日本は本当に「子育てに向かない国」なのか?日本在住外国人に聞いてみた
写真:Flicker -Luca Moglia

東京都板橋区の「乗蓮寺」が、初詣をする際にベビーカーを自粛するよう呼びかけた看板を掲示したことが、インターネット上で物議を醸している。今回の件もそうだが、日本の都心で暮らしている子育て世代は、「日本は子育てしにくい社会」だと感じているようだ。

ウートピ世論アンケート「日本は子育てに向かない国だと思う?」では、81%が「思う」と回答した。その理由としては、「赤ちゃんの泣き声が迷惑」「ベビーカーが邪魔」という意見が出るような「子連れに冷たい社会」であることや、パパママの労働時間の長さ教育機関への公的支出が低いことなどが挙げられている。


それでは本当に、日本は世界に比べて「子育てに向かない国」なのだろうか?そこで今回は、日本在住外国人が集まるサイトJapan Todayより、「日本は子育てに向いている国?向かない国?」に寄せられた意見を紹介しようと思う。あなたは、日本が子育てに適した国だと思うだろうか。

 

sillygirl 

 

NathalieB 

でも、それも子どもが大きくなると少し変わってくる。教育”システム”は、日本社会のシステムで必要な人間を育てるためのもので、私は自分の子どもたちにそうなってほしくなかった。そして運命は変わり、私たちは引っ越すことになったわ。

アメリカで今、子どもたちは最高に楽しい時間を過ごせている。アメリカにはスペースがあるし、自然にも近いし、学校教育だって日本よりはリラックスできる。ただ、日本のように治安は良くないし、私たちが住んでいるカリフォルニアは生活費が物凄く高いけどね。結局は、プラスマイナスゼロってこと。

 

SenseNotSoCommon 

 

TrevorPeace 

 

kibousha 

 

sighclops 

その一番大きな理由は、個人主義が全く奨励されていないから。子どもの頃から時代遅れの家長制度に当てはめて、それが将来働く大人の姿に影響してくる。

それに、子どもが遊ぶ場所が全くない。探検する森もなければ、マウンテンバイクのトラックも出来ないし、ジャンプして楽しむこともできない。子どもと一緒に泥んこになる場所がない。全てが衛生的すぎて、きちんとしている。もううんざり。

日本では、都会も田舎も両方住んだことがあるけど、いつも東京にいる子どもは可哀想だなと思う。彼らは本当にバブルのなかで生活している。東京は何歳であっても、マトリックスのなかで生活するようなものだわ。

日本は本当に「子育てに向かない国」なのか?日本在住外国人に聞いてみた
写真:Flicker -Jeff Laitila

Evan Hayden 


日本は母国のアメリカに比べて、圧倒的に治安がいいってところは本当に有り難く思うし、日本の小学校も「楽しみ」と「教育」の良いバランスを保てているように感じる。でももし、私が日本で子育てしなくちゃいけないんだったら、小学校以降は日本的システムから引き出して、自立した自分の頭で考えられる人になる方法を教えてくれるような中学校に入れてあげたい。出る杭は打たれるのではなく、日本でどんな創造性が育つのか見てみたい。

これは欧米的な考え方なのかもしれないけど、やっぱり子どもが小さいうちは、その時にでしかできないことを楽しむことが重要だと思う。そして人間として自分は何なのか、どうすれば周りとうまくやっていけるのかを学ぶ時間も持つべきだと思う。

 

Spanki 

私の経験(3年)でいうと、日本は子どもを育てるのにとてもいい国です。私たちは東京に住んでいるので、庭がないというのがちょっとマイナス面ではありますが。でも東京でありながら静かなところに住んでいますし、家だってちょうどいいサイズですし、子どもが遊べるようなクルドサックが近くにあって便利です。だからそんなに悪いものじゃないですよ。

 

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日本の良いところは、日本に長く住んでいる人には当たり前すぎるから省略するね。

日本の悪いところは、僕が思うに、外の世界の情報があまりにもフィルターにかけられ、日本人共同体が思う世界に合わせたものに作り替えられる点だ。例えば、

・アメリカ=銃と、黒人の奴隷解放=全員体育会系
・イタリア人=全員エッチな気分
・北西ヨーロッパ=進んでいる、することなすこと間違いなし。

こういう偏見っていうのは、どこの国・社会にもあるものだけど、メディアや学校教育を通して劣等感を植え付けられた日本人のマインドセットには、正直嫌な気がしてしまう。日本人だからという理由でこういう風になっちゃうように育てたくはないな。

