仏大統領選|なぜルペン氏は支持されるのか?ルペンの主張&発言まとめ

2017年4月23日にあったフランス大統領選挙の第1回投票で、極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首(48)が5月7日の決選投票に進んだ。相手は投資銀行出身で親EU、左右の支持者を集めたエマニュエル・マクロン前経済相(39)である。

ルペン VS マクロンという構図であるが、実際には「ルペン支持派 VS ルペン反対派」という闘いになるのではないかと思われる。前回のフランス大統領選が「サルコジ VS 反サルコジ」だったと言われているので、フランス大統領選はここ数年間、「ある政治家支持層 VS 反支持層」の決選投票という形が続いているようだ。

国民戦線(FN)といえば、フランスでは長らくの間「人種差別ナショナリスト集団」として、どちらかというと敬遠される存在だったのだが、ここにきてなぜルペンはこんなにもフランス人に支持される人気者に変身できたのだろうか。

それはまず、シャルリー・エブド襲撃事件やパリ同時多発テロなどのテロ事件による影響が大きいわけだが、それだけじゃない。彼女は「国民戦線の左傾化」することで、国民のFNに対する抵抗感を和らげ、支持率を集めることに成功したのである。

↑この動画はルペンがなぜ人気を獲得できたかを説明したものである。現在のルペン支持者は国民戦線に投票するのではなく、「ルペンに投票」するのだと言うが、これは国民戦線を再構築するのにルペンが成功した証だと言えるだろう。

それまでフランスで国民戦線といえば、マリーヌの実の父親であるジャン=マリー・ル・ペンが作った政党だという認識が強かった。彼は過去に社会党候補に暴力をふるったとして有罪となったり、人種差別的な過激発言が多く、「彼のつくった政党」に票を入れることに対し、何となく抵抗感があるフランス人が多かった。

そこでマリーヌ・ルペンは2015年5月に、父親の国民戦線の党員資格を停止し、10月には党を除名する。これにより、長らくついていた「FN=差別主義」のイメージを払拭し、選挙戦略においてソフトイメージを打ち出すことに成功したのだ。

さて、ここで彼女の政治的戦略と、マリーヌ・ルペンがどんな人物なのかを探るために、彼女のこれまでの主張や発言を紹介しようと思う。あなたは、これらの発言をどう思うだろうか。

 

1マクロン氏との討論にて

Vous savez quoi, Monsieur Macron ? Vous avez un talent fou : vous arrivez à parler sept minutes, je suis incapable de résumer votre pensée ! vous n’avez rien dit ! Rien dit ! C’est le vide absolu, sidéral ! J’attire l’attention des Français : je voudrais quand même qu’ils s’attachent à vérifier que, à chaque fois que vous prenez la parole, vous dites un petit peu de ceci, un petit peu de cela et jamais vous ne tranchez ! On ne sait pas ce que vous voulez […], et honnêtement je trouve ça très inquiétant. Très inquiétant.

あのね、マクロンさん、あなたはおかしな才能を持っている人だわ。あなたは7分間もずっとしゃべり続けているのに、私は今でもあなたの思想をまとめることができませんよ。

あなたは何も主張していないのと同じです!何も言っていない!本当に全くの空っぽですね。

私はフランス人の注目を引いているんです。私はあなたにも、フランス人の注目を引くような発言をしてもらいたいのに、あなたは話があっちこっちに行って全然まとまっていないじゃない。正直言って、これでは本当に心配だわ。本当に心配です。

コメント:これでテレビ視聴者に「マクロンの言うことは空っぽ」だという印象を植え付けることができますね。

2イスラムに関して

Il y a quinze ans, on a eu le voile, il y avait de plus en plus de voiles. Puis il y a eu la burqa, il y a eu de plus en plus de burqas. Et puis il y a eu des prières sur la voie publique […]. Maintenant il y a dix ou quinze endroits où, de manière régulière, un certain nombre de personnes viennent pour accaparer les territoires. Je suis désolée, mais pour ceux qui aiment beaucoup parler de la Seconde Guerre mondiale, s’il s’agit de parler d’occupation, on pourrait en parler, pour le coup, parce que ça, c’est une occupation du territoire.

