言葉の壁は夫婦の壁…言葉が通じない国際カップルがうまくいかない理由

愛さえあれば言葉の壁なんて問題ない!

ネットの国際恋愛コラムなんかを読んでいると、こんなフレーズがたまに出てきます。言葉が通じなくても愛さえあればなんとかなる、言葉の壁よりフィーリングが大切、言葉が通じないからこそ仲良くいく…。


これらの話は必ずしもウソだとは言い切れませんが、語学学習をあきらめるのに非常に都合のいい甘い言葉だなぁ~と筆者は思います。離婚も多い国際カップルの現実はそんなに甘いものではないし、国際カップルに限っては互いの言語を”互いに”話せるに越したことはないからです。

現実的に言葉が通じない国際カップルは恋愛の段階で何とかなったとしても、結婚して数年後に別れるというパターンが多いような気がします。現時点で言葉ができないからといって、外国人との恋愛をあきらめたほうが良いというわけではありませんが、相手と言葉が通じないからこその「リスク」を知っておくべきだと思います。

そこで今回は、筆者自身の経験や周りで「互いに言葉が通じなかった国際離婚カップル」の話を元に、言葉の壁がある国際カップルが抱えているリスクを4つ紹介します。今現在外国人と付き合っている人で、相手と言葉が通じない人はこのようなリスクを抱えていると自覚しておいてください。

1相手の人間性が掴めていないリスク

恋愛初期の段階の最大のリスクがこれ。互いに互いの言葉が理解できず、カタコトでの会話しかできないカップルは相手の人間性を見抜いていない可能性が往々にしてあります。

筆者は大学生の頃、アドバイザーとして留学生寮に入っていました。留学生の男の子が日本人の女子をデートに誘ったり、仲間内のパーティーに連れてくることがあったのですが、そこに来ていた日本人の女の子は外国人の彼が仲間内で大っぴらに話していることが理解できておらず、傍で見ていて「オイオイ、あんたはそれでいいのかよ!」と思うことが何度かありました。言葉がわかれば、こんな男性は選ばないはずなのに…。

相手の言語が理解できず、スムーズなコミュニケーションがとれない男女関係というのは、「ウソがつきやすい関係」と言えます。特に、外国人男性がカタコトの日本語を話せば、それだけで何となく“純粋で誠実そう”に映ってしまいます。言葉ができない場合、恋愛初期の段階では自分の感覚を信じ切るのではなく、「相手の人柄を掴んでいない可能性がある」ことを自覚しておくといいでしょう。

2会話の数が減るリスク

相手の男性が真面目で良い人で、付き合って数か月経ったころにやってくるリスクがこれです。最初はカタコトでの会話も新鮮で、ひとつずつ相手のことを理解していく過程が面白いのですが、時がたつに連れ、そんな関係に疲れてきます。語彙がないため簡単な会話しかできず、普段悩んでいることや将来の目標、これまでの恋愛、家族の話など、本来なら恋人だからこそしたい深い話が思ったようにできないことが続きます。


最初はしょうがないと思っていても、これが何度も繰り返されると、だんだん会話をすること自体が億劫になっていき、相手に話したいことがあっても自分のなかで処理するようになってきます。それだけで済めばまだいいのですが、恋人よりも友人と過ごす時間が増えたり、他に「会話ができる異性」を見つけて別れてしまうというパターンも多いです。

言葉の壁が厚すぎるせいで、会話を通して互いを理解しあい絆を深めていくことが出来ない場合、遅かれ早かれその関係は終わります。そうならなように、少しでも相手のことを理解できるように語学を習得するのはもちろん、コミュニケーションから逃げない姿勢が大切です。

3妄想と現実にギャップがあるリスク

恋愛でうまくいき、結婚してしばらくしてから「この人こんな人だったの?」と初めてわかって離婚…。国際カップルでは、そんな話もよく耳にします。これは、互いの言語レベルが低いカップルにありがちです。

母国語のようにスムーズにコミュニケーションがとれないので、相手の言ったことを無意識のうちに自分の都合のいいように美化してしまった人の失敗で、妄想と現実の間にギャップがあったことに気が付いて離婚するパターンです。結婚して相手の国に移り、そこでやっと「相手がこんな人だとは思わなかった」と気が付き、愕然とする…。これは1の「相手の人間性を掴めていないリスク」の発展形で、つまめていない上に妄想を重ねてしまうと、気が付いたときには現実とかけ離れてしまいます。

4孤立していくリスク

恋愛のうちは言葉が通じなくてもどうにかなりますが、結婚してからだとやはり現実は厳しいです。相手の国の言葉が話せないと、家族や友人付き合いから遠くなり孤立していくリスクがあるからです。

