フランス式新生児赤ちゃんのケア方法|日本と違って驚いたこと6つ

今週からいよいよ臨月(36週)に入りました。最近はどこに行くにも何をするにもお腹が重く、動きづらいです。いよいよ出産も近くなった今日この頃、筆者がかかっているベルサイユの総合病院では「両親学級」が本格化してきました。

全部で7回ある講座のなかで、ソフロジー、お産の流れ、母乳のあげ方、産後の体のケアなどを学びます。これはフランス全土共通のプログラムらしく、経験豊富な助産婦さんの指導のもと、夫婦で参加するものです。先週は「新生児のケア」を学んできたのですが、これが日本の育児本などにのっている情報と大きく違い、とても驚きました。

そこで今回は、フランスの助産院で現在指導されている最新の「フランス式新生児の子育て方法」のなかで、日本とは違って驚いたものを紹介します。子育ての経験がある日本のお母さんたちは、このフランス式指導をどう思いますか?


1お風呂は週に最低一回入れれば良し

新生児は一週間に一回お風呂に入れてあげるというのを守ればいいと言われました。「絶対に毎日お風呂に入れてあげなくてはいけない」というわけではなく、時間がなかったり、両親が疲れていたらお風呂に入れない日があってもいいらしいです。また、毎日お風呂に入れたらダメだというわけではなく、お風呂に入れた赤ちゃんが気持ち良さそうにするなら、毎日入れてあげればいいとのこと。ただし、毎日ソープを使って体を洗うのはやめたほうがいいと言われました。

新生児の赤ちゃんは泥やホコリまみれになることもないので、そこまで「清潔」にこだわらなくていい。むしろ、洗いすぎで体から自然に出てきた皮脂(バリア機能)を人工的に洗い流してしまうほうが良くないという考え方のようです。もちろん、「新生児を触る前に必ず手洗いをしないといけない」という指導もありませんでした。

日本では、汗や皮脂で汚れた状態が続くと、湿疹やあせもなど肌荒れの原因になることから、毎日お風呂に入れてあげることを推奨されているようです。赤ちゃんに限らず大人もそうですが、やはり日本は「よく洗う」文化なのだなぁと改めて思いました。

2へその緒は放置せよ

フランスでも昔は、へその緒を消毒して乾燥剤クリームを塗布してガーゼで包んでいました。しかし、最近では「何もしないのが一番」という考え方に移行してきたそうです。なんでも、フランスはヨーロッパのなかでも最も長い期間、「へその緒クリーム」を塗ることが奨励されていた国だそうです。

しかし、最近は「放置したほうが乾きが早い」ことから、膿んだり、出血したりということがない限り、基本は消毒もしないそうです。日本でも、へその緒を放置するように指導されている病院もあるようですが、「消毒はする」というのが一般的なようです。

3赤ちゃんのスキンケアは「何もつけない」

フランスにも赤ちゃんのスキンケア商品はたくさんあって、薬局に行くと赤ちゃん用のローション、クリーム、オイルなど種類も豊富です。バリア機能が発達途中で、大人の肌よりも弱く敏感な新生児の肌にはどれを使うべきなのかと質問してみたところ、「何も使わなくていい」と言われました。

生後6カ月までは赤ちゃんが自分自身で様々な抗体を作っている時期なので、市販のケア製品を使ってしまうと赤ちゃんが本来持っている免疫力が低くなってしまうそうです。とにかく赤ちゃんの免疫力を高めたいのであるならば、赤ちゃんが病気にならない範囲で様々な細菌を吸わせるべきで、赤ちゃんのケア用品で必要なのはボディーソープだけだそうです。

尚、ベビーマッサージの時にはクリームやオイルを使うのはいいのですが、これも毎日するのはやめたほうがいいと言われました。

4赤ちゃん用洗濯は不要

日本では新生児赤ちゃんの洗濯物は大人のものと分けて洗い、さらに赤ちゃん用の洗濯洗剤を使うようにすすめられているようです。しかし、フランスではその必要もないと言われました。大人の服に泥や汚いホコリ、塗料などがついている場合を除いては、いつものお洗濯と同様に赤ちゃんの服を洗ってもいいそうです。洗剤も、赤ちゃん用のものを使わなくてはいけないというわけではありません。ただし、柔軟剤は使ってはダメだと言われました。

これも「無菌状態」にするのではなく、ある程度細菌を吸わせて免疫力をつくるという考え方からのようです。

5哺乳瓶は消毒しない

哺乳瓶といえば、煮沸消毒したり、電子レンジで加熱消毒するなど、「消毒」は毎回しなくてはいけないものだと筆者は思っていました。しかし、フランスの助産婦さんに言わせると、これも必要ないそうです。哺乳瓶の消毒が必要なのは一人の赤ちゃんにつき一回で、その哺乳瓶を初めて使う前(新品&貰い物)にすれば、あとは普通のコップと同様に扱っていいと言われました。

