著作者:Miss Wetzel's Art Class

憧れの海外生活だったはずなのに、想像とは違うカルチャーショックの連続に疲れてしまい、「日本に帰りたい…」と思っている人はいませんか。海外に慣れるというのは、時間のかかることです。今は海外生活に嫌気がさしていても、大丈夫。それは海外生活に慣れるためのプロセスのひとつなので心配することはありません。

今回は、文化の違う海外で生活を始めた人がその場に適応できるようになるまでの段階をまとめたカルチャーショック対応マニュアルを紹介します。これは心理学者によって認められ、広く海外に浸透する考えでもあり、アメリカで留学生の精神ケアプログラムに取り入れている学校も多いそうです。どんな人でも外国に行って母国とは違った文化に触れると、このような4つの段階を経て、その土地に慣れていく(適応)そうです。あなたはどの段階にいると思いますか。


 

【カルチャーショックを乗り越える4つのプロセス】

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1. ハネムーン期

海外について最初に経験するのが、このハネムーン期です。見るもの、触れるものの全てが新鮮で新しく、ワクワクした気持ちでいるときです。母国とその国との共通点に目がいく時期だとも言われています。

例えばパリが元々好きでパリへ来た人は、エッフェル塔やブランドショップ、おしゃれなカフェなど、それまで自分が思い描いて夢にまで見た光景が目の前に広がっており、すべてが珍しく、新しい世界にやってきたかのような気持ちになります。

2. カルチャーショック期

しかし、母国で想像していたこととは違うことも当然起きます。これがカルチャーショック期です。この時期には例えば、その土地の現地人とのコミュニケーションに苦労をしたり、自分が常識だと思っていたことが外国では通用しないことに気づかされたりします。その場その場でどのように行動すればいいかわからなくなったり、母国では”大人”としてふるまえていたのに、海外では”ちいさな子ども”のような気がして、そんな自分が嫌になったりする時期です。この時期に最も「日本に帰りたい」という気持ちが強くなります。

この時期は自分が思っていた「自己アイデンティティ」が揺るがせれる、精神的に辛い時期です。周りに合わせるべきか、自分のやり方を通すべきかで悩むことが多く、自分を見失いやすい時期です。


3. カルチャー調整期

しかし、そんなに辛い時期も長くは続きません。慣れないながらも言葉を覚えたり、文化を吸収していくなかで、自分のいる外国もそんなに悪い場所じゃないと実感できるようになります。自分のなかでの妥協点が見つかり、少しずつその国の嫌な部分も受け入れられるようになる時期です。

それまでは自分の居場所が見つけられなくても、ちょっとずつ快適な空間や人間関係を築けるようになります。その場での自分の立ち位置や役割なども理解できるようになります。カルチャーショック期で迷っていた「どこまで相手に合わせるか?」という悩みも解決し、文化の違う人と触れ合うなかで、”自分”という人間がどういう人なのかを深く理解するようになります。

4. 適応期

自分の住んでいる国を”外国”ではなく、“第2の母国”として心から思えるようになります。この時期に到達すれば、自分自身の変化にも気が付くはずです。海外が自分の「ホーム」になる時期です。

 

【仏生活5年目、筆者のケース】

筆者は元々フランスに興味がある人ではなかったので、1のハネムーン期はあまり記憶にないですが、2~3は経験してきました。2のカルチャーショック期ではサービスの悪い怠慢なフランス社会や、気分屋で冷たいフランス人に腹を立て、よく愚痴っていました。そして何より、「こんなことを思っているのは私だけなのではないか?」、「誰も私の気持ちをわかってくれない」と、孤独になっていました。

フランス生活5年目の今は4の適応期に入りましたが、ここまでくるのには私の場合は4年くらいかかりました。その途中では、「私はこの先一生フランスに慣れることはないんじゃないか?」と不安になったこともあります。

でも海外生活が快適になってきた最近思うのは、「嫌だ嫌だ」と反発するより、受け入れた方が気持ち的に楽だということです。自分の住んでいる国の嫌なところもそれはそれとして受け入れ、その国の「日本にはない良いところ」に目を向ければ、おのずと自分のなかでの妥協点が見つかるはずです。

異文化への適応に今まさに苦労されている方、大丈夫です。今は慣れなくても、そのうちきっと慣れるときが来ます。自分を追い込まず、気持ちに正直に、異文化適応までの流れに身を任せてみましょう。


2 コメント

  1. It is not really true that you can end up with 適応期.

    I have been in NZ for more than 20 years, but the longer I stay here, the more I want to go back to Japan for good from the bottom of my heart.

    Generally speaking, people are so arrogant, rude, untrustworthy, with full of racial discrimination, with no respect whatsoever to each other, which is totally different to Japan.

    So to be honest, I pray to God to make a way for me to go back to Japan for good almost every day.

  2. Masaruの気持ちも、この筆者さんの記事もとってもわかります。今年でシドニー在住、9年目です。自分自身、ローカルの会社で働き、子供も地元の公立の学校に通っています。沢山できた友達も、そして夫も日本人では無いので、永住することになって4年目から、ますます、日本のいいところばっかり思い出しては比べて家族からいやがられてる始末です。元々、ニューヨークにいきたかったこともあって、特に買い物の不便さや物価の高さをNYと東京なんかとくらべて自分でも困ってます。でも、不思議なことにいざ東京に戻るとシドニーの良いところが思い出されて、もう東京には住めないのかもとおもってしまったり、本当に自分が何を求めてるのか今となってはさっぱりです。どちらにしても、エイリアン?または浦島太郎状態です。

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