7つのチャートでわかる世界の言語|最も影響力のある外国語はどれ?

現在、世界に存在する言語の数は千数百とも数千とも言われている。しかし、世界の言語数を正確に数えることはほぼ不可能であり、これは、未発見の言語や、消滅しつつある言語があるためだけではなく、「言語」なのか「方言」かを見分けるのが難しいからだとされている。

そこで今回は、そんな複雑な世界の言語をよりシンプルに理解するための7つのチャートを紹介する。世界の言語体系がどうなっているのか、また日本語が世界でどのような位置づけにされているのかがわかるかもしれない。


 

1世界の言語数、大陸による内訳

大陸によって、話されている言語の数は異なる。世界の言語の数を正確に知ることはできないが、米国中央情報局の統計では、世界には最低でも7,102言語存在しているとされている。

そのなかで言語数が最も多いのはアジアで、2,301言語。最も言語数が少ないのは、ヨーロッパである。

2ネイティブスピーカーの数が多い言語

中国語が世界で最もネイティブスピーカーの多い言語である。2位が北インドを言語起源に持つヒンディー・ウルドゥー語だ。英語は5億2700万人、アラブ語はスペイン語話者より1億人ほど多い。日本語のネイティブスピーカーは1億2300万人である。

この統計が面白いのは、世界人口の3分の2が話す言語はたったの12言語であるという点だ。

3単一言語&多様言語の国、世界地図

この調査では、各国の住人2人をランダムに選び、彼らが違う言語を話すかの確率を調べた。100%違う言語を話す場合を100とし、最も多様化していることを示す。逆の単一言語国家の場合は0となる。

これによると、最も言語が多様化している国はパプアニューギニアで98.8。この国は公用語は英語であるが、国会では、英語、トク・ピジン、ヒリモツの3つの共通語を使うことが許可されており、それぞれの言語に同時通訳される。パプアニューギニアは、世界で最も言語の豊富な国といわれている。険しい山岳地帯、湿地帯に阻まれて部族間の交渉が少なかったこともあり、小さなコミュニティが独自の文化・言語を発達させ、人口が600万人に対して、言語の数は800以上にもなる。

その他の国の言語多様性を見てみよう。日本は4、韓国は1、中国は51、アメリカは33、カナダは60、オーストラリアは21、イギリスが15、フランス20、ドイツ28、イタリア47。全体として南半球に位置する国のほうが言語の多様性が多いことが地図からわかる。

4使用国の数が多い言語ランキング


それぞれの言語を使用する国の数をランキングにしたものが上のグラフだ。これを見る限り、英語、フランス語、スペイン語は、大航海時代から始まった植民地支配の影響を受けていることがわかる。

5公用語が英語の国、世界地図

英語が世界の共通語とされるのにはやはり理由がある。英語を母語としている人は世界人口の4.68%で、第1位の中国語(13.22%)と比べかなり少ないが、公用語人口としては英語が世界一である。

しかしながら、英語が公用語とされている国であっても、その国の住人が日常的に英語を使っているとは限らない。上記の世界地図で赤く塗られた国=英語が公用語の国であっても、英語を母国語として学んでいるのはごく少数である。

6絶滅しつつある世界の言語

世界人口の約3%が、今日のすべての言語の96%を占めている。このうち2000以上の言語が、たった千人程度のネイティブスピーカーによって話されているのだ。

つまり、UNESCOの統計によると、この世界地図で示すように世界の半分の言語が今世紀末にはなくなると予測されているのだ。近年、話者数が非常に少ない言語が他言語に飲み込まれて消滅し、新たに死語と化すことが問題視されるようになり、消滅の危機にある言語を危機言語と呼ぶようになった。これは、世界の一体化が進み、交通網の整備や流通の迅速化、ラジオ・テレビといったマスメディアの発達によってそれまで孤立を保っていた小さな言語がそのコミュニティを維持できなくなるために起こると考えられている。

こうした動きは人的交流や文化的交流が盛んな先進国内においてより顕著であり、北アメリカやオーストラリアなどで言語消滅が急速に進み、経済成長と言語消滅との間には有意な相関があるとの研究も存在する。

 

7外国人学習者の多い言語

やはり英語を学ぶ人が世界では圧倒的に多い。フランス語、スペイン語、イタリア語、日本語、ドイツ語、中国語の学習者を全部足しても、英語学習者の数には及ばないほどだ。

最近になって注目を集め始めている言語もある。中国語はその一つで、1990年から2013年にかけて、アメリカの大学で中国語を学ぶ学生は10%増えた。しかし、同時期にロシア語を学ぶ学生は30%減少した。

日本人に限った話では、英語ができる人のほうが年収が高いという調査もある。ビジネスマン向けの雑誌のPresidentが仕事をしている30~40代男女1,000人にアンケートを実施したところ、

  • 英語ができる人の平均年収は704万円
  • 英語ができない人の平均年収は494.6万円
  • その差はおよそ210万円

という結果になった。(※英語ができる人=TOEIC760点以上、TOEFL540点以上、英検準1級以上のいずれかを持つ人を英語ができる人と定義)

英語は世界中の人が学ぶ言語だからこそ、世界共通語となる。世界の人とコミュニケーションをとることのできる人=英語ができる人の年収が高くなるというのもうなずける話だ。

参照:Washington Post


1コメント

  1. アートやインテリは、やっぱりフランス語、イタリア語ですね。ヨーロッパ圏内でもダントツ。

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