15年前にもイスラム教のスカーフを巻いた人はいましたが、今はますます多くのスカーフを目にしますよね。そして、ブルカ(目の部分も網状になっていて完全に隠れている)もありましたが、これもどんどん増えてきていますよね。さらに、公共の場でイスラム教の礼拝をする人もいます。[…]

そして今では、定期的に10から15箇所でテリトリーを独占しようとしている人が何人もいます。

申し訳ないですが、第二次世界大戦の話が好きな人にとって、領地の占領の話をするのなら、これこそが領地の占領だと言えるのではないでしょうか。

コメント:右派の主張の定番「我が国の領地が占領されている」

La France est une université des djihadistes.

フランスはジハーディストの大学だ。

コメント:ジハーディスト(djihadistes)とは、9・11以降、イスラム過激派のテロ実行者を指す造語として欧米で使われるようになった。

3国民戦線に関して

Les grands principes du Front National ont toujours été les mêmes : rétablir l’autorité de l’État ou rétablir la souveraineté nationale, et assurer la pérennité de la civilisation. Voilà les grands principes qui sont les nôtres.

国民戦線の原則はいつも同じです。

国家権力を復元すること、もしくは国家主権を回復すること。そして、フランス文明の生存を確保することです。これが、私たちの原則なのです。

4グローバル化に関して

La mondialisation consiste à faire fabriquer par des esclaves pour vendre à des chômeurs

グローバリゼーションというのは、失業者に売るための奴隷を製造するようなものです。

コメント:「文明が脅かされている」という、彼女の核心的なメッセージ。

5移民に関して

Il faut arrêter l’aspirateur à immigration clandestine en supprimant l’AME, en restreignant le droit d’asile.

違法移民を吸い取るようなことはやめなくてはいけません。国家医療扶助なくし、亡命する権利を制限します。

“Les statistiques ethniques sont réclamées pour faire de la “discrimination positive“.”

民族統計を見ると、「ポジティブな差別」が必要だと示しています。

 

↓ これはマルーン・ルペン支持者の意見を皮肉ったビデオ。彼女の支持者の考え方がわかります。

6在仏日本人の立場から

在仏日本人にとっては、ルペン氏が大統領になってもらうと困る人が多いのではないかと思う。

筆者はサルコジ政権以降の2009年にフランスへ移住してきたのだが、サルコジ政権になって以降、なかなか滞在許可証や10年カードがもらえなくなったという話をよく聞く。それ以前に入国した日本人の話では、割とスムーズに手続きが済んだそうだが、サルコジ以降は何だかよくわからない理由で「10年カードを拒否」され、それはオランド大統領になっても状況は変わっていない。

違法であれ、合法であれ、外国人移民を減らすと公言しているルペン氏がフランス大統領に就任したら、それこそ在仏日本人に与える影響は大きいと予測される。

参照:fr.wikiquote.org

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2 コメント

  1. 私はルペン氏の意見は良いと思います。
    フランスの問題は移民問題、テロ問題などたくさんあります。
    牢獄を増やし、sリストの人をどうにかすべきです。それに、なぜテロ的なことをしようとした人が簡単に数年後にでてくることができるのかもわかりません。テロと戦いたいなら、そのへんをどうにかしてほしいですよね。
    それに対し、マクロン氏はもっと移民を増やしたい。国境は関係ないとのこと。
    今のフランスの現状を理解しているのでしょうか… プランもはっきりしていないところが心配です。
    私の考えですが、先進国の日本などの国にはそんなに影響はないと思いますが。
    彼女のいう移民とは、違法の移民やアラブ系の国のような気がします。どうでしょうか。

    長々失礼しました。

  2. 選挙中にイスラム系のジハーディストによるテロが起きるたびに、国民戦線が支持を集めるだろうなぁ。
    しかも今は、ユダヤ人にイチャモンをつけてる余裕すらない状態でしょう。