筆者はフランスに来たばかりの頃はフランス語が全くできませんでした。そのせいで、旦那の家族や友人の集まりがつまらなく、億劫で、苦痛な時間となり、このような機会があるたびに旦那と喧嘩していました。そのうちに旦那は以前に比べて家族や友人と関わりを持たなくなり、少しずつ孤立していきました。旦那や旦那の家族に申し訳ない気持ちでいっぱいになり、自分を責め、ますます自信をなくして殻にこもる…という悪循環を繰り返していた時期があります。

現在はフランス語もそれなりに話せるようになり、旦那家族&友人との会話を楽しめるようになりましたが、それはまでは本当にしんどかった…。旦那もきつかったんだろうな、と思います。ちなみに筆者は旦那と結婚した当初はどちらも英語と日本語ができたので、彼との間で「言葉の壁」を感じたことは一度もありません。しかし、フランスに移住してから「相手の国の言葉を話せる重要性」を初めて理解したのです。

自分の愛する人から家族関係、友人関係を奪ってしまう存在にならないためにも、やはり語学力は必要です。たかが語学、されど語学言葉の壁というのは、人間関係に壁をつくるものだと思います。

だから、語学学習をあきらめずに頑張りましょう!モチベーションを保ち続けるのは非常に難しいですが、国際カップルの関係改善に絶対に役にたちます。

愛があれば言葉は通じなくても…なんて甘い言葉に流されず、コツコツと努力を続けること。

これがうまくいく国際カップルの秘訣だと思います。


10 コメント

  1. フランス人と結婚して今日で23年になります。
    付き合い出した頃からフランス語話していました。
    ヨーロツパはじめて着た頃は英語の方が分かりましたが今ではフランス語の方が理解できます。
    英語がかなりできる人はよく英語に頼ってしまってフランス語できない日本人よくみます。
    今まで国際結婚して離婚した例見てきましたが言葉の壁からだけが離婚と結びつくとは思いません。
    日本人同士でもフランス人同士でも離婚する方多くなっています。軽く付き合って結婚または子供できてしまったから結婚した方の離婚が高いのではと思います。
    今は日本よりフランスの生活が長くなりよく逆にフランス語から日本語の単語探す事もよくあります。
    でもフランス語もフランス人のようには上手くなってません。
    日本語もフランス語も英語も一生頑張らなければいけないのではと思ってます。
    主人とは結構言わなくても同じ事考えている事多いので赤い糸に結ばれている人にあう可能性もあるのでは。

    • うーん、私は現実主義なのであまり赤い糸とかは信じていません。
      もちろん言葉の壁からだけで離婚に結び付くことはないでしょうが、何か問題があった時に「夫婦で力を合わせて乗り越える」のが難しくなると思います。
      日本人同士でもこれは難しいですから、言葉の壁があると尚更です。
      私もフランス人のようにフランス語を話せませんが、フランス語を話すのが億劫になるほどの低いレベルではないです。これが大切なのかと。

  2. ちょっとマイナーな漫画家ですが、唯洋一郎が描いた漫画でトピックで書かれてる内容に近い四コマがあったのを思い出しました。
    とある少年が海外の学校に留学したが最初は現地の言葉が話せず孤立し、しばらくすると現地の言葉が話せるようになってクラスメートと接する機会が増えるも、今度は中身がクソ野郎だと知られて結局孤立してしまうというオチでした。
    話は変わりますが、少し前にスーパーで買い物をしてレジに並んでると、すぐ前に小柄な女性がいて何となく日本人っぽくない雰囲気を感じたのですが、一緒にいた中年の日本人女性にスマホの画面を見せていました。恐らくスマホのアプリで翻訳した物を見せていたのだと思います。その2人の関係性は分かりませんでしたが、義母と息子の嫁みたいな関係だったのかもしれません。以前、そういったアプリで外国人女性に道を聞かれて簡単な英語で対応した事がありますし。今はスマホが普及してるので、多少の意思疎通はそういったアプリを使うなどして何とかなるのかもしれませんが、翻訳の相性が悪い言語だと厳しいかもしれません。
    あと、母語がマイナーな言語の人は結構苦労するみたいです。以前、テレビで日本に住むヨーロッパのマイナーな国(国名は忘れた)出身の人が出て来たのですが、その国の人が日本語を覚える時は、まず英語を習得する必要があるみたいです。母語で直接日本語を調べられる辞書が無いのが理由だとか。
    そもそもの問題として、会話らしい会話ができないカップルが成立するのかどうか疑問ではありますが、それを乗り越えられれば本物かもしれませんね。

