筆者はパリの地域団体(アソシエーション)でフランス語のレッスンを受けている。このレッスンでは毎週、色々な国籍の人が輪になって1つのテーマについて話し合うのだが、先週は「外国人に伝えたい母国の良いところを3つ挙げる」というものだった。

自分が母国の大使館職員になったつもりで、自国の良いところを3つ挙げてプレゼンテーションするというものだった。日本のいいところ、好きなところはたくさんあるが改めて聞かれると、なかなか難しい質問だった。そこで今回は、私が考える「世界に誇る日本のいいところ」を3つ紹介します。あなたの考える日本のいいところは何だと思いますか。


 

1. 商品、サービスの質、便利さ

フランスに住んで6年。海外旅行もそれなりにしてきたが、日本よりサービスの質が良く、便利な国は他にはないと思う。宅配便の正確さ、24時間営業のコンビニ、遅れのない公共交通機関…。日本にいたらどれも当たり前なサービスだが、海外では珍しい。日本のサービスはどれをとっても無駄がなく、ユーザビリティを追及して、スピーディーに「便利」を手に入れられる点が素晴らしい。

日本に一時帰国する度に新しいサービスを発見する。日本の食品を買ってみると、パッケージがより開けやすいように商品改良がされている。日本はこんな風にして戦後の経済を発展させ、敗戦国から先進国にまで成り上がることができたのではないだろうか。日本企業が競争に勝つために切磋琢磨し、企業努力を惜しまず続けてきた…その結果が現在の経済力であり、日本が豊かな理由である。

 

2. 四季を楽しむ心

外国人に自慢したい!「日本のいいところ」を3つ考えてみた

日本は古来から”四季を楽しむ文化”が根付いている。四季おりおりの自然の美しさを謳った俳句は近世で発展した文化だが、日本人は今でもどこか”自然に感謝し、楽しもう”という意識が染みついているように思う。春には桜の木の下でお花見をし、夏には浴衣を着て花火大会に行き、秋には紅葉狩りをするような国は他にはないのではないか。

なぜ日本人はこんなに”四季”を味わうのが好きなのだろうか。それは、日本が“自然災害の国”であることに関係していると思う。小さな規模を含めると、日本は1年中地震や台風、津波、火山噴火などの自然災害が絶えない。それもそのはず、日本列島は4枚のプレートの衝突部にあって、世界的にも活発なサブダクションゾーンのフロントに位置している国だ。不安定な地殻の日本に住む人たちは、古来から常に自然災害と隣り合わせで生活してきたということである。

だからこそ日本人は、「当たり前の自然」や「普通に季節がやって来ること」がどれだけ幸せなことなのかを無意識のうちに知っている。四季の移ろいを味わうとは、日常のシンプルなものに目を向けて感謝をするということである。より多くを求めることではなく、今ある幸せに気が付くということだ。これこそが”禅の心”であり、幸福の秘訣であり、筆者が思う「誇るべき日本文化」である。


 

3. 食

外国人に自慢したい!「日本のいいところ」を3つ考えてみた

世界で健康食として注目されている日本食。海外で”日本食”が話題にされるときは、だいたい「スシ」や「魚」、「うまみ」の話になるが、筆者が面白いと思うのは”日本食の発展”である。

日本料理は大きく分けて3つに分類される。また、和食、洋食、中華のどれにも分類できない料理(例:とんかつ、お好み焼き)もあり、一口に日本食と言っても様々である。この”分類できない点”が日本食の面白いところではないかと思う。海外の国でも、”異国料理”というのは存在するが、異国なものはあくまで“異国”のまま残っている場合が多い。それに比べて日本は、異国の食べ物を日本の調味料や調理方法を駆使して”日本風”に仕上げ、全く新しい料理を作り上げている。そして美味しい。

広がりのある日本食はそのまま日本人の気質を反映しているように思う。世界の素晴らしいものは積極的に取り入れ、真似してみる。しかし、ただ単純な真似で終わるのではなく、それを”和風”にアレンジする方法を研究する。結果、出来が良く、オリジナリティのある”別のもの”を作り上げる。

よく、日本人は欧米人の真似ばかりすると批判する人もいるが、真似した結果、オリジナルと同程度に(もしくはそれ以上に)良いものを生み出しているのだから、むしろ称賛すべきだと筆者は思う。良いものは良いと認め、自分に取り入れる。そんな日本人の姿勢が日本食のバラエティの豊かさに反映されているような気がする。

 

おわりに…

ここまで日本を褒めちぎって気持ちが悪いので、筆者が思う「日本の嫌なところ」を一つ挙げます。それは、「人々の生活がバブル崩壊後も変わらないこと」。働けば働くほど、お金が稼げるという時代は終わりました。これからは、ヨーロッパのように長期休暇を増やすなどして、ワークライフバランスの充実に政府や社会が力を入れていくべきです。残業や飲み会などで家族と過ごす時間のない父親を減らし、子育てのしやすい”ゆとりのある世の中”の構築が少子化問題解決のためにも不可欠だと思います。

経済が悪くなってしまっている以上、これまでの「頑張れば報われる」論だけではやっていけません。金銭的に豊かになるのではなく、”人生を楽しむ、味わう”という新しい価値観を国の経済政策の中に盛り込むべきだと思います。

 

みなさんは、外国人に日本の良いところを紹介するとしたら、何をアピールしますか?コメント欄でお聞かせください。


7 コメント

  1. 四季のある国は数えきれないほどあります。

    食に関して日本の料理は
    半分⇒中国のパックリ (ラーメンや餃子など)
    半分⇒フランスのパックリ (コロッケやクレープなど)

