国際結婚で海外田舎暮らしをすると、都会に住むより5倍苦労する

このブログを通して、海外在住の様々な方から相談メールが届きます。なかでも多いのは、国際結婚をして旦那さんの実家近くの田舎町に暮らし、なかなか適応できなくて孤独感とストレスを感じているという内容のもの。

実は筆者も国際結婚後すぐに海外田舎暮らしを始めた一人なので、気持ちはよーくわかります。本当に辛いんですよ。今ではパリで生活していますが、パリに初めて来たときは「ここで海外生活を始めていたら5倍は楽だっただろうなぁ」と思いました。5倍というのはあくまで主観的な数字ですが、それほど初めての海外生活を田舎で始めるというのは難しいものだと感じています。

そこで今回は、海外生活の田舎暮らしが都会暮らしよりも大変な理由と、どうすればいいのかという対策法をご紹介します。国際結婚をして、これから彼の実家近くの田舎町で暮らしてみようかと考えている方は、以下の点を覚悟してください。

1「仲間がいない」から大変だ

まず、田舎町だと日本人はほぼいません。日本語で会話できる人が(旦那を除いて)自分の周りから一人もいなくなるということです。これは想像以上に辛く、孤独感を与えてしまうものです。日本語で誰かと会話をしたくて、日本にいる家族や友人に電話をかけてみても、自分の気持ちはおそらくわかってもらえないでしょう。自分の周りは完璧に言語が話せる大人ばかりで、自分だけが一人では何もできない子どものように感じて、ますます自信をなくしてしまいます。とにかく、自分と同じ状況にいて頑張っている仲間を見つけるのが大変です。

【対策】 地域のアソシエーションに参加しよう
田舎でも地域で外国人向けの言語講座があると思います。そこに参加してみましょう。日本語が話せる相手を見つけるのは難しいですが、同じように言語習得に励み、慣れない海外生活を頑張っている外国人の仲間に出会えるはずです。

2「時間を持て余す」から大変だ

国際結婚をして、言葉ができず、かつ田舎暮らしとなれば、まず仕事を見つけるのは困難でしょう。これまで日本で忙しく働いていた人は急に毎日時間を持て余し、有り余った時間をどのように使えばいいのかわからず困惑すると思います。外に出かけようにも店が早い時間に閉まったり、言葉ができないので話しかけられるのが怖いと思ってなかなか外に出れなかったりする人も少なくないでしょう。時間がたくさんあるなかで、家に引きこもっているとネガティブなことばかり考えるようになってしまいます。この悪習慣ははまっていくほど抜けられなくなってしまうので、できるだけ早いうちから断ち切るように心がけましょう。

【対策】 没頭できる趣味を見つける
語学学習以外で、自分の好きなことに没頭できる時間をつくりましょう。詳しくは、「なぜ海外生活を充実させたい人はいい趣味をもつべきなのか?3つの理由」を参照ください。

3「交通の便が悪い」から大変だ

田舎は何といっても交通の便が悪いのが難点です。どこかに行くにも一日に数本しかないバスを乗り継いで行かなくてはいけないとなれば、出不精になってしまうのもしょうがないと思います。結局は自分一人で出かけるのは近所の散歩のみという人も多いのではないでしょうか(筆者もそうでした)。交通の便が悪いと、ますます引きこもりになり、引きこもっている期間が長くなると、ますます外に出かけるのが億劫になるという悪循環が形成されてしまいます。やはり、少しでもいいので外に出て新しい空気を入れることを心がけたほうがいいと思います。

【対策】 自分で運転して、どこにでも行けるようになる
運転免許を持っていない人は、免許を取りましょう。これでかなり閉塞感が解消されると思います。日本で免許を持っていた人は国際免許に切り替えて、海外でも運転できるようにするといいです。気分が沈んでしまった時に一人でドライブできるのと、そうでない場合では自由度が大きく変わります。

4「社会からの疎外感」が大変だ

言葉も話せず、どこにも行けず、仕事もできないという状況にいると、社会にどんどん取り残されているような気になってきます。自分の存在が世の中からなくなってしまったようで、これもとても辛いです。自分のことを考えてくれる人が誰もいないのではないかという孤独感と、自分には何もできないという自己嫌悪感に押しつぶされそうになることもあるでしょう。

