電車の中の女性たち

お笑いは争うもんちゃうねん。その人が一番面白いと思ったらそれでええねん。

と明石家さんまさんは言いましたが、「何がおかしいか?」という笑える要素は人によってさまざまです。日本人の間でも笑いのツボには人によって違いますが、これが文化の違う外国人となるとその違いは歴然。

感動して涙するタイミングやハラハラ、ドキドキなどの感情は国際間でも共通しているのに、笑うタイミングや笑いのツボでは外国人と日本人ではっきりと違いがでてきます。これは、笑いの要素には文化の違いが影響しているからではないでしょうか。

そこで今回は日本人の「お笑いの感覚」が欧米とはどのように違うのか、日本独特の笑いの文化について探ってみようと思います。

 

日本人の「お笑い」の特徴

1. 馬鹿馬鹿しい笑いが好き

外国人の好きな日本のお笑い海外で話題になる日本のお笑いといえば、馬鹿馬鹿しくてくだらないことを本気でやるお笑い番組。芸人たちが体を張った番組を見て、「ジャパニーズはクレージーだ」、「WTFジャパニーズ」と珍しがります。確かにこのようなお笑いは欧米では見ることがあまりなく、日本独自のお笑いセンスと言えるでしょう。

それに対し、欧米人のお笑いといえば、ひねった皮肉やブラックジョークが主流で、どこか知性を感じさせるような変化球の笑いが多いです。欧米のブラックジョークは真面目にとると笑えないようなものが多く、日本人にとっては居心地悪くさせてしまうものも少なくありません。欧米的な一瞬ジョークなのかわからない皮肉よりも、馬鹿馬鹿しくてわかりやすく、“安心して笑える”直球のお笑いが日本人好みのお笑いです。

 

2. 笑いもチームプレー

日本の「お笑い」というとボケとツッコミがいるコンビがする“漫才”がありますが、これもとても日本的な笑いです。ボケとツッコミというそれぞれの役割を決め、チームプレーで完成させる形式ばったお笑いはとても日本人らしく、ワンマンショーが主流の欧米ではあまり見られるものではありません。

お笑い芸人ではない私たちの普段の会話でも、「ちょっと今ボケたんだから突っ込んでよ~」と言うことがありますが、自分以外の誰かを加えた形でお笑いを完成させるという発想は欧米ではあまりないように思います。ボケとツッコミという役割分担やチームプレーなど、いかにも集団主義社会の日本らしいお笑いと言えるのではないでしょうか。

 

3. 相手の反応を見ながら笑わせる

日本人のお笑いは、相手の反応を伺いながらのジョークが多いです。ボケとツッコミに代表されるように、信頼関係のある相手との会話のなかで生まれる笑いが面白く、相手の反応や聞いてくれる人ありきでお笑いが成立する節があります。

日本人がジョークを言うときは、相手との関係性や信頼度、その場の雰囲気や自分の役割をよく理解した上で笑わせることが多いです。逆に言えば、これらが曖昧でわかりにくいときは安心して笑えません。日本人がブラックジョークを苦手とするのは、「笑っていいのかわからない」という微妙な空気に躊躇しているからではないでしょうか。

 

4. 空気を読んで「笑ってあげる」

大して面白くないジョークでも、日本人は相手のためを思って「笑ってあげる人」が欧米人に比べて多いように思います。これは、それぞれが自分の役割を意識して、「ここでは笑っておくべきだ」と判断するからです。

また、日本では手をたたきながら笑う人がいますが、これをする欧米人は実はあまりいません。欧米人は手を叩きながら笑う日本人を見ると、「まるで必死に”笑っています”アピールをしてるようだ」と言います。日本人は相槌を打ちながら相手の話を聞き、「あなたの話は面白いですよ」というメッセージを伝えますが、これはお笑いでも同じことが言えるのではないでしょうか。

ジョークを聞く側の人も「お笑い」の一員だという当事者意識が強いため、このように”笑っています”というアピールを無意識のうちにしてしまうのだと思います。

 

まとめ

ユーモアは人それぞれで、これらの特徴が全ての日本人に当てはまるわけではありませんが、欧米人の笑いのセンスとのおおまかな違いは当てはまっているのではないでしょうか。

日本の「お笑い」での重要な要素は、“安心して笑える空気感”です。この空気感がつくれる人が、日本でいうところの「面白い人」なのではないでしょうか。

写真:Bruno.T71

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