
携帯電話を学校に持っていき、休みの日はインターネットをして遊び、趣味はブログの小学生!そんな子どもも珍しくない世の中になり、ひと昔前では考えられないほど、最近の子どもを取り巻く環境は変化してきました。
そんな時代の変化に追い付いていないのは、むしろ大人たちの方なのかもしれません。
2007(平成19)年12月の「第5回情報化社会と青少年に関する意識調査報告書」によると、携帯電話・PHSを通じたインターネットの平均利用率は小学生で58.3%、中学生で68.7%、高校生で74.5%となっており低年齢化が進んでいます。
低年齢化が進むにつれて必要になってくるのが、子どものインターネットアクセスを規制する法律や取り組みではないでしょうか。
ヨーロッパでは全体の4分の3の子どもはソーシャルネットワーキングウェブサイトにアカウントをもっています。ヨーロッパでは13歳以下の子どもはフェイスブックにアカウントを作れないと法律で定められていますが、年齢をごまかす13歳以下の子どもは5人に1人であるという調査結果もあります。
さらに最近では、フェイスブックを使ったいじめの問題も浮上してきています。これまでは学校内での問題でしたが、インターネット上に非難中傷が描かれてしまうことにより、世界中の誰もが書き込みを見ることができるわけです。
日本でも、2004年佐世保小6女児同級生殺害事件が記憶に新しいです。小学生の女子児童による殺人事件でかつ学校が舞台であり、世間に大きな衝撃と波紋を広げました。
当時、インターネットというネットワークによるコミュニケーション手段が既に小学生にも広く浸透していることを、この事件は強く印象づけました。この事件により、日本でも学校裏サイトによるいじめや、有害サイトの悪影響が問題視されるようになったのです。
インターネットセキュリティの専門家である中妻 穣太さん、 子供向けサイトの専門家別当 律子さんはこのように解説します(All About「子供たちのネット環境へ専門家がアドバイス」から抜粋)。
『家庭へのパソコン普及や学校教育の現状から子供のインターネット利用を全面的に禁止するのは現実的ではありません。親がすべきことは、以下の4つです。』
●子供とのコミュニケーションを日頃から十分とる
●インターネットとはどういうものかを十分に教える
●禁止事項を明文化する
●ネット上のコミュニケーションについていっしょに考えてみる
フランスでは今年5月、フェイスブック上の友人に対していじめを働いていたとされる児童のアカウントを強制的に削除することで、教育員会とネットワーク団体が合意しました。さらに、疑わしい行動をするユーザーに対してのアラームボタンを設置するなど、厳しい措置をとる意向を示しています。
子どもとインターネットの関係は今後どのように変化していくのでしょうか。今一度、子どもとインターネットについて話し合ってみてはどうでしょうか。