
世界で最も観光客の多い国フランスは、美食の国としても有名。本場のおいしいフランス料理を味わうために、世界中からグルメな観光客がやってきます。世界の美食家たちの舌を唸らせるフランス料理のシェフとは、どんな人たちなのでしょうか。
そこで今回は、「フランスで最も有名なシェフ・料理人ランキング」をご紹介します。このランキングは、レストランの売り上げ額を基準にし、売上額は1ユーロ130円で計算しました。死ぬ前に一度は、この10人のシェフの料理を食べてみたいものですね。
1アラン・デュカス

- 売上総額 1億2000万ユーロ (約156億円)
- レストラン店舗数 27店舗
- 星の数(総数) 19星
フランス料理界の最大の巨匠といえば、やはりアラン・デュカス。売り上げ、店舗数が他のシェフとは桁違いです。史上最年少で3つ星を獲得したモナコ国籍のシェフで、東京にも青山に「BENOIT(
2ジョエル・ロブション

- 売上総額 7500万ユーロ (約97億円)
- レストラン店舗数 16店舗
- 星の数(総数) 28星
15歳で、ホテル「ルレ・ド・ポワチエ」の見習いシェフとしてキャリアをスタートさせ、1976年にフランスの国家最優秀職人章(Meilleur Ouvrier de France, 略称MOF)の資格を取得した有名なシェフです。1990年代以降はフランス国外とりわけ日本での活動が豊富で、日本のフレンチ業界に与えた影響も大きく、日本のメディアでは「フレンチの神様」「フレンチの皇帝」と称されることも多いです。2013年現在世界11カ国に店舗を持ち、ミシュランガイドにて総数28個の星を獲得しており、「世界一星を持つシェフ」としても知られている。 日本国内では東京に6つの店舗を持っています。
3ポール・ボキューズ

- 売上総額 5300万ユーロ (約68億円)
- レストラン店舗数 21店舗
- 星の数(総数) 3星
御年89のポール・ボキューズは、フランスのリヨン近郊にある3つ星レストラン「ポール・ボキューズ」のオーナーシェフで、ボキューズ・ドール賞の創設者。 1959年に生家のレストラン「ポール・ボキューズ」を継いで、1961年には国家最優秀職人章(MOF)を取得、1965年に得たミシュランの3つ星を、2015年度で何と50年間維持しています。 これは、ミシュランの歴史上、文句なしの3つ星最長在位記録です。また1970年代に来日した際には、懐石料理・京料理の料理法や盛りつけに触発され、素材を活かす料理法を取り入れたり、盛りつける皿を料理ごとや季節ごとに変えたりするなど、地味だったフランス料理の盛りつけを根底から変えて新たなフランス料理の時代を作りあげた料理人としても有名です。
4ジョージ・ブラン

- 売上総額 2600万ユーロ (約33億円)
- レストラン店舗数 8店舗
- 星の数(総数) 3星
ブラングループのプレジデントであるジョージ氏は、息子のフレドリク、アレクサンドルと共同でレストランの経営をしているフランスでは有名なシェフです。元エアーフランスのシチュワードでもあるブラン氏は、その後軍隊にも入隊し、25歳で家業であったホテルを継ぎました。料理人になった後は、1981年に初のミシュラン星を獲得。フランスで最も強い影響力を持つレストランガイドのひとつであるゴー・ミヨーで、史上初の20点満点中19.5点という高得点を獲得し、一躍有名になりました。
5ジョーンアンドレ・シャリアル

- 売上総額 1710万ユーロ (約22億円)
- レストラン店舗数 5店舗
- 星の数(総数) 6星
フランスのグランゼコールの中でも名門校の一つであるHECを卒業した後に、料理人になったというフレンチ界の異端児。フランス南西部プロバンス地方にレストランを持っています。
6ギー・サヴォワ

