婚活で求める条件をはっきり言う日本人、フィーリング重視のフランス人

ところ変われば、婚活の仕方も変わる。日本人の婚活の仕方も、海外の人から見ればギョッとするものの一つだ。

海外の人は日本人に対して、「はっきりとモノを言わず、控えめで礼儀正しい」とイメージを持っているが、婚活をする日本人女性の様子をテレビで見ると、フランス人女性は決まって衝撃を受けるようだ。

日本では婚活というと、パーティーやマッチングサイトなどで、ある程度最初に対象者の条件を絞って相手を探すというやり方が一般的だ。「結婚相手の男性は安定した職業についていて、年収400万円以上の人がいい」とはっきりと口にする女性や、「子どもを産んでほしいから20代の女性がいい」と言って探す男性もいる。


どちらの場合も、出会いの前の段階から「情報を事前に開示し」、「条件を結婚前にはっきり言う」ことが男女間で良しとされている。お見合い結婚の名残もあり、このような「条件をクリアした人と結婚する」という考え方が文化として受け入れられているのが、日本の恋愛&結婚の慣習と言えるだろう。

しかし、これはアムールの国フランス人からすると、ひどく冷たく機械的に感じてしまうようだ。駅から近くて家賃12万円以下の物件がいい!、とまるで物件探しをするかのように結婚相手を探す婚活のやり方に抵抗感を抱くようだ。

特に多くの婚活中の日本人女性が挙げる「収入や職業の条件」は、お金の話をおおっぴらにする下品さに加え、「男性を外で稼いでくる召使い」のように捉え、男性の人権を無視していると思われるのですこぶる評判が悪い。日本人女性の側からすると、お金の心配をしなくていい環境で子どもを育てたいという堅実な願いがあっての「相手の職業&収入条件」なのだが、フランス人からするとこれがとても冷酷で非人間的に映るらしい。

なにしろ、ロマンチックじゃないでしょう、というのがフランス人の考え方だ。

婚活で求める条件をはっきり言う日本人、フィーリング重視のフランス人

しかし、とはいえ、同じように婚活中のフランス人がまったく相手に求める条件がないのかというとそうでもない。フランス人だって(本人は自覚がないのかもしれないが)、日本人と同様に条件で絞って恋人を探している。

例えば、そのいい例がフランスで大人気の出会い系アプリ「Tinder」だ。このアプリの最も特徴的な点は、プロフィール写真の重要度が高いという点である。ユーザーが位置情報の近くにいる異性のプロフ写真をチェックし、YESを送信。相手もYESとジャッジしてくれれば、マッチング成功となる。

要するに、容姿の良しあしで出会いが決まってしまうサイトだと言うこと。筆者の義姉もTinderのヘビーユーザーで、これを使っている場面を何度も見たことがあるが、小さなプロフ写真で相手の何がわかるのか?と疑問に思った。まるでネットショッピングをするかのように、「この人はかっこいい!」、「うわっ!コイツ、ブサイクー!」と言って、YES/NOのボタンをクリックしている様は、傍で見ていると滑稽ですらある。

婚活で求める条件をはっきり言う日本人、フィーリング重視のフランス人

今時写真なんていくらでも加工できるし、目と鼻の位置やバランス、瞳の色などで相手の「人間としての素晴らしさ」なんてはかれないだろう…と筆者は思うのだが、Tinderを使っているフランス人の義姉は何だかとても楽しそうだ。

こうして、このアプリでマッチングした相手とは約束をつけて食事、となるわけだが、基本的にフランス人の恋愛は何よりも「フィーリング重視」という印象を受ける。アプリのプロフ写真=第一印象で”何となく”いいなと思った人と食事をして、”何となく”意気投合し、”何となく”体の関係を持って、“何となく”付き合い始める。結婚して経済的に安定した家庭を築けるかとか、子どもを育てたいかとか、どこに住みたいかなんかは「後で考える」というのがフランス人流の恋愛の仕方であり、醍醐味らしい。

先のことはあまり考えない。だって先のことがわからないからこそ、恋愛が楽しいわけでしょう?

いいように言えば、ロマンチックな恋愛と言えるのかもしれないが、日本人の婚活の仕方に比べるとかなり行き当たりばったりであり、幼稚な印象を受けるのは筆者が日本人だからなのだろうか。

しかし、実際にフランス人の恋愛は失敗が多いような気がする。顔だけで選んで、次から次へとダメんずに引っかかる独身女性は結構多い。フランス人の離婚率は高く、特にパリでは2組に1組の夫婦が離婚するといわれているが、それもこんなフィーリング重視型フランス流恋愛の弊害とも考えられる。

このように、婚活の仕方は日本人とフランス人では大きく異なり、相容れないわけだが、それぞれの婚活方法を端的に表現すると、

  • 日本人の婚活… 計画的、かつ機械的な堅実婚活
  • フランス人の婚活… 無計画で、フィーリング重視のロマンス婚活

と言える。

日本とフランスのどちらの婚活の仕方が良くてどちらがダメだという話ではないが、いずれにせよ、日本であってもフランスであっても、「理想の相手に出会う」というのはそう簡単なことではないらしい。


 


