日本人はスキンシップの少ない国民だと言われています。確かに、日常のあいさつで家族や友人にハグやキスをする国の人たちに比べると、日本人同士では自分以外の人間と肌を触れ合う機会というのはさほどありません。「必要以上にスキンシップをしない」というのが日本文化だと言えます。

しかし、実際にスキンシップを多く受けた子供とそうでない子どもには違いがあるのでしょうか?そこで今回は、日本でアメリカ人の旦那様と2歳の娘と暮らす中国人ママのシェリリンさんから見た”日本人の子育ての特徴”をご紹介します。スキンシップが少ななく育つと、子どもはどうなるのでしょうか。


 

日本人親子のスキンシップの仕方

中国人の両親に育てられたシェリリンさんは、どちらかといえばアメリカではなく日本に近いしつけを受けてきました。アメリカ人のようにキスやハグをされたり、「アイラブユー」と言われたこともありません。彼女の両親は言います。

「アイラブユーなんてわざわざ言葉にしなくても、行動で示している。言葉で言うよりも行動で示す方が重みがある。いい学校に入れて、毎日栄養を考えて食べさせ、大きくなるまで育ててきたんだ。」

そんな両親に育てられたシェリリンさんは両親とは違い、娘とのキスやハグなどのスキンシップを大切にしてきました。、マシンガンのようにキスをするという遊びも日常だと言います。一日に何回子どもにハグやキスをしているかわからないほどです。そんなシェリリンさんは「公園などにいる他のママたちは私のようにあまりスキンシップをしていない」と言います。

「日本人はキスやハグはしない文化ですが、スキンシップを避けている文化というわけではありません。日本の親子は一緒にお風呂に入るとか、川の字になって親子で寝るなどの欧米にはないスキンシップの文化があります。」

確かに彼女の言うように、日本の親子というのはハグやキスなどの直接的な愛情表現よりも、“同じ空間にいる”という間接的なスキンシップを好むのかもしれません。『愛とは、お互いを見つめ合うことではなく、共に同じ方向を見つめることだ』と「星の王子さま」の作者であるサン=テグジュペリは言いましたが、日本人のスキンシップや愛情表現もこれに似た傾向があるように思います。

 

スキンシップを多く受ける子どもはこうなる!

では直接的なスキンシップと間接的なスキンシップの違いで、子どもにはどんな影響の違いがあるのでしょうか。シェリリンさんは語ります。

「子どもへのスキンシップが多いと、子どもは安心して外の世界に出て行こうとするようになると思うんです。ママに愛されているから少し離れても大丈夫だと安心できるんです。うちの子は1歳になりたてのころから、私の目の届かないところにまで活発に遊び回っていましたが、他の1歳の子はほとんどママから離れようとしませんでした。


うちの子は他の子に比べて自立心が強く、日ごろのスキンシップで子どもに安心できる環境をつくってあげているので、外の世界を探検しようとする子に育ったのではないかと思っています。日本のしつけは反対に、なかなか親やグループから自立できない子が育ちやすいのではないでしょうか。」

「日本人は子どもへのスキンシップが少ない」日本に住む外国人ママの意見

さらに、シェリリンさんはこんな問題点を挙げています。

「子どもが悪いことをしたとき、日本人の親は”他の人はどういう風に思うと思う?”、”他人は何て言うと思う?”と言って叱ります。(私の両親もそうでした。)日本的な子育ての仕方では空気の読める集団意識の強い子どもが育ちます。このしつけのおかげで、日本社会はとてもきちんとしていて、平和で、調和のとれた社会です。しかし、日本の子どもは時に他人の意見を気にしすぎて、自分のことがよくわからなくなったり、自分のアイディアや考えをうまく構築できなくなってしまうと思います。よく日本人はシャイで静かだと言われますが、これも日本人のしつけからくるステレオタイプだと思います。」

 

欧米型子育てにも問題がある

しかし、欧米型の子育てが全ていいわけではなく、日本にはない問題があるとシェリリンさんは言います。

「西洋人の親は子どもにあまりにも楽観的なことを言い過ぎていると思います。「あなたは将来何にでもなれるのよ」と子どもに言う親はアメリカに多いですが、日本にはあまりいません。欧米の子どもは現実に伴っていないような高い期待を自分にしていることがあります。だからアメリカ人は「自分に自信がある人が多い国」ランキングでは1位ですが、数学のスコアランキングでは35位です。」

結局のところ、スキンシップの多い欧米と少ない日本ではどちらが良い・悪いということではなく、それぞれの親がどのような子どもに育ってほしいかを考えて、それに合わせたしつけやスキンシップの仕方をしていくべきだとシェリリンさんは結論付けています。

桜美林大学心理・教育学系准教授の山口 創さんは言います。

「子どもは「ママといっぱい触れ合いたい」と本能的に思うもの。幼少期に蓄積されたスキンシップの効果は一生続くといわれているので、できるだけ応えてあげましょう。「ベタベタしていると親離れできなくなるのでは」と心配する人もいますが、たくさん甘えさせる方が子どもの心が満たされ、自立を促すこともできます。」

子どもに”愛情”を日常的に伝えることを心がけ、親子のスキンシップタイムをつくってみるのもいいかもしれません。

参照:huffingtonpost.com


2 コメント

  1. 私が特殊だったのかもしれないけど子供の頃親に抱っこされるのもベタベタ触られるのもイヤで自分から逃げてたから 親がスキンシップを嫌がったっていうより子供の方がイヤがってた 民族的性質の違い?
    この記事の中国人ママは日本的に育ったって書いてあるけど、中国や韓国の人は大人同士も日本人よりスキンシップが多いように感じるよ
    韓国旅行行ったとき、あっちの女子高生達が全員腕組んでべったりくっついて歩いているのにびっくりした記憶がある
    こっちの女子高生達は時にじゃれあう事があっても四六時中手をつないだりはしない
    中国の行列の報道なんか見てても人口の多い国ではパーソナルスペースの感覚が日本より狭いのかなと思ったな

  2. ヨーロッパからきた宣教師の記録にると昔から日本人は欧米人に比べても子供に対してスキンシップは多かったとあります。肌身離さず子守りをしたりおんぶだっこなど、結構日本での子育ての中ではスキンシップ重要でないでしょうか?キスやはぐなどだけがスキンシップっていうのはあまりにも極端で欧米ひいきな感じがします。でもやっぱりそれでも12歳を超えて思春期にあたると極端にスキンシップの場は減ってくような。大人になるためにはべたべたをやめて独り立ちを促そうとしてるのでしょうか。

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