Businesspeople Running Towards Finish Line

 さて、フランス人旦那のにほんごの宿題もこれで最後、ファイナルです。最後らしく(?)、レポート形式です。太字が先生の質問、他は旦那が書いた文章。今回も敢えて、わかりやすい日本語になおしていません。

3.異文化を理解し、文化の違いに適応するためには何が必要だと考えますか。


4.あなたならどのような国際教育プログラムを作りますか。100時間の研修が行われるとして、具体的にどのようなテーマの講義を何時間くらい組みますか。5種類の講義内容を考えて、簡単にまとめて、発表(プレゼン)してみて下さい。

発表テーマは『グローバル時代の日本人経営者養成のための国際教育プログラム』(長さ:A4用紙1枚程度)

 

異文化を理解し、文化の違いに適応するために必要なことは以下の3つです。研修

  • メタ認知
  • モチベーション
  • 行動

1.メタ認知

メタ認知は、知識からくる認知(以下、「メタ知識」と言います)と経験からくる認知(以下、「メタ経験」と言います)に分けられます。

メタ知識とは、本や講義などで得た知識をどのように他の場面で活かすかといいます。例えば、フランス人のあなたが講義のなかで「日本人は長いアイコンタクトを避ける傾向にある」ということを学んだとします。メタ知識とはその知識を使って、実際に日本人と対面したするなかで、「日本人はパーソナルスペースが広く、他人が立ち入るべきではない」という概念的な部分までをも、理解することをいいます。

メタ経験とは、人間の行動に文化が関係していることを、自分の経験を踏まえて、理解できるようになることをいいます。例えば、日本人のあなたは外国に行くとします。しかし、日本人のあなたの行動ひとつひとつを「日本人だからする行動」と「人間みんなする行動」にきれいに分けることはできません。外国で様々な異文化経験をしていくなかで、その2つを明らかに分けられるようになり、他の場面でも生かせるようにすることをいいます。

この2つのメタ認知能力を高めれば、文化の違いに適応できるようになります。なぜなら、概念を理解する能力であるメタ知識能力は、すでに持っている知識から新しい知識を自分で作り上げることができるからです。また、メタ経験能力を向上させていく過程で、自分または他人の行動を意識的に捉えるようになり、環境に合わせて行動やふるまい方を変えることができるようになります。

日本人経営者養成のための国際教育プログラムでは知識の埋め込みではなく、メタ認知能力の向上により、自立した学習を目指し、様々な場面で活用することを可能にします。

2.モチベーション

しかしながら、海外でどうすれば良いかを知るだけでは不十分です。文化の違いに適応するためにはまず強いモチベーションが必要となります。ここで言うモチベーションというのは、異文化に興味があるというだけでは不十分で、もっと強い動機づけを意味します。モチベーションを保つには、以下の3つの要素が必要になります。

まず、「私は異文化にも適応できる」という自信がない限り、モチベーションはもてません。なぜなら、適応するためには失敗することが必要だからです。失敗して学ぶことが大切なのです。自分に自信がなければ、一度失敗するとすぐにあきらめてしまいます。

次に、人間はモチベーションを保つには目標が必要です。目標を設定し、達成感や敗北感を味わうことで、モチベーションを保つことができるわけです。

しかしたとえ目標があっても、自信があっても、新しい価値観を認められなければ適応は難しいです。ですから、広い視野が必要になります。


つまり、モチベーションを保つには、1)自信 2)目標 3)広い視野の3つが必要になるということです。

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3.行動力

何をすればいいか、どうすればいいか知っていても、何度失敗してもあきらめない意思があっても、それだけであなたの行動力が変わるというわけではありません。例えば、日本人がフランスへ行ったとしましょう。フランスではあいさつのキスをするという知識は前もって知っていて、心の準備もできていたとします。それでも実際にフランス人に会うと、あいさつのキスをすることがとても恥ずかしくてできません。

あなたの行動を変えるにはまず、どの行動を変えるべきかを知り、どうやったら自然になるかを知らなければなりません。なぜなら、例えば外国人が自分のパーソナルスペースに入ってくることで、日本人は落ち着かなくなります。その理由がわからないので、外国人とうまくコミュニケーションできなくなってしまいます。

これら3つの要素(メタ認知、モチベーション、行動)を改善していくために、必要な5つの講義は以下の通りです。

1.外国文化

この講義では、ビデオやドキュメンタリー、新聞や雑誌、ケーススタディなどを使い、異国文化の情報を集めることができます。ビジネスマナー、食事のマナー、風習などを学びます。外国文化の講義は大切ですが、メタ認知能力を伸ばすことはできません。

2.文化的アシミレーター

この講義では、メタ認知能力を向上させます。講義参加者は、カルチャーショックの起きるビデオを見て、なぜそのカルチャーショックが起きたのか、参加者たちに理由を説明してもらいます。さらに、他にもカルチャーショックの理由がないかを考えさせ、一番良いものを選びます。

3.模倣国際人を育てるには

この講義では、行動力を上げます。例えば、外国でのあいさつの違いやパーソナルスペースの違い、アイコンタクトの違いなどの知り、外国人の行動を模倣します。何度も繰り返すことで、自然にできるようになります。

4.ロールプレイ

この講義では、モチベーションと行動力を上げることがメインです。海外で経験しそうなことをロールプレイします。このロールプレイによって、自分の行動を意識的に捉えることができるようになります。最初は、海外でコーヒーを買うとか、海外の駅で新聞を買うなどの、簡単なロールプレイをします。これにより参加者の自信を上げ、モチベーションを高めます。だんだんロールプレイのレベルを上げていき、外国人がとりそうな行動を何度も繰り返します。これにより、「模倣」の講義で学んだことをロールプレイで実践することができます。

5.自己認識

この講義では、補助クラスとして他の全てのクラスの補強をします。この 国際教育プログラムをスムーズに進めていけるように、参加者たちの心のサポートをします。参加者に、講義のなかで落ち着かない気持ちなった場面を5つ挙げさせます。また、なぜそのような気持ちになったのかを考えさせます。理由を理解することにより、参加者の自信を取り戻していきます。


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