10 コメント

  1. 確かに日本の婚活は、非人間的だとつくづく思う。お金に執着しなければならないのは明らかに政治が悪い。
    フランスの結婚観は幼稚なわけではなくて、言い方を変えれば、「当たって砕けろ」なので、ときめきも多いだろうし、トライアンドエラーの余地があって良いと思う。できるだけ、せめてでも子供ができるまでは、トライアンドエラーをある程度許容する社会であってほしい。

  2. 聞いた話によれば、ドイツもそうらしいですね。
    ってことは、ヨーロッパ全域もそういう傾向なんでしょうか。
    興味があります。

    • ポーランドに住んでますが、同じだと思います。男性を打算的に値踏みするような女性は少ないです。人格や相性といったものに対してより重きを置く女性が多い印象がとてもあります。良いか悪いかはマダムリリーさんの意見に賛同します、それがこちらの人たちの異性を判断する際の傾向なんだろうなと思います。

  3. 日本の結婚は本人たちだけではなく家同士の結婚という意識が強いからではないですか?また、やり過ぎは良くないですがお互いに条件を見極めるのも大事です。なぜならば恋愛に向く相手(この記事で言うロマンス)と結婚に向く相手は異なるからです。恋愛は本来合わない相手同士の方が勘違いで燃えますが、それで結婚すると元々合わない者同士であるために離婚になりやすいです。フランスは元々離婚だらけでしょうし、日本も家や社会の制約が弱まっているので恋愛結婚の結果離婚が増えているのでしょう。しかし離婚はやはり結果として幸せとは言えないです。

  4. フランスのお隣の国、イングランドではご飯を一緒に食べ、話しただけで階級(クラス)と出身校が分かったりして資産レベルも併せて判明するらしい(イートン訛りなど学校によって訛りや食事マナーが異なる)ですが、フランスでももしかしてそうだったりしません?

  5. フランス人は離婚率が高いとのことだが、再婚率も高いのでは?
    日本人から見れば、離婚率が高いことは弊害となるが、再婚率も高いとなると見え方が変わる。
    婚姻関係の流動性が高いことは、色々な自由をもたらしてくれると思う。

  6. フランスは、単純に社会自体が母系社会に回帰してるだけでは?
    日本も、明治維新の後ぐらいまでは、武家社会台頭後の武家や貴族でもなければ、ほとんど通い婚みたいな母系社会で結婚と離婚が異常に簡単だったし。
    戸籍を完全に整備するようになって初めて、本物の父親は誰かと男が気にするようになったような感じだしな。

    DNA鑑定が発明されて初めて、男にも「自分の子供ということになってる、妻が生んだ子供が本当に自分の子供か知りたいという願望」と、その権利を行使しようとする欲求が出てきたというか。

  7. 結婚自体の概念が違うからこうなる。

    日本:善かれ悪しかれ、家族はそれぞれ役割。じゃないと夫を「お父さん」と子供の前でもないのに呼んだりはしない。
    フランス:あくまでも妻は死ぬまで女で夫は死ぬまで男。役割にジョブチェンジではなく、タイトルが増えるだけ。

    前者の場合、役割として結婚するわけだからときめきなどを重視しないのは当たり前だし、後者がときめきを大切にするのも当たり前。特に後者は友達関係の変型みたいなステップなのだから、初対面で年齢や収入を聞くのは変なのである。

    ちなみに日本人女性と外人男性の離婚率がびっくりするほど高いのは、こういう概念の違いではないかと思う。

  8. 育児と教育にかかる費用が国からの支給で自分の食い扶持だけ稼いでいれば生活に困らないなら、恋愛感情だけで結婚できる。
    フランスでは女性が自立できるし、シングルマザーでも苦労せずに育児できるなら、男性の収入に拘る必要は無い。
    男に庇護してもらわなくても生きていける社会だからこそ(国が母子を養ってくれる)自由に恋愛結婚ができる。

    日本では、女一人で生計を立てるのは難しく、育児と教育費は旦那の稼ぎに依存せざるを得ない。結婚相手としては、安定した収入や父親としての責任感、DVしないかなど男の人間性を厳しく判断しないと地獄を見る事になる。(結婚後の幸福度が夫の人間性に左右される)

    専業主婦を前提にした社会制度である限りは、夫の収入を頼らざるを得ないので、結婚相手には収入と妻子を捨てない責任感を求める必要がある。雇用も育児支援も夫の収入があることを前提にしているため、女の収入は低く抑えられ結婚しないという選択をとりにくい。子供を産むと収入減と保育料の支払いで母親の経済力は下がり旦那の給料が頼りの生活になる。

    育児と教育費用の負担が低ければ、恋愛感情だけで相手を選べるし結婚のハードルも下がる。
    家庭と仕事を両立できない労働環境、教育費が高い、保育料が高い→夫に稼いでもらわないと教育費と生活費が賄えない→結婚相手には安定した収入が必要、離婚や旦那のDV借金で母子共に人生が詰む

    フランスでは子供がいても雇用が保証され、育児費用が国負担なので、女性の権利が守られるという部分が羨ましい。(移民や育児の質という面で様々な問題はあるんでしょうが)
    結婚相手に人生を左右されずに、本当の意味で好きな相手を選べるという意味では、日本よりも女性が生きやすいのは確かだと思う。専業主婦でいたい人にとっては日本のほうが生きやすいが、女でキャリア志向、自立心が強いと何かと不利です。フランスに移住する度胸はありませんが(-_-)
    生涯働くという義務はあっても、人生の主導権を男に渡さなくても済むのは幸せだと思います。

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