 

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マイナス面。学校と教育が、子どもの生活の中心となってしまうこと。部活やクラブ活動で社交しなくちゃいけないところ、日本の子どもは忙しいのでバカンスは諦めないといけないこと。試験が山ほどあること。要するに、教育面での競争が厳しい、ということ。

それでも、全体的にはポジティブな経験ばかりしています。学校にもうまく馴染んでいるようですし、楽しそうです。私の子どもたちはいわゆる「ハーフ」ですが、学校でそれが問題になることもありませんでした。他の子どもと同じように扱われ、友達もできて、うまく溶け込んでいます。だからイエス!日本は子育てに向いている国です。

 

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Steve Crichton 

それに日本はやっぱり生活するのに安全な国だし、知らない人からの子どもに対する暴力レベルも低い。うちの子だけじゃなく、周りの子もそうだよ。今のところ、いいね。

 

Elizabeth Heath 

 

Fouxdefa 

 

まとめ

「日本は子育てに向いている国?向かない国?」という質問に対して、「向いている」と答えた外国人のほうが多かった。日本人の81%が「向かない」と答えているのに対して、この結果は意外である。

ちなみに、日本在住外国人たちが思う、子どもを取り巻く日本の環境でのプラス要因と、マイナス要因をまとめると、こうなる。

(プラス要因)

  • 治安がいい
  • 医療費が安い
  • 小学校までは勉強と遊びのバランスが取れている
  • 子供向けの文化的活動が多い

(マイナス要因)

  • 中学校以降の学力競争が厳しい
  • 試験勉強と部活で忙しく、自由時間がなさすぎる
  • 偏った価値観、世界観の植え付け
  • 男女不平等
  • (都会では)自然や公園が少ない

あなたは、日本は子育て向きの社会だと思いますか?それとも子育てには向かないと思いますか?コメント欄で教えてください。

参照:https://www.japantoday.com/


7 コメント

  1. 子育て世代に優しい社会に改めていくよう、民進党、共産党などの野党各党の奮闘を切望したくなることさえあります。

  2. 私は末っ子長男には受験勉強させませんでした。
    私立大学付属高校に通い、大学院まで9年間、今年卒業です。
    初めは好きな空手、次に柔道に取り組み大学院を卒業する現在まで柔道は続いています。
    めでたく就職先も決定して4月からは社会人です。
    こんな競争の少ない人生であっても良いんじゃないかなと考えてます。
    子供にはできるだけ好きなことをさせてあげて自分の道を見つけてほしいと考えます。
    幼いころから海外赴任、海外旅行に連れまわしたりしましたが、おおむね期待通りに育っていると感じます。
    これからは自力で頑張ってほしいです。

  3. 2歳児の子育てしてます。親切にしてくださる方もいますが、4割りくらいの人は子供と言うだけで嫌な顔をされます。
    神奈川だとそれほど格式があるお店でなくとも子連れだと断られます。
    子供が邪魔にならないようならないよう気を使ってますし、煩い時用に臭いのしないお菓子を吟味して持ち歩き食べさせたりしています。こちらとしては工夫していますが、食べさせていると怒られることがあります。
    どうしたら、トラブルにならないか教えてほしいです。

    ここからは完全な我が儘ですが、電車で走り回らないよう15キロの2歳児のとオムツおしりふき等の多めの荷物をもっていても朝の通勤時は、若い方は誰一人席を譲ってくれません。
    主人に「サラリーマンは大変なんだよ」と言われ、私ももっと我慢我慢と思っていますが保育園への送迎が大変で2歳児にいらいらしてしまいます。
    我が儘ですが朝、子供の保育園まで席を譲っていただけたら、すごく嬉しい。
    外国ではどうなのでしょう?どこでも同じかもしれませんが、私は電車移動がすごく大変です。

