白人男性にとって天国だと言われる日本、現実は落とし穴だらけ
image: Banalities - Flicker

外国人は日本を、「男性がのんきに暮らせる国」だと思っている。

特に、外国人男性にとっては天国のような国だ。保守的で年配者を敬う日本では、男性のほうがその恩恵を受けることができる。地位、お金、キャリアも男性が有利。それに加え、たくさんの日本人女性を魅了できる点も、外国人男性が日本に来る理由の一つだろう。

欧米人男性は日本語を勉強する必要も特にないし、無理に社会に合わせる必要もない。日本人の彼女や奥さんが、そういったことは全部面倒見てくれる。語学を教える仕事をしている人は、日本語の流暢さだって問われることはないし、外国人はセクハラやいじめ、性差別の被害に遭うこともない。

…しかし、これが本当に現実なのだろうか。

ジムのケース

20代後半のアメリカ人・ジムは、以前はとても情熱的な若者だった。共産党主義者であり、スターリニストであったという。お酒を飲み、煙草を吸いながら、結論の出ない政治のディベートをするのが好きだった。大学を卒業し、アカデミックなキャリアを築いて、いつか暴動を起こすことを夢見ていが、その代わりに、彼は日本人女性と結婚した。彼が大学を卒業するまでに、二人の子どもができた。

日本人の奥さんは日本を離れたくないと言う。彼女はジムに安定した職について収入を得ることを懇願した。彼は現在、大きな大学からはほど遠い田舎町で英語を教えている。「これは今だけだから」と自分に言い聞かせてきたが、彼が以前に夢見ていたことを実現させるための資金やモビリティをこの先どうやって手に入れられるのか、見通しはたたない。

日本は、ある者にとっては”最適な場所”になりえるが、ある者にとっては”落とし穴”でしかない。そして、この落とし穴にはまってしまうのは、外国人女性よりも外国人男性に多い。

日本の企業社会は、現在でも圧倒的な男社会だ。女性はほとんどの人が結婚や出産を機に、現役をドロップアウトする。結婚という話になると、日本人は”経済面”を重要視するのだ。女性の情報サイトozmallによる調査にると、「お金が無くても結婚できると思う?」という質問では、72パーセントが『お金がないと結婚できない』と思っていることが明らかになった。

これは欧米的な恋愛観や結婚観とは大きくずれている。例えば、タイム誌に掲載されたピュー研究所が既婚&未婚のアメリカ人成人にアンケート調査したものによると、「一生を共に過ごすために必要な要素は何?」という質問に、“愛”と答えた人が93%であった。 次に、「一生の誓いをたてること」、「交わり」であり、日本で重要にされがちな「子どもを作ること」や「経済的安定を得ること」は、アメリカ人にとってはあまり重要ではないことが分かった。

セバスチャンのケース

アルバイトをいくつも掛け持ちしながら大学に通うセバスチャン(32歳)は、12年のドイツの軍隊経験がある男性だ。彼は日本で1年間交際した日本人女性にプロポーズをしたが、フラれてしまった。理由は、「彼には将来がない」からだそうだ。日本語を専攻したところで成功できるキャリアが得られるわけでもなく、英語のネイティブスピーカーでもない彼には安定した英語講師の仕事にも就けない。「なぜいつもお金が問題になるの?」と、セバスチャンは疑問に思う。

日本では、「結婚とロマンチックな愛は別物」なのである。結婚後に、かわいくて愛らしかった日本人妻が結婚を機に精神的にも肉体的にも旦那とは距離を置き、自分の全てを子どもに注ぐ”SHUFU”になってしまうのは、このためだ。この日本人妻の変身っぷりに不満をこぼす外国人男性が後を絶たないのも、納得がいく話だ。事実、休める場所であるべきはずの家庭が、男性にとっては新たなストレスとなってしまうわけである。

事実、日本は自殺が多い国だが、そのほとんどが男性の自殺である。このように、日本は日本人男性にとっても厳しい社会なのだが、外国人男性にとっては特に厳しい。集団主義のルールや、男女の役割の違い、長時間労働などを当たり前として育てられてきた日本人とは違い、欧米人は違った人生観や理想、ライフスタイルを期待している。例えば、仕事と家庭、自分のための余暇の時間などのワークライフバランスを保つことは、欧米社会では非常に重要だとみなされているが、日本の現代社会はそれをあまり重要だとはとらえていない。

