過激派テロなど、何かと物騒な事件を聞くことが多い昨今。世界の治安情勢はどうなっているのでしょうか。そこで今回は、メキシコ市民議会が注意喚起のために発表した「世界で最も危険な都市ランキング」をご紹介します。(紛争、戦争地域での殺人事件件数の統計は取れないため、紛争地域を除外して調査)

 ラテンアメリカの人口は世界の8%に過ぎないにも関わらず、世界の殺人事件の3分の1がラテンアメリカで発生していると言われています。これらの都市での治安の悪さの裏には麻薬がらみ、ギャングの抗争、政治的不安定、役人の汚職、貧困などの問題が根底にあるようです。

 

10サン・ルイス(ブラジル)

2012年4月、ブラジル人ジャーナリストのDecio Sa氏がレストラン内で殺害された

ブラジル第16位の都市、サンルイスで2014年に発生した殺人事件は908件。人口10万人当たりの殺人事件発生率は64.71である。世界遺産の旧市街地や街を囲む美しい海などが魅力的なサンルイスは観光客も多い街であるが、殺人事件や暴力事件、ギャングの抗争などの凶悪事件が絶えない。

9カリ(コロンビア)

2008年9月、カリ路上に倒れる車爆弾の被害者

コロンビアで3番目に人口が多い大都市であるカリは「世界一治安の悪い都市ランキング」で毎年ランクインしている。コロンビアの治安は,2002年以来コロンビア政府が治安対策に重点的に取り組んだ結果,近年殺人や誘拐の件数が大きく減少するなど,都市部を中心に改善している。しかし、カリで2014年に発生した殺人事件は1,530件。人口10万人当たりの殺人事件発生率は65.25である。カリで治安が悪くなったのは、1995年にカリカルテルのリーダーであったロドリゲス兄弟が逮捕されてからだと言われている。

8フォルタレザ(ブラジル)

2013年、FIFAコンフェデレーションズカップ準決勝試合が行われていた会場近くでのプロテスト

所得格差による貧困、麻薬等を起因として、殺人、強盗等の凶悪犯罪が多発しているブラジル。世界的に見てもブラジルの犯罪発生率は非常に高く、邦人の被害も多発している。そんなブラジルの都市で5番目の人口を持つフォルタレザで2014年に発生した殺人事件は2,541件。人口10万人当たりの殺人事件発生率は66.55である。1950年から1960年にかけて街は人口増加率100%を超える発展を遂げ、郊外エリアも発展し始めていたが、治安の悪さを受けて引っ越す住民も増えた。

7バレンシア(ベネズエラ)

2009年、独立戦争「カラボボの戦い」から188年を記念した軍パレード

ベネズエラは近年、南米で最も治安の悪い国の一つとされており、年に数回、日本人がけん銃使用の強盗被害に遭っている。犯罪発生件数は過去最多を記録した2012年以降減少傾向にあるが、依然として殺人、強盗事件は多発しており、治安が回復傾向にあることが実感できない状況である。ベネズエラ第3の都市であるバレンシアで2014年に発生した殺人事件は1,086件。人口10万人当たりの殺人事件発生率は71.08であり、8位と差をつけて7位にランクインしている。

6マセイオ(ブラジル)

マセイオはブラジルアラゴアス州の最大の都市であり、およそ110万人の街である。白い砂浜の美しいビーチで知られ、観光客も多いマセイオはブラジルのなかでも暴力事件の多い街の一つとして上がり、2014年に発生した殺人事件は733件。人口10万人当たりの殺人事件発生率は72.91である。わずか10­年の間に殺人件数は185%になった。被害者の大半は、貧困地区に暮らし「クラック」­を常用する若者だという。

5ディストリトセントラル(ホンジュラス)

怪我をした囚人を見張るホンジュラス警官

ホンジュラス暴力犯罪研究所によると殺人による死者は減少したが、依然として世界最悪レベルの数値を記録している。ディストリセントラルはホンジュラスの首都テグシガルパ市周辺にあり、この地域は日本外務省の海外安全ホームページで「渡航の是非を検討してください。(継続)」の地域に指定されている。2014年に発生した殺人事件は928件。人口10万人当たりの殺人事件発生率は77.65である。

4ジョアンペソア(ブラジル)

ジョアンペソアの警備隊

ブラジルで最も歴史のある街の一つである人口60万人の都市、ジョアンペソア。凶悪犯罪は地方都市でも基本的に同様に発生しており、油断できない。観光地においても、けん銃等を使用した凶悪犯罪が多発しており、注意する必要がある。これまで比較的安全な場所とされていたショッピング・センターにおいても銃器による強盗事件が発生している。2014年に発生した殺人事件は620件。人口10万人当たりの殺人事件発生率は79.41である。

3アカプルコ(メキシコ)

アカプルコのリゾートホテル街で射殺された警官の傍を通る軍人

「危険な都市ランキング」で上位3位以内に必ず入るメキシコ中規模の街アカプルコ。海岸沿いに大規模なリゾートホテルや豪華な別荘が立ち並び、世界中から人口の10倍以上の年間数百万の観光客が訪れる。

主要ホテル地区の治安は比較的安全なものの,それ以外の地域では外国人に対する犯罪が目立って発生しており,殺人被害者数が増加している。2013年には同市の主要ホテル地区から少し外れたコテージに宿泊していた外国人旅行者数人が強盗強姦の被害に遭う事件も発生。2014年に発生した殺人事件は883件。人口10万人当たりの殺人事件発生率は4位以下と大きく差を開き、104.16である。