  4. 1人目をアメリカで、2人目を日本で産みました。
    日本では子連れで公共交通機関を使うのを避けてしまいます。アメリカでは子連れだと、必ず周囲から座れと促されます。座ると赤ちゃんが泣くからと断ると、「子供は泣くのが仕事!バスが事故にあったら、あなたが転んだらどうするの?安全のために座りなさい」と正されました。その通りだと思います。そして、物事の終わりはいつも「ありがとう」など、ポジティブで終わります。たくさんの人が乗ってくると、老若男女問わず”元気な人”はサッと立ち上がり、後方へ移動されます。それがとても自然にこなされます。
    日本では、他人に迷惑をかけないのが大前提。ベビーカーを畳んで大荷物を持ちながら赤ちゃんを抱いて、倒れないように必死に吊り輪に掴まって、揺れた時、赤ちゃんが声を上げた時に「すみません、すみません、ごめんなさい」の連続。帰っていつも反省会。

    もちろん迷惑をかけたくてかける人はいません。人が迷惑をかけてしまうのは、キャパシティを超えた状態にある時。それは悪いことじゃない。目に見えない障害があったり、体調が悪かったり、若くたってギックリ腰になっちゃったかもしれない。誰だって助けが必要な時はある。困ってる人がいたら助け合う、ただそれだけのこと。ブラック企業で働き詰めで、今にも倒れそうなんだよ…とみんなが言うのなら、それはそれで、そういう企業を減らすことができない日本の社会が、もう終わってるんじゃないでしょうか。

  5. 向いてないと思います。
    と言っても、私は子どもですけど。
    日本の教育は、偏見ばっかりですよ。
    先生が作って下さったプリントで勉強するんですけど、中国や韓国は悪い、日本は安全で素晴らしい、みたいな内容が多いです。

  6. 私はシアトルで過ごし日本に来ましたが、日本は至れり尽くせりだなあ、と思いました。
    子供産むにも育てるにも、安いしお金も貰える、施設は至るところにあるし学校も誰でも通える…。こんなに行政が子供にお金かけるんだ!?と、驚きました。
    アメリカでは、産んでも翌日には病院出ますし、指導なんかもありません。産むだけで100万円近く必要で、会社も育休なんてないので、産まれるギリギリまで働いて、産んですぐ痛みに耐えながら復帰、休んでる間の給与もないです。
    シッターを頼むので稼ぎよりも支出が多くて、しかもシッターはトラブルが多くて気が休まりません…。
    医療費も高すぎて、日本で医療費無料と知ってあまりにおどろいて何度も確かめたものです。
    都市部はエレベーターも多くて、道がきれいなので、ベビーカーも楽チン。土日も店が開いていて、子供に必要なものがいつでも買える!そして公園がどこにでもある!
    保育園と小学校の先生が、学校での子供の様子を教えてくれるノートなどはおどろきました、先生からしたら大変そうですね。
    少なくとも、高校生くらいまではお金もかからず、しかもお金が貰えて、誰でも教育が受けられて、命にか関わる犯罪も少なくて、銃とナイフを警戒しなくてよくて、子供が毎日拐われることもなくて、街はとにかく便利で…。
    日本はちょっと贅沢すぎなのではと思うくらいです!

  7. 今オランダでベビーシッターのサービスを提供する会社で働いているものです。
    こちらに来てから、チャイルドケアに関する会社についてから、日本の子育て事情についてよく考えるようになりました。
    私の個人的な意見としては、日本での子育ては子供達の視野を狭めてしまう可能性があると思います。
    と言いますと、日本では身内同士のみで子育てのサポートをしあうのが当たり前だ、という考えが主要であり、他の知らない人に自分の子供を預けるなんて無責任だ、または恥ずかしいことだ、と考えていらっしゃるママが多いように感じます。
    実際ママさんたちがそう考えているというわけではないのかもしれませんが、社会の風習がそう感じさせているような気がします。
    ですがその殻を破いて、一度初めて会う人にお子様を預けてみると、もちろんお子様にとっての新しい刺激になりますし、親御様にとっても新しい出会いとなります。
    オランダではベビーシッターの文化はとても広がっており、多くの親御様がベビーシッターを雇っておられます。そしてそのおかげで、地域の人々の交流も広がり、お子様の考え方もより幅広いものになります。
    こうしたヨーロッパの文化を私はとても気に入っていて、日本に広げることができたらいいなと、また、広げることができると考えています。
    長々とベビーシッターの文化に着目して話してしまいましたが、他の方がおっしゃられているように、治安や医療サービスに関してはとても進んだ国で、誇りに思います。
    この先もっと日本の子育て環境、教育レベルが良くなっていくと良いですね!
    記事を私たちのFacebookでシェアさせていただきたいと思います。
    また更新楽しみにしています!

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