海外在住歴は長いのにちっとも現地に溶け込めない人の特徴6つ
写真:flickr MattysFlicks

海外生活をする日本人に会うたび、「海外在住歴と適応度は比例しないな」とつくづく思います。在住歴が20年以上になるのに、ちっとも現地に溶け込めていない人もいれば、在住歴が1年未満でもガッツリ現地人の輪に入っている人もいます。

この違いとは一体何なのでしょうか。そこで今回は、様々な海外在住者を観察していて筆者が思う「海外在住歴は長いのにちっとも現地に溶け込めない人の特徴」を6つ紹介します。海外で生活するなら、できるだけ早く適応してしまったほうが気持ちが楽になれます。海外になかなか馴染めないという人は、自分にこのような点がないかチェックしてみてください。


 

1語学力がない人

海外適応を最も助けてくれる要素といえば、やはり語学力。言葉がわからなくても馴染める人がいないことはないですが、やはり言葉の壁と言うハンディキャップがないほうが、現地の人の輪に入っていける勇気も出てくると思います。現地になじみたければ、まずは語学力を上げること。日本に住むのと同じように、テレビやラジオが聞け、新聞や本が読め、人間関係を構築できる会話力を身につけられるられれば、海外生活はぐっと楽しいものになるはずです。

2共感できない人

いくら語学力があっても、なかなか現地に溶け込めない人もいます。その特徴のひとつは、「日本人と外人は根本的に違う人種だ」と信じている人です。目の前にいる現地の人を自分とは全く違う人間だと思っていませんか。そういった意識は海外適応の妨げになってしまいます。

一般に、日本人同士の夫婦は現地人と結婚した人よりも適応に時間がかかります。現地人と結婚した人は、現地人を”身内”として捉えるので、相手に共感し、相手の気持ちを察してあげようという意識が働きます。「自分から見た相手」という一方通行で自己中心的な見方ではなく、「相手はどんな気持ちでいるのか」と推し量る相互的なコミュニケーションがとれるようになれば、互いを理解しあえる人間関係を築きやすくなります。

反対に、海外生活者の中には、動物園にやってきたお客さんのように、現地人を動物観察するように見る人もいます。「この動物はこうだから」と決めつけ、現地の人と距離を置き、自分との違いを強調するようなことばかりを言っていては、現地に溶け込んでいくのは難しいでしょう。

3固定観念を壊せない人

自分の中の倫理観や固定観念を壊せない人も、海外適応は難しいでしょう。日本とは文化の違う場所で生活するなら、日本では許されない行動をする人に出会うことも多々あります。例えば、客をひいきし、笑顔を全く見せない店員に出会ったとします。この時、「なんて幼稚でプロ意識に欠ける民族なんだ」と日本的価値観で蔑むのではなく、なぜこのような行動をとるのか、彼らの考え方や価値観を理解しようと努めるかどうかで、適応できるかどうかが決まるように思います。

「こうあるべきだ」という狭い日本的な価値観だけで人や社会をジャッジするのではなく、もっと寛容に、「こういう考え方もあるのか」と謙虚に学ぶ姿勢をもって接すれば、自分の世界観も広がり、日本と海外のどちらにも適応できる人になれると思います。日本のやり方が全て正しいわけではありません


4言い訳が多い人

言葉ができないのは、時間がないから。適応できないのは、現地人が悪いから。日本に帰りたいと思うのは、旦那の家族が~だから…。こんな風に全てを人のせいにしている人は、海外になじむことはできません。

全てを人のせいにし、自分の非を認めようとしない人はどんなに長い期間海外で生活しても、適応は難しいです。逆に、現状出来ないこと、うまくいかないことは全て自分が至らないからだと思っている人は、すぐに現地の生活に慣れることができます。やはり、海外適応には謙虚に学ぶ姿勢が必要不可欠です。

5失敗を恐れる人

海外生活では失敗をつきものです。おかしなことを言って変な人だと思われたり、会話で誤解されてそれが原因で約束を破ってしまったり、言い返すべきところで黙っていたり…。こんなことはよくあります。文化やルール、言葉の違う場所でゼロから生活していくのですから、このような失敗は“必ず起こる”と覚悟しておいたほうがいいです。

失敗しないように行動するのではなく、むしろ、失敗はいずれするものとして、その時にどう対応するかを学んでおくほうがためになります。失敗して人にどう思われるかを気にして怖がり、人に話しかけられなかったり、挑戦できない人もいますが、これではいつまでたっても成長はありません。

失敗を前提として挑戦し続ける」ことが、成長(適応)への近道。どんどん自分から話しかけ、どんどん失敗しましょう。

6他人への依存度が高い人

海外で失敗したとき、思うようにうまくいかないとき、不便なものに出会ったとき…。こんなとき、あなたはどうしますか。何か困ったことがあったら、人に聞くという習慣を日本で身につけていた人は要注意です。海外では人に頼るのではなく、「自分で何とかしよう」という自立心が大切です。

以前このブログで紹介した「書評:自分で決められない人たち~「依存性」が日本社会を蝕む」という記事にもあるように、「自信がない」ために、「一人でも大丈夫」と思うことができず、他の人に何とかしてもらおうとするという根本的な心理傾向がある人はまずはここから変えていく必要があります。海外では、頼れる人はいません。自分で何とかしようという意識が海外生活の適応の第一歩です。

 

おわりに
以上が、海外適応に時間のかかる人の特徴です。逆に言えば、これらのことを反対の行動を心がければ、海外に溶け込めるのも早いのではないでしょうか。よくよく考えてみると、これらの「適応のための行動や考え方」というのは、何も海外生活ではなくても、新しい職場や引っ越し先などでも応用できるものだと思います。

海外移転の場合は環境の違いが大きいため、日本国内の移転よりも努力が必要です。しかし、これを乗り越え、海外でも溶け込める人になれれば、この先どこに行っても場の環境にすぐに馴染める人になれるのではないでしょうか。

海外適応には、謙虚な姿勢と、ゆる~い適当さが肝心だな、と個人的には思っています。


4 コメント

  1. いい記事だと思います。日本にいると日本中心に物事を見る人によく会いますが、世界って広いですからもっと色んな国に行ってみると良いかも知れません。言葉の面でも、文化の面でも世界の国々に柔軟に溶け込める人間で在りたいものです。

  2. 私はアメリカで生活した時は一ヶ月も経たないうちにすんなり馴染めて、現地の人たちともいろんな国から来た人たちともすぐに友達になれて楽しい日々を過ごすことができました。でも、イギリスで生活を始めてからはなかなかイギリス社会に溶け込むことができず、少々辛い日々です。もう何年も経つのに。イギリスの人は決して不親切というわけではないけれど、どうしてもバリアーを持っていて打ち解けてくれません。いろんな活動やサークルにも参加して頑張って人と接していこうとしたのですが、いつもさりげなく距離を置かれます。どうすればイギリス生活になじむことができるのか悩んでいます。
    (*ロンドンで数年いた時は友達はできました。ただ友達の90%が海外から来た人たちでした。)

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