世界のメディアは「日本人のセックスレス」を誤解している!5つ
写真:Flicker -Taichiro Ueki

「セックスをしない日本の若者たち」は海外のメディアで、度々話題になる。それらの記事のどれもが、「若者の恋愛離れ&セックス離れが少子高齢化と人口減少の原因になっている」という結論で締めくくられているが、これは本当なのだろうか?

そこで今回は、世界のメディアで伝えられる「日本人のセックスレス」について疑問を抱いた日本人ブロガーのYuta Aokiさんが書いた記事がとても興味深かったので、ここで紹介しようと思う。あなたは海外のメディアが伝える「日本」にどのような印象を持っていますか?

誤解1 :セックスレス=低い出生率

海外のメディアでは、日本人のセックスレスと出生率を関連付けて捉える記事が多い。つまり、日本の若者がセックスに対する興味関心を失い、その結果として少子化が深刻な状況に陥っているというものだ。

しかし、実際に詳しく調べてみると、セックスの頻度と出生率には相関性がないことがわかる。

世界のメディアは「日本人のセックスレス」を誤解している!5つ

上のグラフは、縦軸出生率、横軸がセックスの頻度(1年に何回するか)を国別で示したものである(世界一のコンドームブランドDurex社調査より作成)。これを見てもわかるように、セックスの頻度が多いからと言って、必ずしも出生率の上昇に結び付いているわけではない。

ギリシャ(Greece)やクロアチア(Croatia)、ブルガリア(Bulgaria)などの国では、セックスの頻度は大いにも関わらず、出生率は日本と変わらない。調査国のほとんどの国が、年に 80-120回の頻度だと回答しているが、生まれる子供の数は国によって様々だ。

実際には、セックスの回数が出生率に結び付くのではなく、どれだけ避妊しているかによるところが大きいし、たった1回のセックスで子どもができる場合だって大いにある。だから、セックスレスと出生率の低さは別ものとして捉えたほうが良い。海外のメディアはこの2つを混同して書かれたものが多いため、日本の社会問題を間違った形で伝えてしまっている。日本の出生率の低さの原因は、セックスレスのような単純なものではなく、より複雑な課題点を含んでいるのだ。

 

誤解2: 出生率の低さは日本特有の問題

少子化問題はなにも日本特有の問題ではない。世界のメディアでもそのように伝えているものもあるが、なかには「日本の出生率の低さは異常だ」という書き方をしているものもある。

例えば、英紙『 the Guardian』の記者、ジャスティン・マッカリー氏は同紙で、日本人女性はマッチングサイトなどを利用して、一時的なセックスフレンドを探していると書いた。この記事の書き出しは、「2003年の日本の合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の平均数)は1.29であり、この数字は世界で最も低い」であった。彼はさらに、高学歴の女性は出生率が低いという傾向が強いと付け加えている。

世界のメディアは「日本人のセックスレス」を誤解している!5つ

このグラフは、縦軸が出生率、横軸がIQスコアを示している。世界的なトレンドとしてIQが高い国ほど、出生率が低くなっていることがわかる。この事実から照らし合わせてみると、日本は必ずしも出生率が低いというわけでもないのではないだろうか。日本は単に世界のトレンドをフォローしているに過ぎず、シンガポールやキューバなどのほうが”特異”ではないか。

 

誤解3: 長い労働時間がセックスレスの原因

海外のメディアで度々話題になる日本の社会問題ひとつに、「過労死」がある。日本の労働環境は過酷で、長い労働時間がセックスレスの原因に結び付いているのではないかと推測するメディアは多い。また、日本で働いたことのある外国人の意見がしばしば取り上げられることがある。ある外国人はFacebookでこのように語っている。

「 the Guardian の記事では、日本のセックスレスの問題が民族的・文化的な問題だとしてあげられていたけど、そうではないと思う。本当は、”働きすぎ”が問題なんだよ。」