  2. 外国人に自慢したいって思うかもやけど、やめてほしいわ。日本に来て4年くらいになるけど、最初来た時と全然違う。右翼が力増してるからか分からんけど、「日本の四季ってすごいでしょ?!」とか「日本料理が世界一ですぅ」とかぬかす奴が多くなってる。

    日本は本当に良い国やけど、日本人に言われたら、ただの自画自賛に聞こえる。

  3. 良い事を探すことは良い。
    日本だけでなく外国の良いとこも一緒に褒めて多文化共生社会を作りましょ。
    日本が外国人にも住みやすくなればダイバーシティが配慮され日本人にも住みやすくなる。逆もしかり。
    海外が日本人にも住みやすくなればダイバーシティが配慮され外国人にも住みやすくなる。
    関西のお笑い文化と関東のおしゃれの両方の良いとことるとかね。

  4. サービス: 奴隷労働の元凶。それを肯定してバブルと変わらないライフバランスのなさが嫌?アホか。
    四季: 外人がクソうざいと思っている日本人の盲信ね。
    食: 提供者は奴隷労働でゾンビ。輸入食料の50パー以上廃棄する恥ずべき文化。

    こういう奴に限ってこの服はカンボジアの貧しい子どもが〜とかいうんだろうね!所詮外人夫との結婚で苦労なく得た西洋生活享受者で日本の利点だけフリーライドする西洋かぶれ世間知らず女の戯言だわ、ってな事を言われてしまいますよ!!

  5. なるほど。たしかに四季を無意識に感じてることはありますね。

    その他にも私が思うことは『日本語』です。
    単に日本語といっても、言葉の使い方がとても謙虚でスマートだなって感じます。
    (例)
    『いつもトイレを綺麗に利用していただきありがとうございます』
    こんな言葉って、なかなか謙虚な心がないと使えないと思います。

  6. 日本の良いところを3つ挙げるとしたら何になるのかと興味を持って記事を開きましたが、???…

    サービスの良さは認めます。フランスにいるときは「お客様は奴隷」という感じですから。でも、自分がサービス業で働くことを考えたら、日本では人間の尊厳を侵害されているほど酷い働き方をさせられるわけなので、日本の良さとは言いたくないです!

    >日本の食品を買ってみると、パッケージがより開けやすいように商品改良がされている。

    これは確かに、そうですね。フランス人もパッケージは開けにくいと言っているので、なぜ改良しないのかが不思議! でも、こんな程度で日本は素晴らしい! と絶賛しなくても、もっと日本の良さだと誇れるものがあるのではないかな?…

    >日本はこんな風にして戦後の経済を発展させ、敗戦国から先進国にまで成り上がることができたのではないだろうか。

    日本は、こんな風にして、経済を第一目標にして、お金の無い庶民は人間としての尊厳を持った生き方ができない国になった、と私は感じています。

    >日本人は、「当たり前の自然」や「普通に季節がやって来ること」がどれだけ幸せなことなのかを無意識のうちに知っている。

    日本文化としてはありますし、知っていますけれど、東京には四季は全く感じられません。日本にいるときは東京で、フランスにいるときは田舎なので、フランスの四季の方が遥かに強く感じています。寒い冬が終わった春の森に咲き乱れる花々は素晴らしさの魅力は素晴らしいので、この時期には絶対にフランスにいたいと思ってスケジュールを調整しています。日本では、田舎でさえも人工的な花畑を作って観光客を集めているので、それは日本的な自然に対する感覚には合わないので腹がたちます。

    日本の食は酷い状態にあると思います。

    日本で1カ月くらい暮らしていると、美味しいと感じる物を食べられないのが耐え難くなり、美味しくないまでにも「まともなもの」を食べられるために、フランスに帰りた~い! と叫びたくなるほどの禁断症状になるのが常です。

    肉には種類がなくて不味いのは、日本は肉食文化ではないのであきらめます。でも、野菜までも、形だけで、本来の味が全くしないのは耐え難いです。もちろん、お金持ちなら、日本でもマトモな食材や料理にありつけるでしょうけれど、そんな生活はできません。フランスも食の乱れが大きな問題にされていますが、日本はそれを問題にすることがないほど乱れきっていると感じます。

    フランスは日本食ブームなので、私も日本料理を作って友人たちに食べさせるようになりましたが、刺身などを作るには、日本で手に入る下手なものよりも美味しい魚介類が手に入ります。生で食べられる魚介類を仕入れのためには、50キロ、100キロ先の町まで行く必要がありますけれど。

    というわけで、せっかく3つ挙げてくださった日本の良さの中に、私が同感できるものはありませんでした。最近の日本礼賛ブームのようなでっち上げではなくて、本当に日本の良さだと誇れるものを見つけてくださらないでしょうか?

    高度成長期の前だったら、都会にも田舎のような長閑さがあって、見知らぬ人たちとも心温まる交流があったのは日本の良さの一つだと思っていたのですが、最近の東京は殺伐としていて、感じが悪いと思っていたパリっ子たちの上を行ってしまうほどの冷たい仕打ちでショックを受けることが度々あります。政府も、庶民も、弱いもの虐めをするようになった最近の日本。本来の日本人は、こんなではなかったのに~!!!

  7. サービスの質がいいのは同意です。
    上はとても怠け者だけど、国民はとても働き者でそういう意味ではとてもいい国だと思います。
    宅配頼んでも盗まれたりすることは滅多になく、わざと壊されたりすることもなく、
    逆に親切で心温まる郵送&宅配業者さんが多いです。
    特に赤帽は素晴らしい。払った分だけ絶対に必着で荷物を届けてくれる最強の宅配業者です。
    願わくば沢山の善良で親切な労働者が報われるようになってほしいし、
    そんな国になるように頑張って行きたいものですね。

小池 咲紀 への返信 返事をキャンセル

Please enter your comment!
Please enter your name here