日本では哺乳瓶が汚れていると、口の中から直接ウイルスや雑菌が進入する可能性が高まると考えられ、そのため使うたびに消毒するように指導されているようですが、フランスではその必要もないと考えられているようです。

6昼間でも赤ちゃんの一人部屋で寝かせる

乳児1000人につき「乳児突然死症候群」で死亡した乳児の割合、国際比較

フランスに限らず、欧米では一般的な「赤ちゃんのころから子どもを1人で寝かせる」という習慣。これは何も夜眠る時だけではなく、日中のお昼寝でも子供部屋の静かなところで寝かせるべきだと指導されました。昼夜が逆転している新生児をリビングなど、物音のする場所で寝かせると眠りが浅くなってしまい、生後3か月以降の睡眠のリズムができにくくなってしまうのだとか。

そのため、欧米では子どもができたとわかった瞬間(妊娠中)から赤ちゃんのための部屋を用意します。筆者の友人で助産婦をしているフランス人女性いわく、「妊婦の半分以上は妊娠中に引っ越しをする」そうです。筆者もその一人で、妊娠中に引っ越しをしました。

しかし、乳児突然死症候群の発生件数を国際比較でみると、日本の件数は他の先進国に比べて低いです。これだけを見て、日本の乳児突然死症候群が少ないのは添い寝するからだと安易に結び付けることはできません。それに日本の2.3人とフランスの3.6人に、それほど大きな差があると言えるのかも疑問です。しかし、親子同室で眠る日本の子育て方法にもメリットがあると思います。細菌では、フランス家庭でも「生後6カ月までは添い寝する」という人も増えてきているようです。

 

おわりに
フランスの新生児のケア方法は、神経質にならず「自然にまかせる」というおおらかなもののようです。フランスらしいといえば、フランスらしいです。


赤ちゃんは弱くて繊細だから守らなくてはいけないというのが日本式の子育て法だとすれば、フランスは「自然の力に任せて赤ちゃんをタフな体に育てる」といったところでしょうか…。確かにこのへんの違いはすでに妊娠中の女性に対する病院の接し方に表れてるような気がします。

ただ、この両親学級の最後に助産婦さんが言っていたのは、「ここで教えたことが絶対ではない」ということでした。大切なのは、「~こうしなくてはならない」というルールを決めてそれをきちんと実行することではなく、赤ちゃんの顔を見て自分で判断し、フレキシブルにルールを曲げることだと言っていました。

こういうゆる~い指導が、個人的にはとても合っていてありがたいです。妊娠期間を通して、あまり不安やストレスを感じることなく気楽でいられたのも、こういうフランス人の気質のおかげだと思っています。

 


3 コメント

  1. 母乳や抱っこに関しても、フランスを含むいわゆる欧米と日本とでは意識が大きく違いますね。ただ、最近は欧米でもアタッチメントペアレンティング Attachment parenting なんて言って、少し日本のやり方に似たような育児が見直されてきています。
    保湿に関しては、新生児のときから保湿剤を使ってしっかりと保湿することで、アトピー性皮膚炎を防げることが多くなるという話を聞きます。(日本の皮膚科医から)保湿ということから言っても、毎日の沐浴、または石鹸の使用は、できるだけ避けるのが良いとも。
    個人的には、やはり後悔先に立たずなので、新生児に触る前には(来客や帰宅後など)手を洗って欲しいです。

  2. 看護師です。日本で毎日の沐浴が推奨されているのは、気候によるものも大きいと思います。
    ヨーロッパに比べて日本は湿度が高く、細菌も繁殖しやすいです。新生児は新陳代謝が良く、汗も沢山かくので、毎日の沐浴がすすめられています。また、日本は軟水、ヨーロッパは硬水ですので、お肌の負担も違いますね。

  3. > 日本では新生児赤ちゃんの洗濯物は大人のものと分けて洗い、さらに赤ちゃん用の洗濯洗剤を使うようにすすめられているようです。

    現在、2人の子どもを育児中ですが、病院や助産師から、このような指導を受けた事は一度もありません。
    厚生省などのガイドラインにも、一般の育児書にも推奨している記述はないと思います。

    確かに中には赤ちゃんに対して敏感になっており、わざわざ赤ちゃん用の洗剤で別に洗うと言う人もいますが、少なくとも日本の医療関係者や公的な機関が、そのような指導をする事はないと思います。

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