2カラカス(ベネズエラ)

2013年4月の大統領再選挙後、反政府系の学生等によるデモ集会。治安部隊や政府支持者との衝突による死傷者や逮捕者が出た。

カラカスも 「危険な都市ランキング」で上位3位以内にランクインすることが多い都市である。外務省の海外安全ホームページでも「渡航の是非を検討してください。(継続)」の地域に指定されている。

国内全体の凶悪事件の約20%がカラカス首都区で発生しており、特に大規模な貧民街がある場所では、違法なけん銃やレンタルのけん銃を使用した凶悪事件が多発している。

殺人事件の約80%がけん銃によるものとされており、極めて危険な状況にある。また、2011年以降は外国人が被害に遭う誘拐事件が多発しており、今後も外国人が標的とされる可能性が高い。2014年に発生した殺人事件は3,797件。人口10万人当たりの殺人事件発生率は、115.98である。

1サンペドロスーラ(ホンジュラス)

2014年5月、牢獄で記者会見をする「マラス」のギャングたち

「危険な都市ランキング」では毎年1位にランクインされるホンジュラスのサンペドロスーラ。外務省の海外安全ホームページでは、「渡航の延期をお勧めします」の地域に指定されている。

凶悪犯罪の中心となっているのは、青少年凶悪犯罪集団「マラス」をはじめとした犯罪組織である。サンペドロスーラ市では、特に「マラス」の活動が活発で、強盗が多発していると言われている。殺人、強盗、誘拐等のほか、組織間の抗争に伴う銃撃戦により、無関係の住民が巻き込まれる事件も発生。また外国人が殺害されるケースも増えており、2013年1月には北部サンペドロスーラ市において、英国人旅行者が所持品を奪われた後に銃殺される事件が発生した。

人員及び予算不足に苦しむ治安当局は全く対抗できず、中には犯罪組織に加担したり、請負殺人、麻薬密売、強盗等を行う警察官がいる等、治安関係者の汚職も非常に深刻であり、ホンジュラスの治安対策は困難に直面している。2014年に発生した殺人事件は1,319件。人口10万人当たりの殺人事件発生率は2位のカラカスと大きく差をつけて、171.20であり、過去最高の数字である。

 

参照:uk.businessinsider.com  外務省海外安全ホームページ

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6 コメント

  1. 大好きなコーヒー豆の産地が世界で一番治安の悪いところなんて悲しいです。
    イスラム国のあたりだって、かつては「コーヒールンバ」の国でコーヒー文化の発祥地、どうか平和な昔の状態に戻って欲しいものです。

  2. ブラジルに住んでいましたが、ケニア、南ア、コンゴ、ナイジェリアなどアフリカの大都市のほうが遥かに危険という話を聞きますが。

    統計を取れば、数字上は中南米は殺人率が多いが、一般庶民と、いわゆる犯罪者のグループと世界がはっきり別れていますので、ヘンな人間と関わりを持たない限り安全です。
    特に、サンパウロでは、治安の良い地域と悪い地域がはっきり分かれています。
    また、コロンビアにも旅行で行きましたが、右派のウリベ政権の時代以降は治安が急激に改善しており、旅行者もどんどん増えています。

    中南米では、強盗には金を出せば命は助かる可能性が高いが、中東でテロリストに会ったら、アメリカと同盟国の国民の日本人だと言うだけで「政治的」に狙われ、政府が巨額の身代金を出さない限り助かる可能性は低い。

    よって、金銭目的の中南米よりも、政治的・宗教的に過激派の多い中東のほうが危険!

    • 政治、宗教はその土地の価値観だから、馬鹿にできないでしょ。
      いわゆる先進国の考えが正しいわけではないですし。
      欧米=正義ってのが、そもそも井の中の蛙さんではないでしょうか?

      はるかに金銭目的のほうが、欲のみで生きていますよ。
      唯の欲望。
      基地外と同じですね。

      わかります?

  3. 国民を裏切る危険な人間たち
    原発訴訟団の弁護士島田宏は、「国民の常識が司法に生かされ国民の安全と基本的人権が守られる時代の到来を期待しています」 と述べたらしいですが、 本当は島田宏は、「虚偽事由で提訴したり侮辱したりすることは正当な弁護士業務」 と福井弁護士会長のときから胸を張って主張している人物です。
    しかも、あろうことか 消費者庁消費者教育員の職におり詐欺撲滅をうたい文句にしてるとか。
    どうして平然と国民を欺くことを言えるのでしょうか。 
    詐欺の件、疑うのであれば以下の件、本人に確認下さい。

    弁護士は虚偽事由で提訴する!
    実態は以下のとおり酷い。
     虚偽事由で提訴(訴訟詐欺)することは正当な弁護士業務だと主張する黛千恵子(坪田)・坪田康男・八木宏らは、詐欺罪で告発受理(2014~2015)されていたようですが福井弁護士会は、反省も謝罪もせずに知らぬ振りして何らかの処置もしていないようです。
     それどころか、福井弁護士会は、「虚偽事由で提訴することは正当な弁護士業務だ」と議決して擁護(教唆・幇助)し続けているらしいです。
     被害者は、更なる侮辱や訴訟詐欺にあう事を恐れ恐怖の日々を過ごしているみたいです。
     権力を有した組織的な犯罪が放置される中で正義など通用するはずもなく、おそらくは一人ひとりと食い物にされることになるのでしょう。
    人権擁護や正義などは眼中に無いようです。