- 売上総額 1700万ユーロ (約22億円)
- レストラン店舗数 6店舗
- 星の数(総数) 4星
ギー・サヴォワは、フランス料理界の第一人者として知られる名シェフで、パリにある本店はレストランとしては最高の勲章である 「ミシュラン3つ星」 に輝いています。世界でも有名な料理人トロワグロ兄弟のもとで修行を積み、早くからその才能を買われてきたサヴォワ氏。彼の洗練された創作意欲溢れるヌーヴェル・フレンチ(現代フランス料理)を楽しもうとフランスのみならず世界各国からVIP、セレブが足を運びます。
7ポーセル兄弟

- 売上総額 1200万ユーロ (約15億円)
- レストラン店舗数 12店舗
- 星の数(総数) 1星
双子であるポーセル兄弟は2人とも料理人。1988年にモンペリエに開店したレストラン「ル・ジャルダン・デ・サン」は、 1998年~2006年にかけてミシュラン3つ星を獲得しました。ポーセル兄弟はフランスグルメ料理の大使になったこともあり、2010年には上海国際博覧会でフランス館で高級フランス料理を紹介しました。
8ギー・マルタン

- 売上総額 1040万ユーロ (約13億円)
- レストラン店舗数 4店舗
- 星の数(総数) 2星
ギーマルタン氏は1784年にオープンしたニツ星レストラン「グラン・ヴェフール」シェフです。サボワ地方出身の彼は、23歳から料理人の世界に入りました。料理人としては遅いスタートでしたが、30歳になる前にすでに様々な賞を獲得しています。歴史深いグラン・ヴェフールのシェフとなってからは、8年連続で三ツ星を維持してきました。親日家でもある彼は、これまで何度も日本を訪れたことがあり、料理のインスピレーションを得ているそうです。
9ベルナール・ロワゾーグループ

- 売上総額 980万ユーロ (約12億円)
- レストラン店舗数 4店舗
- 星の数(総数) 3星
今は亡き天才料理人ベルナール・ロワゾーの奥様が率いるロワゾーグループがランクイン。バターを使ったこってりとした料理からの脱却を目指し、素材の味を引き出すことに重点を置いたことで知られる料理人です。肉などの焼き汁を水でデグラセしてソースを作った彼の料理を、自らキュイジーヌ・ア・ロー(水の料理)と呼びました。しかし、2003年にレストランガイドの評価を気にして、突然自宅で自殺をしました。
10ピエール・ガニェール

- 売上総額 640万ユーロ (約8億円)
- レストラン店舗数 10店舗
- 星の数(総数) 12星
1992年にフランス中部のサン=テティエンヌに出した店でミシュラン3つ星を獲得したものの、破産により閉店。パリで知人の出資を得て出店し、再び3つ星に返り咲いた異色の経歴を持つシェフです。ちなみに彼は、2005年に東京青山の二つ星レストラン「ピエール・ガニェール・ア・東京」をオープンしましたが、2010年で閉店。2008年9月15日のリーマンショックにより、ワインを注文する客が少なくなってしまったことが直接の原因だといわれています。
参照:Pourcel Chef Blog.com(仏語)、ウィキペディア
マダム・リリーさんには大変申し訳ないのですが、デュカス、ロブション、ボキューズとか、ちょっと時代遅れかなと思います。確かに2005年頃までは世界の美食家達はフランスに集まっていました。
今、注目を集めているのはスペインのサンセバスチャンです。今はなき「エル・ブジ」のフェラン・アドリアの料理は料理の歴史を変えました。サンセバスチャンは世界の料理人のメッカと言われています。日本の料理人も数多く修行に行っています。ガストロノミーの最前線はスペインに移行しています。
2014年の世界レストラン・ランキングではレネ・レゼピ率いるデンマークの「NOMA」が2年続けてTOPに君臨しています。毎年、上位10位内には「ムガリッツ」や「アルサック」のスペイン勢が頑張っています。フランス勢は毎回、上位進出に苦戦しています。日本はと言えば、50位以内に入れるのは「NARISAWA」と「龍吟」くらいです。
料理の世界地図は本当に変わりました。