避妊薬ピルの服用で子どもを守る

高校生が生後1~2日とみられる女児を公園に置き去りするという事件が7日、秋田県湯沢市でおきた。保護責任者遺棄の疑いで逮捕された県内に住む高校2年生の男子生徒(16)は、「交際していた女性が産んだ子どもの処置に困り、置き去りにした」と容疑を認めている。

今回の事件を受けて、「周囲の大人は気づかなかったのか」、「命を何だと思っている!」など様々な物議を醸している。若者の望まれない妊娠が引き起こした、秋田女児置き去り事件。これから日本はどのような対策をとるべきであろうか。


 

この事件を受けて、日本政府にもう一度見直してほしいのは、日本は避妊方法の普及が遅れているのではないかという点である。

理由は2つある。避妊はお互いのため

1つは、欧米では“不確実”で失敗が多いと見なされるコンドームの使用が一般的(性病予防にはなる)で、より避妊率の高いピルにおいては日本での使用率は世界最低で、ピル後進国であるという点だ。

ピルに対する認識の違いはアジアと欧米で、とてもはっきりしている。ピルは40年以上前にアメリカで開発されて以来、現在では地球規模で使用されている。フランスでも女性の60%以上がピルを服用しており、薬の改良は今日まで行われ、その安全性や確実性は証明されている。欧米ではピルの服用が当たり前となっているにも関わらず、日本ではまだまだピルの安全性に対する不安や偏見を持っている人が多い。原因として、日本では行政の怠慢でピルの解禁が欧米先進国に遅れること35年以上だったという背景がある。

レディースクリニック大井産婦人科の医院長はこう語る。

「ピルは世界で一番安全で確実な避妊法で、特に未婚の方あるいは結婚してももう少し働きたいと思う方、月経にまつわる種々の苦痛にお悩みの方には最適です。何年服用しても止めれば妊娠することが出来ます。是非、安心してご使用下さい。」

さらに、「若者の性」に関してはこのようなデータがある。

池上千寿子著の『思いこみの性、リスキーなセックス』によると、大学生の男女が避妊を実行しない理由として一番多いのは「準備していないから」というもの。この後には「たぶん妊娠しないから」が続く。三位以降は男女で異なり、「面倒だから」(男子)、「言い出せないから」(女子)である。


いざという時に準備をしていない、女性からは言い出しにくいというのは、コンドームに頼った避妊の場合のみに起こりうる事態である。女性が主導権をもって避妊をするピルの服用は、望まない妊娠を防げる可能性がぐっと上がるのではないだろうか。

 

第二に、日本での若者の中絶を防ぐための法体制の遅れが挙げられる。

ちなみにフランスでは、先日からイール=ド=フランスの高校生は匿名かつ無料で婦人科医師の診察を受けられるようになり、ピル6カ月分が無償で提供されるようになった。学校の養護教諭(看護師)が高校1年生を対象に、カルネ・ド・ティケと呼ばれるチケットを配布し、学生はそれをもって医師のもとを訪ねることができるというもの。失敗の多いコンドームの使用を防ぐことを目的としており、これにより学生は両親に相談することなく(家族の保険証を使うことなく)、確実な避妊ができるようになるわけだ。セックスや避妊に関して、なかなか親に相談できないという学生の“かゆいところに手が届く”新しい法体制だと言える。

秋田で起きた女児置き去り事件は様々な要因が重なって起きてしまった悲しい事件である。しかし、この事件の背景にあるのは、日本の若者による望まない妊娠を防ぐ策が、他の先進国に比べあまりにも遅れているのが背景にあるのではないだろうか。

女性が避妊の主導権を握るためのピルの普及の遅れと、若者の中絶を防ぐ法体制の遅れ…。これら2つの遅れが少なからず関係して、高校生の男子生徒が赤ちゃんを公園に捨てるという結果にまで導いてしまったのではないか。

しかし、若者の望まれない妊娠を防ぐ1番の方法は、家庭での正しい性教育にあるという見方が一般的のようである。先に挙げたフランスのカルネ・ド・ティケに関しても、保護者団体では好ましくないとする見方もあり、これがフランス全土で適用されない理由である。子どもに正しい性教育をするのはあくまで親の役目であり、子どもが親に相談する必要がなくなるというのは得策ではないというのが、保護者側の主張のようである。

秋田女児置き去り事件のような悲しい事件が今後くりかえされないように、大人たちが今一度考えなおすべきことがある。少なくとも、「最近の若者は~」と批判しているだけでは、何の解決にもならない。


3 コメント

  1. 女性が避妊の主導権を握るためのピルの普及の遅れと、若者の中絶を防ぐ法体制の遅れ…。これら2つの遅れが少なからず関係して、高校生の男子生徒が赤ちゃんを公園に捨てるという結果にまで導いてしまったのではないか。
    しかし、若者の望まれない妊娠を防ぐ1番の方法は、家庭での正しい性教育にあるという見方が一般的のようである。先に挙げたフランスのカルネ・ド・ティケに関しても、保護者団体では好ましくないとする見方もあり、これがフランス全土で適用されない理由である。子どもに正しい性教育をするのはあくまで親の役目であり、子どもが親に相談する必要がなくなるというのは得策ではないというのが、保護者側の主張のようである。
    秋田女児置き去り事件のような悲しい事件が今後くりかえされないように、大人たちが今一度考えなおすべきことがある。少なくとも、「最近の若者は~」と批判しているだけでは、何の解決にもならない。
    その通り。後日本人女性がJKビジネスJK散歩などの被害にあったり学資ローン等で貧困になったり一人親世帯が貧困になり生活保護を役所が受け入れず風俗にされられたり外国人研修制度でパスポートを取り上げ安価長時間労働させる等日本が先進国なのに10年以上中国や北朝鮮並みの人身売買がおき日本人女性が一番ひがいにあってるとの報告もあり人身売買被害に巻き込まれないようにする&人身売買容認する仕組みの根絶を行う仕組み作りも大事。
    後赤ちゃんポスト養子縁組里親のシステムの充実ね。社会問題の解決には善意親切と良心と高福祉が不可欠である。

  2. 若者の望まない妊娠を防ぐのも大事ですが、産む選択をとった人が勉強しながら子供を育てられる環境を作ることも必要ではと思います。選択肢が広がることで少子高齢化に歯止めがかかることもあるのではないでしょうか。

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