先ほど紹介したセバスチャンにとっては、大学卒業後に正社員として採用され、安定した職に就くのは難しい。40代手前の外国人は、年齢と国籍という2つの差別の被害者となりうるからだ。それ以外にも、飲み会や社員旅行、配置転換など、外国人にとってはすぐには理解しがたい日本の企業体質がたくさんある。

パトリックのケース

パトリックは31歳。アメリカ人のITスペシャリストだ。彼は働いていた日本の会社を辞めることにした。どれだけ残業しても、昇進できない“ガラスの壁”に気がついたからである。彼の上司が言うには、パトリックは3回まで昇進できるが、その先は無理だそうだ。彼が日本人ではないのが、その理由らしい。パトリックは言う。

「おまけに僕が40度の高熱が出ている時も、会社に来るように言われたよ。もちろん、辞めてやったさ!」

ジャックの場合

十分な収入がある人でも、安定的な仕事をしない男性は責められる。米軍基地で20年間働いていたジャックは引退し、アメリカ政府から退職金を得て生活していた。しかし、彼の義理の母(日本人)は彼をヒモのように感じていたらしい。ジャックの妻が働く傍ら、彼は学校に通うことがどうしても理解されなかった。

「日本人はわかってくれない!」と、彼は腹を立てる。「僕は毎日20年間ずっと、海軍で働いてきたんだ。今でも毎日収入を得ていることを説明するのに、もう疲れちゃったよ…」

移民と日本を専門に研究しているナナ・オオイシによると、外国人が日本で働く場合、一番の障壁となるのは「言語の違い」ではない。日本語が堪能な外国人であっても、職場に馴染んで会話ができるようになるにはかなりの時間がかかるそうだ。

さらに、職場以外での人間関係を作るのも、外国人にとっては難しい。日本では違うコミュニティの人同士が混ざりあうことが滅多にないからだ。すでに出来上がっているグループと人間のみで完結してしまうので、新参者が入っていきにくい雰囲気がある。

このように、外国人は「男性優位の呑気な暮らしができる」と思って日本に来たら痛い目にあう。外国人男性が日本で苦労することは山ほどあるが、“男は泣かない”のスローガンの元、孤独やストレスを自分の胸にしまい込んでいる人は多い。

しかし、バランスのとれた幸せな日本生活をする外国人もいる。この違いはなんだろうか。

それは、外国人が「完全には日本に同化できないこと」を受け入れるか否かである。外国人は一生かかっても、日本人にはなれない。これは別に悪いことではない。

日本在住人気ブロガーのKen Seeroiは、このように述べている。

「底辺の日本人よりも、自分はまだできるほうだということを証明するために人生を費やすこともできるが、一歩身を引いて、ただの”ガイジン”として生きる選択もある。」

これが、外国人男性が日本で孤独を感じることなく、ストレスフリーで生活していく術なのかもしれない。

記事参照:JapanTimesより一部抜粋

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2 コメント

  1. ここでは外国人=欧米人という前置きで話が進んでると思いますが、実際の所は日本に住む外国人(もちろん欧米人以外も含む)は男性よりも女性の方が多いです。欧米人でも出身国によっては女性の方が圧倒的に多い場合も少なくありません。
    日本では男性が優位な社会と見なされやすいですが、逆に女性が優遇されてる面については無視されてる気がします。昇進についてはともかく、職種によっては女性の方が採用されやすいものも少なくありません。求人で、「女性が活躍する職場です」みたいな文面が載っていたら、まず間違いなく女性しか採用しないと思っていいです。男性が電話をかけても、その時点で断られます。
    また、遺族年金は少し前まで妻が先に亡くなっても夫は受け取れませんでした。最近改正されたとはいえ、改正前に妻を亡くした夫は受け取れないわけですから、その辺りの不平等はまだ残ったままです。
    離婚した際、親権は母親に行くケースが圧倒的に多く、また母子家庭と比較して父子家庭に対する社会的援助が少ないのも最近は問題視されています。
    日本は男性が優位というよりは、女性よりも男性の方が社会的負担が大きい国とも言える気がします。

  2. 日本人男性の受ける社会的ストレスを西洋から来た人間が受けたら即帰国だろ。日本の日本人男性に求める過度の義務は滅茶苦茶。それがないだけでもラクチンのちんちんですわ。辛い言う割に帰らないのはそれでもチヤホヤされる環境が捨てられないだけでしょ?