海外生活で寂しいと感じたら…孤独感を乗り越える4つのステップ
写真:Flicker - Bethan Phillips

家族や親しい友人もいない海外生活。日本にいる時よりも、寂しいと感じることが多くなると思います。海外では、配偶者がいても埋められない孤独感を経験する人が少なくありません。

実は海外生活7年目の筆者も、以前よりは少なくなりましたが、定期的に「何だかさみしいなぁ」と感じることがあります。たまにくる大波のように孤独感がやって来て、暴風や豪雨と共に心を荒し、不安で落ち着かない気持ちになります。でもこの孤独感というのは一時のもので、時間が解決してくれることが筆者の場合は多いです。大切なのは、孤独感を感じないようにすることではなく、孤独感とうまく付き合うこと


海外生活は孤独感とうまく付き合っていく必要があるのです。そこで今回は、筆者が実践している「海外生活で寂しいと感じた時の対処法」を4つのステップで紹介します。今まさに孤独感で押しつぶされそうになっている方は、参考にしてみてください。

1「私は寂しい」と声に出す

以前は、寂しいと感じた時には、忙しくしたり、日本のドラマを観たり、体を動かすために散歩に出たりしていました。この方法は効果がないわけではないのですが、やはり一時の“気の紛らわし”に過ぎません。忙しくしていれば孤独感に意識が集中しないという点はいいのですが、常に忙しくしているというのは、問題から“逃げている状態”と同じです。最終的には、疲れ果ててしまいます。

これまでの経験で感じたのですが、寂しさは抑圧すればするほど大きくなります。なのでまずは、自分で「今、私は寂しいと感じているんだなぁ」と認めてあげましょう。「さみしいなぁ」と口に出して、声にしてみるといいと思います。

孤独を感じたって、いいじゃないですか。人との繋がりの有難みを再確認できる機会とも考えられますし、「もっと周りの人を大切にしよう」と反省するきっかけになるかもしれません。孤独を感じることは格好悪いことではないし、ダメなことではないんです。「私は寂しいんだ―!」と声に出して言ってみたら、結構心が少しスッキリしますよ。

2他人の人生を想像する

筆者の場合は、他人と比べた時に「私は孤独だなぁ」と感じることがあります。周りの人はたくさんの愛する人に囲まれていて、何一つ悩みもなく、うまくやっているように見える時、「うまくいかないのは自分だけ…」と感じて、寂しくなります。

そんな時は他人の人生を「うがった見方」をして、想像しています。モラルとして褒められた行為ではないですが、「あの人は人には恵まれているけど、お金には困っているかも?」とか、「みんなと仲良くしているようで、案外人間関係はギスギスしているのかも?」と、出来る限りの想像力を膨らませて妄想します。すると、「案外みんな、自分と同じように悩んでんだろうなぁ~」と思えてきて、少し気持ちが楽になります。


発展途上国に行って、貧しい暮らしをしている人に会ってみる、というのも一つの手です。筆者は、インドのスラム街、アグラの精神病院・孤児院を訪問したことがありますが(記事参照)、この経験は筆者の人生観を変えた貴重な体験でした。この先の人生でどんなに辛いことがあっても、インドのスラムで孤児として生まれた子よりは数倍恵まれていると思います。このように、自分がどれだけ恵まれている環境にいるかを認識するための旅行は、人生のうちに一度はしておくといいです。あなたの人生観を変え、精神的に強くなる良い経験になると思います。

3自分の存在価値を実感する

「私ってここにいて、いいの?」、「私はここにいてはいけない人間なんだ」・・・。こんな風に思いつめてしまう時は、孤独感でいっぱいいっぱいになって、辛い状況にいる時でしょう。自分の存在価値を見いだせない時、つまり、自分は誰の、何の役にも立たないダメな人間だと自分で思い込んでいる時は、何をやっても、どこにいても孤独です。

自分の存在価値を感じるには、「人の役に立つことをする」のが、一番手っ取り早い方法だと思います。人の役に立ち、人に喜ばれ、人に必要とされることで、自分は生きている価値があるのだ、と考えることができるからです。ただし、ここでは人からの評価や客観的な評価を気にしないことを念頭に置いておきましょう。見返りを求めず、他人へ全面奉仕するつもりで、何か自分にできることはないか考えてみるのです。実はこの「他人のために何かできないか」と考えているだけでも、孤独感は少しずつなくなっていきます。ぜひ、試してみてください。

4人にしてもらいたいことを自分からする

寂しいと感じた時、あなたは人にどんなことをしてもらいたいですか?自分の話を聞いてほしい、「元気にしてる?」と気にかけてほしい、誰かから電話がほしい、あたたかいメッセージカードがほしい…e.t.c.

そんなあなたが他人にしてもらいたいことを、自分から人にしてみるというのが、寂しさを乗り越えるための最終ステップです。心理カウンセラーの根本裕幸さんは、こう言っています。

寂しさを受け入れていくことは、大人になるための一つのイニシエーション(儀式)のようなものかもしれません。子どもは寂しいことを受け入れることはできませんからね。その感情を乗り越える秘訣は、自分の足元を見つめ続けること(地に足を着けること)、人を大切にしようと思う気持ち、つまりは優しさ、愛情ではないかと思っています。
誰かに何かを与えたい(話しかける、手紙やメールを書いてみる、など)気持ちがその寂しさから抜け出させてくれます。つまり、「自分から繋がりを求める」ことが一番の鍵ですね。(カウンセリングサービスより抜粋)

自分の愛情を、他人へ向けましょう。自分から人との繋がりを求め、微笑みかけ、あたたかい言葉と励ましを送りましょう。孤独を感じるとき、自分のことを考えすぎているのかもしれません。そんな時は、自分の周りの人を幸せにするにはどうしたらいいかをじっくり考え、人はどんな気持ちで毎日生活しているのかを想像し、自分に何ができるかを探してみましょう。あなたの愛が、氷固まった孤独感をじっくりと溶かしていってくれるでしょう。

 

 


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