日本人が抱く、フランス人の間違ったイメージ&ステレオタイプ6つ
image: Sylvain Courant - Flicker

フランス人は傲慢で、愛想が悪く、性格も悪い。そんなマイナスイメージを持たれることが多いフランス人ですが、実際のところはどうなのでしょうか?

多くの人に浸透している先入観や思い込みは、真実を含んでいるものもありますが、なかには実際とは全然違うものもあります。


そこで今回は、日本人がフランス人に抱くイメージのなかで「これはさすがに違う!」と思うものを6つ紹介します。あなたはフランス人にどんなイメージを抱いていますか?

1フランス人はおしゃれ

フランス人と聞いて、一番にこれを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、実際はそうでもないです。個人的な判断でいうなら、フランス人は特別おしゃれな国民ではないと思います。日本人のほうがよっぽど身だしなみに気を遣っていて、おしゃれです。

「フランス人はおしゃれ」というイメージは、日本のメディアやファッション雑誌で「パリジェンヌ特集」などをよく目にすることから生まれたのでしょうが、実際はこれらの“雑誌に取り上げられる”フランス人がおしゃれなだけです。フランスには、おしゃれな人がたくさんいるというわけではありません。むしろ、季節感のない服装や毎日同じ服でいる人も多く、おしゃれで小奇麗なフランス人というイメージが当てはまらない人も普通にいます。

2フランス人=パリジャン&パリジェンヌ

フランス人の話となると、多くの人が「パリに住む人」をイメージしますが、これも違います。フランスではパリジャンとパリ以外の場所に住む人は、ライフスタイルも考え方も価値観、人生観、仕草、行動も大きく異なります。パリと地方の人の温度差の違いは、東京と地方の差以上です。実際に、地方に住むフランス人は「パリジャンはフランスで一番意地悪な人たち」だと言います

つまり、パリにしか行ったことのない人が、フランス人全体を知ったかのように語るのは少し違うように感じます。フランスの地方の人から「俺たちとパリジャンを一緒にしないでくれ」と言われてしまうでしょう。

3フランス人は冷たい

1年中観光客と共に生活しているパリジャンは、地方のフランス人に比べて、あたりが冷たいです。それに加え、フランスのサービス業は常連客との長期的な関係を優先させる文化があるので、勝手のわからない一見さんの観光客には冷たく接します。(参照:なぜパリ旅行に来た日本人は、人種差別の被害者になるのか?

フランス人はよく会う人を身内だと捉え、親近感を抱きます。だから、フランス人はよく会う知り合い=身内にはとても気さくで優しいです。「フランス人は知らない人に冷たい」というイメージは正しいですが、誰に対しても冷たいわけではありません。

4フランス人はワイン通なグルメ

フランス人はグルメというイメージを持っている人も多いですが、これは半分あたりで、半分はずれです。食にこだわり、美食を追及する人もなかにはいますが、反対に食に“超無頓着”な人も少なくないです。


また、フランス人だからワインに詳しいというイメージを持たれやすいですが、実際には「○○賞金賞受賞」のようなメダル付きのラベルを参考にしてワインを選ぶ人もいます。もちろん、自慢のワインセラーを持っているような人もフランスには多いですが、ワインよりビール派、ウイスキー派という人も最近の若者には多いです。

さらに、比較的新しいもの好きな日本人に比べ、フランス人は食に関してはあまり冒険をしません。毎日同じレストランで同じものを注文して食べているという人も珍しくないです。フランス人は1つ好きなものができれば、とことんそればかりを食べ続ける傾向がある人が、日本よりも多いように感じます。

5フランス人は風呂に入らない

フランス人はあまりお風呂に入らないというステレオタイプがありますが、これは何も体を洗わないという意味ではありません。湯船につかる入浴をしないだけで、毎日シャワーを浴びている人がほとんどです。フランスではその昔、体臭を隠すために香水を使っていた時代がありますが、これを現在でもやっている人はいません。

香水の匂いをさせたフランス人の体臭はきつい、というステレオタイプも正確ではありません。もちろんなかには、自分の体臭を消すために香水を使っている人もいますが、香水臭い人=体臭がきつい人というわけではありません。

6フランス人は10着しか服を持たない

こんなタイトルの本がベストセラーになりましたが、誇張も甚だしいです。筆者の友人の働くフランス人女性は、みんな日本人以上にたくさんの洋服を持っています。クローゼットに入りらないほどの洋服を、着まわすことなく日替わりで着ています。

なぜこうなのかというと、ヨーロッパでは洗濯した後にどんな服でもアイロンをかけなければならないからです。水が硬水のヨーロッパでは、洗って干した洗濯物にスチームアイロンをかけないと、しわしわ、ごわごわになってしまいます。週末にまとめて洗濯しても、パリの天気では乾かないことが多く、洗濯後すぐにアイロンをかけられません。逆に、南仏では洗濯物が乾きすぎてしまって、洋服がバリバリになってしまいます。週末出かけてしまって時間がない日が続くと、「アイロンをかけなくちゃいけない服」が山のように積まれていきます。

これが、働くフランス人が服をたくさん持っている理由です。アイロンというひと手間があるからこそ、パリではたくさんの服が必要なのです。必要最低限しか持たないおしゃれなパリ暮らし…というのは、現実問題としてかなり難しいのです。

 

まとめ

以上が、あまり世間で語られることのないフランス人の一面です。人がもつイメージには、真実を含んでいることもありますが、やはり実際に自分の目で見て判断するのが一番だと思います。(だからここに書かれていることも100%鵜呑みにしないで下さい)。

イメージだけが先行しているというのは、海外に行ってみたら結構あることです。本当にそうか?と疑い、自分の目で確かめるまで決めつけない姿勢が大切ですね。


3 コメント

  1. 何にしてもそうですが、鵜呑みにしてはいけませんね。実際に海外に行ってもステレオタイプをさらに強く信じて帰ってくる人もいらっしゃいますが…。「やっぱり○○の国の料理は不味かった」とか「○○の国の人はいい加減だ」とか。それは行ったレストランが悪かったのかもしれないし、家庭料理はもっと種類が豊富かもしれないし、そもそも味覚が違うだけかもしれないし、日本人とは重きを置くところが違うだけかもしれないし。実際にその土地に行った人が言うステレオタイプは信憑性が高く聞こえるので嫌です。お決まりの観光地での滞在だけではその土地の良さを全て理解することは難しいでしょうけれど、せっかく行ったのならそれまで知らなかった部分を発見したいですね。

  2. 『フランス人は服を10着しか持たない』が大ウソだったとは!! 貴重な情報ありがとうございます。これ、もっと他の場でも大々的に言ってください。騙されている日本人のために。
    ちなみに著者は米国人です。
    http://www.yomiuri.co.jp/komachi/project/cafe/20150511-OYT8T50285.html

    ところで今回の記事を見ると、「パリ人=京都人」仮説を唱えたくなりました。保守的で、ウチとソトの区別が厳しくヨソ者(一見はん)にはイケズ、そして着倒れのパリ人。古都の誇りがそうさせるのでしょうか。

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