養親になりたい独身男性

 おしめを換え、かわいいわが子を乗せたベビーカーで散歩し、せっせとミルクをあげる父親…というのは少し意外な気がするかもしれない。女性よりも男性の方が子育てに向いていると考える人も少ないだろう。しかしフランスでは、少数ではあるが母親なしで養子を迎える独身男性がいる。彼らの多くは同性愛者だと誤解されたり、世間の偏見に立ち向かいながら子育てをしているそうだ。

もちろん、独身男性による養子の受け入れというのは、独身女性と同様、法の下で認められている。しかし、そうは言っても、養親になる手続き的な障害を乗り越えられる男性というのはごく一握りのようだ。2001年~2002年に国立人口問題研究所が10機関で実施した1857にもなるアンケートや関連書類によると、養親候補者のうちたった5人の男性(全体の0.3%)が手続きを完了することができたとされる。今年に限っては、認可の下りた独身男性はゼロだそうだ。養親候補者のうち、独身者は全体の10.6%であり、そのうち養子縁組が成立する候補者はたったの6.8%である。


独身者による養子縁組評議会の創設者であるフランソワーズ・フロチは指摘します。


「夫婦による養子縁組よりも、独身者による養子縁組の方が難しい。つまり、独身者はハンディキャップを課せられているわけです。困難を乗り越えるのはますます難しくなります。」

結婚していないことを理由に養子縁組成立を断ることはできないと法で定められているが、それでも男性は社会や仕事などの影響を受けやすく、子育てに向かないと判断されてしますケースが大半のようだ。

確かに、独身男性が養子を引き取るというのは少し不思議な気がする。母性がある女性が“母親になりたい”と考え、独身でも養親になるというのは理解できる話であるが、男性の場合はとても珍しく、偏見を持たれてしまっても無理のない話であろう。

そもそも男性が“父親になりたい”と思うのはどういった視点からくるものなのか。父性とは何か。どういったことがきっかけで、養子を引き取ろうと思ったのであろうか。

養子を迎えた4人の独身男性にインタビューを行った。

養子を迎えた4人の独身男性にインタビュー』へ続く・・・


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