています。

部位別患者数は、1位が大腸がん、2位胃がん、3位前立腺がん。部位別死亡者数は1位が気管、気管支および肺、2位胃、3位大腸です。がんは進行していない早い時期に早期発見、早期治療をすれば非常に高い確率で治癒できます。そのため厚生労働省では、がんを“初期”の段階で見つける「がん検診」をすすめています。(参照:厚生労働省がん検診

 

▪ 20代~30代の死因、第一位は自殺

平成18年までの原因・動機別の自殺者数の推移
平成18年までの原因・動機別の自殺者数の推移

平成21年の人口動態統計によると、20歳~39歳の死因の第一位は自殺です。構成割合を見ても、31%~49%と非常に高い割合で推移しています。人口10万人あたりの自殺者で表される「自殺率」は2013年度の発表で21.4。これはアメリカの自殺率12.35を2倍近く上回っています。先進国の中で最も自殺率の高い日本は、1日に80人自殺しているそうです。

日本では「健康問題」が自殺の原因として一番多く、「健康問題」の内訳では「病気の悩み・影響(うつ病)」が7,020人と最も多いです。自殺を防ぐには、多くの自殺の背景にある、うつ病を早期に発見し、治療を受けることが大切です。うつ病を軽く見ず、心の健康管理にも気をつけることが日本での自殺を減らす予防策になるでしょう。(参考:内閣府自殺対策)

 

▪ 男性は女性の3倍自殺している

日本人はなぜ死ぬのか?日本人なら知っておくべき日本人の死因について

自殺の男女比では圧倒的に男性の方が自殺者数が多く、女性の3倍近く自殺しています。例えば、平成21年の調査によると自殺者数が最も多い35歳~39歳では男性が1853人、女性が570人となっています。20歳~29歳では、自殺が男性の死因の50%以上となっており、いかに高い水準かがわかります。

その原因として、加藤秀一著の『ジェンダー入門―知らないと恥ずかしい』にはこのような記述があります。

中高年男性の自殺という悲劇は、「男も差別されている」からではなく、男たちが男性役割に呪縛され、苦しみながらも、悲鳴を上げることさえできないというところから―それが原因のすべてではないにせよ―生じてくるのです(他人に悩みを打ち明けることが苦手であるというのも、よく知られた「男性役割」の一側面です)。

男性は戦う性であるという社会認識が男性を苦しめているのかもしれません。これは日本に限った話ではなく、世界の他の国でも一般に男性のほうが自殺率が高いですが、自殺問題を取り上げるにはまず男性のおかれた環境を理解することが先決だと思います。

 

▪ 死亡年齢は80~84歳が一番多い

平成23年の調査では、年齢が80~84歳の間に亡くなる方が一番多く、死亡者数は6万2826人です。死因の第一位はやはりがん。第2位が心疾患、第3位が肺炎となっています。心疾患は、大きくわけて「狭心症」と「心筋梗塞」です。肺炎の患者数は年間10万人を超えており、肺炎の死亡者の95%が65歳以上の高齢者だと言われています。死亡年齢を男女別にみると、男性では75~79歳、女性では85~89歳で亡くなる人が最も多いです。

 

▪ 5~9歳の女児の死因の第5位はインフルエンザ

日本人はなぜ死ぬのか?日本人なら知っておくべき日本人の死因について

平成21年の人口動態統計で一番目を引いた意外な結果が、5歳~9歳の死亡理由です。インフルエンザが死因の第5位となっています。死亡数は16名ですが、子どもがインフルエンザを患うと「インフルエンザ脳症」というインフルエンザ罹患の後に急激に悪化する急性脳症になってしまう可能性があります。毎年50人~200人のインフルエンザ脳症患者が報告されており、その約10~30%が死亡しています。死亡しなかった例でも、知能障害やてんかん等の重大な神経症状を残す事があります。

日本でも毎年猛威をふるうインフルエンザですが、単なる「重い風邪」だと思って軽く見るのではなく、予防策をしっかりとることをおすすめします。インフルエンザの疑いがある場合は、必ず医師の診断をもらうようにしましょう。(参照:みやたけクリニック

 

まとめ

日本人の死因のなかでも特に、自殺が先進国の中で一番多いというのが日本人の死因の特徴である。しかも、20代・30代の本来なら人生が最も充実している時期であるはずの年代の人たちが、自ら命を絶っているというのは何とも悲しい現実である。うつ病などの心の問題と社会がどのように関わっていくかが問題の焦点となりそうだ。

 

参照:厚生労働省、死因順位平成21年

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1コメント

  1. 闘い過当競争から降りる会殺しされない長時間労働しないニートやフリーランスやノマドワーカのような働き方が一般化するとよい。クラウドや地方になんぼでも人間本位で大切にしてくれ必要としてくれるとこはある。
    出羽島はお金の要らない島だ。お金に苦しまないために日本人は一度行くことを進める。