昨年ミズーリ州であった黒人射殺事件以降、”人種差別”が世界で改めて問題視されるようになった。しかし、人種問題に加え、アメリカで注目されるようになったことがもうひとつある。それは「アメリカ警察による市民に対する暴力」だ。英語のメディアでも度々取り上げられ、フェイスブックなどでも動画が何万回も再生されている。このトピックはアメリカで物議をかもしているようだ。

警察による暴力を、英語では「Police Brutality(警察の蛮行)」と表現する。ネット上で調べてみると、「いくら警察でもそこまでするのは酷い」とショックを受けるような暴力が少なくない。

しかし、警察の職務も、銃社会のアメリカでは命がけだ。一瞬の油断が命取りとなってしまう可能性だってある。果たして警察の取調べや尋問、逮捕にどこまでの身体的圧力が許されるのか。そこで今回は、”警察の身体的圧力”をテーマにした動画を集めたので紹介する。あなたは、これらの米国警察の現状をどう思うだろうか?

【閲覧注意】

これらの動画には過激な暴力シーンが含まれています。閲覧には十分注意してください。

 

1. 警察を呼ぶとこうなる

“This is what happens when you call the cops”(警察を呼ぶとこうなる)がサビのラップミュージック。警察による暴力事件を動画にまとめている。These cops have got a license to kill(こういう警察は殺しのライセンスを与えられている)など、過激な表現が多い。

 

2.シートベルトを締め忘れたら

14歳の息子と7歳の娘を後部座席に乗せ、運転していた家族がシートベルトを着用していないことで警察に車を停められた。問題は、警察が運転手である父親に車の外に出るよう命じ、父親がそれを拒絶したときから始まる。車から出ろという押し問答は13分以上続き、警察はついに車のガラスを斧で割ってテーザー銃で撃ち、父親を引きずり出す。その瞬間の子どもの泣き声が痛々しい。

この家族は警察を訴えているが、アメリカの警察は「車を停止し、身分証明書を要求する権利がある。警察官の安全を確保するため、特に疑わしいところがなくても運転者に車の外に出るよう要求できる」とされているため、現実的には訴えが通るかどうかは難しいそうだ。

 

3. 息子が自殺した

ケニーさんが家に帰ったら、24歳の彼の息子がガレージで首を吊って自殺しているのを発見した。911に電話し、警察がきたが、なぜか父親のケニーさんが警察官に殴る蹴るの暴力を受けることになった。息子の自殺という人生のどん底という状況にいる家族がさらに暴力を受けると言う、なんとも酷い事件である。

 

4. ストリッパーに間違えられた女性

いとこに暴行されたと911に電話し、警察に助けを求めた女性。しかし、警察はこの女性を被害者ではなくトラブルメーカーと判断し、彼女を地面に押さえつけ、服を脱がされた。この際、一度も「服を脱いでください」と尋ねられることもなく、無理やり引き剥がされた。

 

5. 閲覧注意まとめ

警察による異常な捜査をまとめた動画。6歳の子どもが車内にいることをわかっていながら発砲する警察官や、2ドルのバス運賃を払わなかったことで警察に撃たれて亡くなった19歳の少年など、信じられない実態がうかがえる。

 

6. あなたが警察官だったら…(実験)

実際にあなたが警察官だったら、冷静に状況判断できるのかという実験の映像。警察官による市民の暴力に反対するプロテスターのリーダーが警官役となり、駐車場にいる不審な男に事情聴取するというシナリオと、喧嘩の仲裁に入るというシナリオでどういう行動に出るかという実験を行った。

駐車場での実験では、不審者役の男性が車の後ろに隠れるという動作を不審だと思いつつも、何もしなかったため、撃たれてしまうという結果に終わった。

喧嘩の仲裁に入るという実験では、「止まれ!」という声に応じない男に対して、武器を持っているかの確認もなく撃ってしまう。コメンテーターはテレビで事件を見る限りでは、「警察はもっと冷静に状況判断ができるはず」だと思うが、実際の事件現場ではあまりに”早く”事件が起きるため、状況判断は難しいと言っている。

 

7. NYCパトカーに轢かれて亡くなった日本人学生

2013年2月21日、ニューヨークに留学していた日本人、小山田亮さんがニューヨーク市警のパトカーにはねられ死亡した。ニューヨーク市警は事故前からパトカーはサイレンとライトをつけていたと主張していた。しかし、複数の目撃者や周囲の監視カメラの映像から、サイレンやライトをつけないまま住宅街の道路を時速70マイル(110キロ)以上で走り抜けていることが分かった。当初、市警に公開された映像は、彼らの主張を裏付けるように見せるため、多数の編集が入ったものだった。

こんな事実があるにもかかわらず、行政法審判官(DMV判事)は、2013年に24歳の小山田亮氏を撥ね死亡させた警官に対し、何らかの措置を取ることを避け、警官の行動を「避けられないものだった」と結論づけた。

 

おわりに

「自分の身は自分で守る」という精神が根付く銃社会のアメリカでは、警察の一瞬の判断の誤りが命取りとなってしまう。しかし、これらの動画のなかの警察官の行動はどうにも納得できないものが多い。権力を与えられた警察が、「国民を守る」という大義名分を盾にし、権力という名の暴力を振りかざすというのが実情であれば、市民としては黙っていられないだろう。

とはいえ、アメリカの留学情報サイトなどを見ていると、「警察に注意されたら抵抗せずに従え」という注意書きをよく目にする。警察が横暴なのは何もアメリカだけに限った話ではないが、やはり警察官の言うことは素直に聞いたほうが良さそうだ。

 

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1コメント

  1. やはり暴力装置である警察も軍も政府国家もお金も核も武器兵器弾薬なども廃止しないといけないな。強者がルールを作り弱者を苦しめる点と人道に反する私刑死刑等法によって人を裁き罰するという法という強制力も暴力である。
    銀行券政府発行の硬幣つまりお金が暴力なのは金がないことに付けこんで弱者を権力が苦しめる点にある。
    非暴力民主平和人権憲政共和共生を望む世界中の人類にとって公権力という暴力装置を世界中から無くすことは人類に必要な課題でありすぐ対策をとるべきテーマです。一番大事なのは暴力や売買等で殺されないという世界人権宣言に認められる当たり前の人間の安全保障であり平和的生存権であり基本的人権という普遍的価値である。