ホームワールド史上最悪の自然災害は? 世界で最も大きな損失をもたらした災害ランキング

史上最悪の自然災害は? 世界で最も大きな損失をもたらした災害ランキング

2011年は自然災害の年でした。読売新聞の報道によると、2011年に世界各地で発生した自然災害に伴う経済的な損失と保険金の支払額(保険損害)が過去最大になることがわかりました。そこで今回は、これまでの世界で起こった自然災害で経済損失額の大きかった災害のトップ10を紹介します。経済誌エコノミストによる1965年以降の自然災害で、最も大きな損失をもたらしたものは以下のとおりです(2011年3月21日現在)。尚、これまでの自然災害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

1. 東日本大震災 (2011年、日本)

世界で最も大きい損失をもたらした自然災害ランキング

まだ記憶に新しい昨年の3月11日に起きた東日本大震災。震災死者は2012年1月5日現在で1万5844人、警察に届け出があった行方不明者は3450人となっている。被害の影響は津波だけに止まらず、これを発端に福島第一原子力発電所の事故へと繋がる。世界銀行の発表によると、東日本大震災による経済的な損失が最大で2,350億ドル(日本円にしておよそ19兆円)であるとされ、完全な再建には5年かかるとされた。

 

2. 阪神・淡路大震災 (1995年、日本)

世界で最も大きい損失をもたらした自然災害ランキング

平成7年、兵庫県南部で起きた大規模な地震。震災死者数は6,434名で、うち80%にあたる約5000人は木造家屋が倒壊し、家屋の下敷きになって即死したとされる。これをきっかけに、日本では耐震性を考慮に入れて建築基準法が改正された。日本経済へのインパクトとしては、阪神・淡路大震災の損害が約10兆円だった。同年10月1日に実施された震災後初の国勢調査では神戸市の人口が142万3792人となり、震災による市内の死亡者数4571人を大幅に超える、約10万人もの人口が減少した。

 

3. ハリケーン・カトリーナ (2005年、アメリカ合衆国)

世界で最も大きい損失をもたらした自然災害ランキング

2005年8月末にアメリカ合衆国南東部を襲った大型のハリケーン。ハリケーンの強さを表すシンプソン・スケールで、最大時で最高のカテゴリー5、ルイジアナ州上陸時でカテゴリー3を記録した。また、約2万8,500人が避難したヒューストンのアストロドーム球場では、感染性胃腸炎が集団発生し、うち150人が隔離された。経済的損失だけでも$108 billion(約13兆円)にのぼる。

 

4. ノースリッジ地震 (1994年、アメリカ合衆国)

世界で最も大きい損失をもたらした自然災害ランキング

米国史上最も経済的損害の大きい地震であるノースリッジ地震は、1994年1月17日にアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス市ノースリッジ地方で発生したものだ。モーメントマグニチュードは6.7だが、震源は14.6キロと、極めて浅かった。被害を受けた人は、死者57名、負傷者 約5,400人、入院1,467名にのぼる。この地震から約1年後に、日本では阪神・淡路大震災が起きた。

5. 四川大地震 (2008年、中国)

世界で最も大きい損失をもたらした自然災害ランキング

中国歴史史上最悪の自然災害と言えば、四川大地震である。この地震による死者は6万9197人、負傷者は37万4176人に上った。地震によって道路や電力・水道・通信などライフラインが寸断された。地震発生当時のマグニチュードはM7.9~M8.0で、いずれも直下型地震(プレート内地震)としては世界最大級の規模だった。多くの観光客が訪れる地域で起きた地震であったため、文化財などにも大きな被害を受けた。

 

6. イルピニア地震 (1980年、イタリア)

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1980年にイタリア南部カンパニア州イルピニアでマグニチュード6.9の大地震が発生した。この地域はユーラシアプレートとアフリカプレートが衝突しており、地震が発生しやすいとされている。この地震による死者は 2483 人だった。

 

7. ハリケーン・アンドリュー (1992年、アメリカ合衆国)

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1992年にアメリカ合衆国に大きな被害をもたらしたハリケーン。上陸時にも「カテゴリー5」に分類される強い勢力を誇った。フロリダ州南部を中心に265億ドルの経済被害を生じた。上陸時の気圧はアメリカ史上4番目に低い値を示し、経済損失は2005年にハリケーン・カトリーナに抜かれるまでアメリカ史上最大であった。死者は65人であった。

 

8. 中国揚子江大洪水 (1998年、中国)

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1998年7月から連日の大雨により中国揚子江流域の水位は凄まじく上昇し、100年一回の大洪水になった。エコノミストによるこの記事以降の2011年7月にも、中国の揚子江で大洪水が発生した。最大洪水流量は、1998年の大洪水時を上回る毎秒7万立方メートルに迫った。写真はその時の様子。

 

9. アメリカ中西部大洪水 (1993年、アメリカ合衆国)

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1993年、アメリカ合衆国中西部、ミシシッピ川とミズーリ川流域で起こった洪水。この洪水はアメリカ合衆国に1927年のミシシッピ大洪水以来の大被害を与え、50人が死亡、150億ドルの被害があった。

 

10.唐山大震災 (1976年、中国)

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1976年、中国の唐山市付近を震源にマグニチュードMw7.5の直下型地震が発生。この地震による死者は公式記録によれば242,419人を数え、これは20世紀最大の地震被害である。唐山市ではこの地震によって14万8000人が亡くなり、重傷者は8万人以上に上り、被害は市民の21.2%に達し、住宅の全壊率は94%だった。34年後の2010年、この地震をテーマにした映画『唐山大地震 -想い続けた32年-』が公開され、話題をよんだ。写真はその時のもの。

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7 コメント

  1. 災害の物理的規模や犠牲者数なら、スマトラ大地震(インド洋大津波)とかボーラ・サイクロンとか、近年でももっと大きいやつはいくつもあるけど、経済的損害という観点からだと途上国の被害はスルーされちゃうね。

  2. まとめありがとうございます。

    個人的な感想としては経済的損害ではなく、
    純粋な人的被害でみたかった。

    だってカネよりヒトの方が大事でしょ?

  3. カネとヒトの問題は額によるなぁ
    100万ぐらいならヒトのほうが大事だけど
    それを超えるお金はたくさんのヒトを助けることができるからね

  4. 唐山って東京みたいな人口密集地だったんだろうか。24万てすごいな。
    関東大震災みたいなもんだね。
    なんかこの映画は上映中止になったようだ。

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