    • 言語の伝達には大きくわけて2つの役割があると思います。1つは、情報伝達。もう一つは、気持ちを伝えて人間関係を構築するためです。
      前者は例えば「トイレは向かって右です」とか、「この書類を何日までにどこそこへ提出してください」というような内容なので自動翻訳機で十分です。しかし、後者が目的となるとやはり翻訳機ばかりに任せてはいられないと思います。
      そして、外国人妻としてやっていくのに必要な語学力というのは後者を目的にしたものです。完璧な言葉を話せなくてもいいから、自分というキャラクターを理解してもらい、相手の言い分を理解して「わかりあう」というところにまで持っていくには、携帯のアプリを介してだけでは不十分だと個人的には思います。そのスーパーにいた義母と息子の嫁?がどういう関係なのかはわかりませんし、本人たちがそれでいいなら周りがとやかく言うことではないですが、いずれにせよ母国語と違う人と結婚したのなら、言葉ができるに越したことはないです。

      • 確かに、長く付き合う事を考えると互いの言葉が話せる方がいいのでしょうが、実際はそれができていない国際結婚家庭は少なくなさそうです。
        こないだfacebookでとある人のページを見ていたら、奥さんがスイス人の日本人男性の書き込みがありましたが、奥さんは日本語が話せないと書いていました。その夫婦は日本在住で、その人のページを見てみると小学生くらいの娘が2人いましたので日本に住んで結構経ってそうですが、日本語ができなくても生活できる環境で暮らしていたら覚えないものなのかもしれません。夫婦や子供との会話は問題無くても、義理の両親や旦那の親戚とはどう接しているのかが気になる所ではありますが。旦那さんが通訳でもしてるのかも?

        • うーん、でもねー通訳って疲れるんですよね。外国人配偶者と自分の家族だけになれないってことですからね。「通訳抜き」の状況におけないのはしんどいですよ、正直。

  3. 言葉が通じない相手と恋愛をしたことがないのでわかりませんが、私は怖いと思ってしまいますね。互いの母国語が話せる上に、互いの文化も理解し合えていないと私は安心できません。一方の母国語だけで会話しているカップルはすごいと思います。

  4. 言葉が通じない、現地の言葉が出来ないということは、自らの身をまもれないということ、
    深い議論が出来ないという事です。極端な話、テロや麻薬密輸の疑いをかけられても、
    配偶者が助けてくれなければ、不公平な裁判を受け、刑務所へという事もあるのです。

    番いいことは、片言でもいいから外国に移住する側の配偶者の言葉や、相手の国の言葉を、パートナーの方が
    話せるように努力し、常時通訳をさせない事かな。
    観光時に、自分も楽しみたいのにずーっと通訳しているのは、やっぱり疲れますよ。

    自分だけ、相手に合わせていると不満がたまるし、なにより母語じゃない外国語を常に話しつづける、
    しかも細かいニュアンスを、一番身近にいる配偶者に伝えられないジレンマは計り知れないと思います。

    日本でも、海外でも自国の言葉を話させない、話す努力をしない配偶者を持つ方は、離婚率が高いですし、
    離婚のときにも不利になりがちです(特に親権において)。

  5. 国際結婚憧れてます。英語の勉強に取り組んではいますが、言葉は長年の蓄積があってこそ、普段の会話で不自由なく使える物だと思います。勉強してすぐ伸びる物ではないので高校 大学時代にもっと勉強しておけばと後悔しています。
    大人になれば勉強だけでなく、仕事 家事 プライベート 両親のサポート など忙しい日々で時間はあっと言う間に過ぎていきます。英語の勉強など 丁寧にする時間は十分ありません。
    でも私は国際結婚がしたいので、日々英語の勉強頑張ってます。

  6. 言葉の壁はコミュニケーションの壁とはよく行ったものです。日本在住の国際カップルで、うまく行っているのは外国人配偶者(知り合いの場合は旦那さんがアメリカ人)が日本語が上手なケースです。日本人の奥さんとも家では日本語、お子さんとも日本語であることが多いです。逆にうちの妹はアメリカ人男性と結婚しましたが、彼は日本語を勉強し始めて辞めてしまい、私の両親と同居してましたが、妹とは英語で話してました。妹は仕事から帰宅して疲れているのに英語で話したくないと言っていて、両親とは日本語で話す間、夫が仲間はずれになっていたようです。夫婦の会話も恐らくだんだん減って来たと思います。そしてやはりコミュニケーションがうまくいかなくなると結婚生活は難しくなり、二人は数年前に離婚しました。意思疎通がうまくいかなくても、常にコミュニケーションを図ることを辞めてはいけまませんね。リリーさんのおっしゃる通りです。

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