外国人と国際結婚して人生変わった!と思うこと
写真:Flicker - U.S. Army

外国人と結婚して人生が変わった。

結婚すれば、何も相手が外国人でなくても、大なり小なり独身の頃とは人生が変わるものだが、日本人ではない人との結婚というのは、やはり私の人生観を大きく変えるターニングポイントだったように思う。フランス人男性と結婚して7年。彼と、彼の家族と家族になって、私のなかで一番大きく変わったことと言えば、「固定観念がなくなり、もっと他人と共感できるようになった」ことだと思う。


実を言うと、昔は心のどこかで漠然と、「外国人は日本人とは違う」と思っていた。このブログを読み返しても感じるが、昔はもっと外国人と日本人の違いを探し、外国人はこう!日本人はこう!と決めつけていたような気がする。文化も、常識も、言葉も違うのだから、きっと考え方や価値観も全てが違うのだろう…と勝手に先入観を抱き、勝手に納得していた時期がある。

しかし、外国人と結婚し、自分も海外で「外国人」として生活してみると、だんだんそのような“違い”ばかりに注目することはなくなっていった。むしろ、「なーんだ、フランス人もみんな同じようなことを考えているんだ!」と共感することのほうが多くなる。

昔は、例えばフランス人のことを悪く言う人がいたら、「そうそう、だからフランス人って嫌なのよね」と一緒になって悪口を言っていたが、今ではまるで自分の旦那やその家族を悪く言われたようで、不快だ。

フランス人が身内になる」とはこういうことか、と今更ながらに思う。フランスに来て最初の頃は、怠慢でプライドが高く、決して謝らないフランス人に「何だコイツら」と思うことも多かったが、いつの間にかフランス人の価値観も受け入れられ、「こんな考えをする人が地球上にいても、まぁいいか」と思えるようになった。

フランスに来て、フランス人を理解しようとするために、フランス語を学んで真似てみる。最初は嫌でも、実際に真似てみると、フランス人の言動の理由もだんだん理解できるようになってくるから不思議だ。これが、「海外適応」というのでないかと思う。

さらに、一度外国人を「身内」として受け入れると、どんなに文化が違っていても、地球上の人全てを自分と同じ人間として受け入れられるようになってくる。自分とは違った価値観や考え方をする人でも、否定せず、「まぁいいか」で受け止める。


ちょっとでも嫌なことがあると、それを口にしないと気が済まないイタリア人に対しても、まぁいいか。人の話は聞かず、嘘やおべんちゃらばかり言うインド人に対しても、まぁいいか。マルシェでアラブ人に“Vous(敬語)”ではなく、”Tu(タメ口)”と言われても、まぁいいか。「寛容になる」とは、精神的に無理せず、「まぁいいか」で流せるようになることを言うのだと思う。

日本にいた頃は、もっと「こうでなければならない」という固まった価値観を持っていた。そして、それを他人にも押し付けてきたように思う。みんな同じなんだから、みんなこう考えるべきだ!という勝手な固定観念を持っていて、そんな決めつけを持っていたことにすら、気がついていなかった。

しかし、外国人と結婚し、外国人と家族になって、海外で生活するようになると、「人間みんな違って当たり前」だということを身をもって学んだ。「こうでなければならない」というルールは、自分が勝手に決めたものでしかない。金子みすゞさんが言うところの「みんなちがってみんないい」とは、人はそもそも違うものなのだという悟りから生まれた言葉なのではないだろうか。

そして、これには相反するようだが、外国人と家族になり、関係や絆が深くなっていくと、「結局、人間はみんな一緒なんだな」という結論に達する。

誰もが幸せになりたいと願い、誰もが愛されたいと思い、大切にされることを望んでいる。この人としての根本的な部分は、文化や国境、言語を越えて共通しており、その表現方法やルール、植え付けられた価値観という外見が違うだけで、実際のところ中身は人間だれしも同じだ。これを深く理解しておくと、どんなに見た目や振る舞いが違う人と接しても、共通点を探して共感し、ぐっと距離を縮められる力を身につけられると思う。

とはいえ、人生は修行なり。いくら外国人と家族になったからと言って、他人の考えを受け入れられない時だってあるし、なかなか人との距離を縮められないことだってある。

しかし、「そもそも人間みんな違って当たり前」という大前提と、いくら自分とは違って見える人でも「幸せになりたいという気持ち」は同じということに気がつけたという意味で、やはり外国人と結婚して人生変わったなと思う。

国際結婚したあなたは、どう思いますか?


2 コメント

  1. 日本でいる以上に他人に対して、どうしたらこの人と楽しい時が過ごせるのだろうかと、初対面の人に対して非常に気を使うようになりました。これはこちらのエチケットだと思うからです。その時うまくいけば、次に会った時自分が楽しいし、友達になる可能性もあります。その時楽しくなければ、相手は親しみを自分に対して持ってくれないし、いつまでたっても自分は一人で輪から取り残された気分になってパーティなどでは気付いたらいつも一人という事がありました。人間やればできるものです。楽しくないのは自分のせいとわかるまで随分時間がかかりましたが、慣れれば友達の輪が広がるのは嬉しいものです。海外結婚して私は正解だったと思います。日本にいればそういう体験も絶対しなかったと思いますから。

    • そうですね。海外では苦労することが多い分、人間関係のなかで学ぶことが多いような気がします。
      >慣れれば友達の輪が広がるのは嬉しいものです。
      その通り!人間は変わります。私も頑張ろうと思います。

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