【対策】 “自分”のことを考えない
「自分のことばかり考えている人に幸福な人はいない」と、筆者は思います。自分のこれまでを振り返ってみても、物事がうまくいって幸福感があるときほど、自分ではなく”人のこと”を優先して自分には何ができるかを考えていたように思います。物事がうまくいかず、日常生活に不満があるときほど、自分で自分のことを考えてあげないと誰も自分を大切に考えてくれないのではないかという錯覚に陥ることがありますが、これはむしろ逆です。

自分のことばかりを考え、不平や不満ばかりを口にしていると、ますます人はあなたの話を聞いてくれなくなってしまいます。自分がうまくいっていないときほど、人のために動く。これは筆者が海外の田舎暮らしで辛い時を耐えてきた後に学んだ鉄則です。日本にいる親や友人には、自分の愚痴を聞いてもらうためではなく、「元気にしている?」と声をかけ、相手に何か困ったことはないか、自分にできることはないかを知るために電話してみてはどうでしょう。

5「外国人慣れしていない」から大変だ

田舎の人は総じて、都会の人より外国人慣れしていません。ですので、その分偏見をもった人が多く、相手のちょっと態度や行動に傷ついてしまうこともあるでしょう。外国人慣れしていない保守的な人は、外国人と話すという緊張する場面を避けたがる人もいますし、語学ができないことを馬鹿にする人もいるでしょう。狭い田舎の価値観だけで判断されてしまい、悔しい気持ちになることもあるはずです。

【対策】 相手にしない
そんな現地人は「井の中の蛙大海を知らず」だと割り切って、相手にしないのが一番です。言わせておけばいいのです。何も現地の人みんなに好かれる必要はありません。自分に興味を持ってくれ、寛容に日本的な価値観も知ろうとしてくれる人だけ大切にすれば、それでいいのではないでしょうか。

 

終わりに
これまで挙げてきたように、海外生活初心者の田舎暮らしはやっぱり5倍は大変です。しかし、それを経験して乗り越えた今となっては、この辛い時期があったからこそ成長できたように感じます。

日本に住んでいた頃は、毎日忙しく、多くの人に会う社交的な日々しか送っていなかったので、はっきり言って引きこもる人の気持ちはわからなかったのですが、海外で田舎暮らしを始めたおかげで、人の輪に入っていけないもどかしい気持ちや、自分を責めてしまう自己嫌悪感、途方もなく感じる孤独感なども、理解できるようになりました。

これは筆者の人生のなかで、大きなプラスになったと感じています。やっぱり逃げなくてよかった。

今、辛いと感じている人も、何年か経てば、「あの頃は辛かったなぁ」と笑い話にできるはずです。それまでは、山あり谷ありですが、一緒に頑張っていきましょう。

写真:BarbaraFranco

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4 コメント

  1. 私は繁華街のすぐ横に住み、新幹線ホームから徒歩3分の事務所で働く生活だったので、アジア地方都市への移住は、無い無いづくし。自転車でビュンビュン走れる平地が無く、時間通りの地下鉄も無い。車は駐車場不足で購入不可。
    人生初の厳しい冬の寒さに太平洋側育ちの体が冬眠?してしまい、ひきこもりに。治療も開始しましたが、そんな時にマダムリリさんのコラムに出会い、変わりつつあります。
    公園で歩いたり、筋トレが習慣になりました。喉が乾いたら、美術館へ水を飲みに行き、お手洗いも借りれます。寒くて温まりに来るお爺さん達が多いので、図々しく居てもいいんです。
    こういう発見が、適応というのでしょうかね。

  2. コレ、私の事⁉︎?って思いました。
    今いる場所はすごく田舎な訳じゃないですけど、ヨーロッパの小さな街は日本の都会に比べたら田舎そのもの。
    でもここの住人に田舎って言うと「田舎じゃない!」と言われます。十分大きな街だと。
    「街、都会」の概念が違いますから。

    • 本当ですね。交通手段が1車線しかない路面電車とバスしかないところでも、十分「街」だと言われますから。日本語の”ど田舎”が彼らの言う”田舎”なんでしょうね。