しかし、実際には長時間労働とセックスレスには相関性がない

世界のメディアは「日本人のセックスレス」を誤解している!5つ

このグラフは縦軸がセックスの頻度、横軸が労働者一人あたりの年間平均労働時間である。

このグラフでは、どの国も大体同じような位置に集まっている。例外として、日本が他の国に比べて圧倒的にセックスの回数が少ない。また、ギリシャは労働時間も長いが同時にセックスの頻度も多いという結果になっている。他の国でも、労働時間が長くなるほどセックスの回数が減るという相関性は見られない。

しかし、この統計はフルタイムで働く人のみを統計に加えたわけではなく、パートタイムやアルバイトも数に加えられており、サービス残業などは換算されていないため、実際には「長時間労働とセックスレスには相関性がない」とは言い切れないのではないかという意見もある。

 

誤解4: ゆっくりとした経済成長がセックスレスの原因

東京で活動するBloombergのコラムニストであるWilliam Pesekは、こう断言している。

「日本人のセックスレスのルーツは、文化にあるのではなく、経済にある。文化が障壁になっているのではなく、経済の見通しに不安を抱いているため、一生のパートナーを探すような伝統的な人間関係を割けるようになってしまったのが、本当の問題なのである。」

しかし実際には、経済成長の度合いとセックスの頻度には相関性がない。世界のメディアは「日本人のセックスレス」を誤解している!5つ

このグラフは縦軸がセックスの頻度、横軸が国内総生産(GDP)成長率である。このグラフを見ると、経済成長が低いとセックスの頻度が減るというわけではないとわかる。

確かに、日本の景気動向にセンシティブな人もいるが、この場合は「なぜ日本人だけがセックスレスに繋がるのか」を明記しないと、説明したことにはならない。

 

誤解5: 女性の社会進出がセックスレスにつながった

これも間違いだ。日本人女性が昔よりも比較的強くなり、男性を萎縮させ、結果としてセックスレスにつながったという見方をするメディアもある。the Guardianの記者、Roland Keltsは、「日本女性が社会的&経済的に強い立場となり始めた時期から、現実の女性よりも2次元の世界にはまる日本の男性が増えた」としている。

しかしながら、ジェンダーギャップとセックスの頻度には相関性がない。

gender-sexグラフの縦軸がセックスの頻度、横軸が世界経済フォーラムによるジェンダーギャップ指標(高いほどいい)である。しかし、これにも相関性はない。

女性が社会に進出するようになったからと言って、それがセックスレスに繋がるというわけではない。自立したタフな女性に圧倒されてしまう男性もいれば、そんな女性たちを魅力的に捉える男性もいる。以前に比べ、日本人女性のほうも、自分の性欲を表現しやすい時代になったとも言える。だから、セックスレスと女性の社会進出を関連付けて考えるのには無理がある。

まとめ 日本人がセックスレスで何が悪いの?

このように、海外のメディアでは日本のセックスレスと、出生率の低さを関連付けるものが多いが、実際には関連性がないことがわかった。さも、日本人のセックスレスが悪いことだと世界は伝えているが、「そんなことないんじゃないの?」というのが、Yutaさんの結論である(マダムリリーもそう思う)。

Yutaさんの記事では、セックスの頻度と自殺率にも関連性はないし、セックスの頻度と満足感にも関連性がないと紹介している。他にも、彼の記事ではより詳しくデータ元なども紹介しているので、興味がある人はぜひチェックしてみてほしい。

あなたは日本人のセックスレスについて、どう思いますか?

