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フランス独身男性が養子を迎えるワケ2 養父4人へインタビュー

 フランスでは、少数ではあるが母親なしで養子を迎える独身男性がいる。彼らの多くは同性愛者だと誤解されたり、世間の偏見に立ち向かいながら子育てをしているそうだ。今回は養子を迎えた4人の独身男性にインタビュー。シングルファザーとなった彼らのいきさつと、その理由を探る。

<パトリック、43歳、IT企業勤務管理職 ~2003年6月より5歳の女の子をハイチから養子にもらう>

養子をとりたいという私の願望は、私がまだ16歳だったころに遡ります。私の母は養子に出されることのできない子どもたちの孤児院で働いていました。小さなころから、そこの子どもたちとクリスマスを過ごしていました。私が帰ろうとすると、園の子どもたちがみんな寄ってきて甘えてくるんです。やるせない気持ちになりました。

それから随分経ち、結婚して、離婚して、血のつながったわが子を前妻と交代で養育するようになりました。養子をとりたいという願望はそうした中で生まれたのです。私の場合は、独身男性にしては運よくたったの9か月で認可を得ることができました。

私はさっそく養子縁組を請願するためハイチへ出発しました。孤児院へ直接出向き、そこで赤ちゃんと2歳の女の子を連れた母親に出会いました。私は幼児を望んでいたので、2歳の女の子にくぎ付けでした。その時、彼女たちが母親を失う瞬間も目の当たりにして、彼女たちの痛みが私にも伝わってきました。私は自分を彼女たちと同一視し、彼女たちを引き取りたいと心から思いました。

2003年から、ソフィアは法律上私の娘になりました。私たちをつなぐ絆は、血のつながりと同じくらい強くなりました。私のこれまでの働きかけが、たとえ世間の人を驚かすようなことでも、私は自分を頭のおかしいバカだとは思っていません。単純に、“他”を受け入れられる父親なんですよ。私がすでに息子(前妻との間の子)にとって、父親だったのと同じことです。違いといえば、娘の時はこのシチュエーションを選んだのが私であり、準備する時間があったことぐらいですかね。

娘が寂しそうにしていなくても、ありがたいことに、よその人が絶え間なく彼女に思い出させてくれるわけです。彼女には毎日そばにいてくれる母親がいないってことを。

ある日、熱意に満ちた孤児院の指導員が娘のところにやってきました。彼女は娘に、孤児であるひよこが母親を探すというストーリーの本をプレゼントしました。ひよこは母を見つけるため、いろいろな動物に尋ねます。するとある日、ワニの赤ちゃんやカバ、キリンの子どもを育てるクマのお母さんに出会います。クマのお母さんは言いました。

「私はこれからあなたをうんとかわいがるからね。あなたは私の子どもなのよ。」

とても美しい童話ですが、このストーリーでは“母親”のことしか語られていないんです。だから私は娘とそのお話をもう一度読んで聞かせました。

「いいか、クマのお母さんはパパのことなんだよ。君のママはパパなんだよ。」と。

<フランク、39歳、国民教育機関管理者 ~2004年、7歳と10歳の息子をウクライナから引き取る>

奇妙だと思われてしまうかもしれないですが、僕は実の子どもがほしいと思ったことがないんです。たとえ一生に一度の女性に出会っていたとしても、僕は養子を望んでいただろうと思います。僕には1人で子どもを育てられるという自信がありました。僕はなかなか認可の下りない兄弟姉妹を迎えることを望んでいましたが、その養子縁組を成立させる過程で迷ったことは一度もありません。

2004年2月、僕はウクライナへロマンとダヴィンを迎えに行きました。そしてそれ以降、私は全速力で生きているような気がします。僕が昔、夫婦だったころはお互いに仕事を分担すれば良かったのですが、今は全てが私の仕事となるわけです。母親役と父親役を交互に務め、時には甘やかし、時には威厳をもって接することができなくてはなりません。また同時に、社会によって限定されたこれらの役割が偏見を生むのではないかと思います。

だから子どもたちと釣り合いをとるためには女性の役割となる人を見つけることが重要だと僕は思うのです。私はまだ見つけられていませんが、孤児院の子どもたちを支援する団体のおかげで、ロマンとダウィンをフランスへ迎え入れることができましたし、ヴァカンスにはカップルのところや独身女性の所へ行かせています。彼らはとても強い絆で結ばれており、この2人の女性は今では子どもたちの毎日の生活に欠かせない存在となっています。子どもたちはよく彼女たちのところで数日過ごしたりもしますが、僕はこれが僕らの関係を良くするものだと信じています。だからこそ、僕と子どもが依存しすぎることがない関係を保てるのではないかと思います。子どもたちを引き取って最初の頃は、2人をどこにも連れて行くことができませんでした。また捨てられてしまうのではないかという、胸を締め付けられるような不安が、子どもたちにはまだ強かったからです。

 

<ピエール、39歳、行政官>に続く・・・

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