参照:yutaaoki.com

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6 コメント

  1. こんにちは。
    私は過労がセックスレスに関係していると思います。
    年間労働時間が1700~1800時間の間に日本がいますが、おそらく過労を訴える多くの日本人はこのグラフからかなりはみ出た右のところにいるのではないかと思います。私も日本にいた頃は土日によく出勤していましたし、一日12~16時間働いていましたから、年間3800~4000時間くらいは働いていたと思います。家に帰るのは10時、11時、12時…。本当にセックスどころじゃないですよ。疲れていて睡眠が最優先ですから。
    今は米国に住んでおり、年間2100時間ほど働いています。2100時間ってグラフでは右の方ですが、時間的、体力的にはかなり余裕があります。日本人もこれしか働かなくて済むのであれば、セックスの頻度は当然もう少し増えると思います。

    あと、米国では相性が合わなければ離婚され、年配の方でも再婚や新しいお付き合いをされるケースがとても多く見られます。老若男女「愛」を求めていらっしゃる方が多いですね。私は日本にいたとき、恋愛よりも仕事に夢中になりがちでしたが、そんな人はこちらではあまり見かけませんね。

  2. 日本は、ビリから2位のシンガポールの半分しかセックスしてない、世界的にもぶっちぎりでセックスレスの国になってるな。
    まあ、なんだかんだで「セックスしなくても別段困らない」社会が構築された結果、子孫を残すという目的のためにする結婚とセックスだけが濾し取られて残ったみたいな感じか。
    今は子供を持ちたいという欲求がなければ、誰も結婚もセックスもしたくないんじゃないかな?

  3. 日本のセックスはいまは「子供を産む為の行為」になっていて、快楽やリフレッシュ、愛情の表現ではもうなくなってきている事が一番の原因ではないかしら。結婚前の若い人たちは異性に興味が薄れ、同性と楽しむことに快楽を求めています。そして結婚後、子供が出来てしまうとまるで家庭内のセックスは邪魔なものとなっているように感じます。
    ひとつ疑問があります。上の数々の表の中の欧米のセックス回数はみな100%パートナーとだけの数なのでしょうか。
    日本では今、SNSなどの普及で倫理的に反する浮気や不倫はこっぴどく地獄に落とされます。でも結婚後のセックスレス男女に聞くと「相手が変われば出来るかもね~」と口を揃えてみな言います。もちろん不倫も浮気もダメなことですが、海外では日本よりしやすい環境なのだとしたら社会性の差なのかもしれませんね。
    ちなみに残業数はバブルはじける前のほうが圧倒的に多かったと思います。
    それでも隙間を見つけては彼女彼氏をみつけスキーだ海だと楽しんでいましたけどね。

  4. こんにちは。
    Madame Ririさんはフランスにお住まいとお見受けしますが、先日M6の報道番組で日本人のセックスに関する話題が出ていたようです。(知り合いのフランス人がびっくり顔で話してくれました)おさわりバー、セックスドール、ビデオでの仮想恋人とかが盛んで現実に関係を持てない若者が増えているとか、I love youを言ったことがないとか、セックスレスが増えて人口減少になっているため政府が乗り出して対策立てているとか・・
    実際私はこの番組はみていないのですが、話しを聞くだけで「それは大げさな~」と思いましたが、「あのジャーナリストはまじめな取り組みだから真実にちがいない」とか彼女はほとんど信じています。なんだかこういうのって恥ずかしいと言うか情けないと思いました。まあこういう面もあるということは否めませんが….

    日本人はするセックスより見る・表現するセックスの方が好きな国民かとも思いますがいかがなものでしょうか?

  5. 日本は特定のパートナーとのセックス回数は世界最低レベルですが、経験人数は世界第三位だと聞きました。
    パートナーとはあまりセックスしないで浮気相手や風俗で性行為をしているのでしょう。

  6. 「子供を幸せに育てられるか」を真剣に考えている結果だと思います。
    虐待のニュースを見る度に、育てる準備が十分でないくせにどうしてあと先考えずに産むのかと考えてしまいますが、日本はたぶんいい方なんでしょう(そんなことがニュースになるくらいあまりないことということかも)
    日本が豊かすぎて余りにも多くを望む結果、妻を幸せにできるか、子供を大学に通わせられるかなど心配しすぎていい親ほど簡単には産めないんでしょう。