冷蔵庫は使えない、ごみは溜まっていく、壊れたものは壊れたまま…

フォトグラファーのジェフ・ヨハンソンさんと妹のジェニファーさんは片付けられない母親に育てられ、ごみ屋敷で生活していました。


ヨハンソンさんが17歳のころ、あまりの汚さに嫌気がさし、家出をしました。彼は現在、37歳。彼の母親が乳がんで亡くなったことを知り、妹と共に自分たちが育ったごみ屋敷へ行ってみることにしました。

そこで見たのは、20年前とはなんら変わらない汚い家でした。

「僕はごみ屋敷で育った…」20年ぶりに実家に帰って気づいたことあまりの家の汚さに、改めてショックを受けたという大人になった兄妹2人。こんな劣悪な環境の中で生活し、育っていく子どもというのはどんな風に写るのだろう?

2人は、自分たちの子どもをモデルにして写真集をつくるというアイデアを思いつきました。

「僕はごみ屋敷で育った…」20年ぶりに実家に帰って気づいたこと実際のごみ屋敷は足場も悪く、子どもたちには危ないので、Photoshopを使った合成写真を作成することにしました。あまりにリアリスティックな写真に、やりきれない気持ちがしたと語るジェフさん。

「Hoarder(ホーダー、片付けられない病の人)との生活することの恥ずかしさや惨めさは、うまく言葉では言い表せません。」

「僕はごみ屋敷で育った…」20年ぶりに実家に帰って気づいたこと「僕はごみ屋敷で育った…」20年ぶりに実家に帰って気づいたこと「他人は簡単に言うんです。”どうして無理矢理にでも捨てなかったの?”と。

でも実際はそんなに簡単なことではありません。ホーダーは物に対する執着心が異様に強いです。しかも、私たちには片付いていないように見えますが、彼らにとっては何をどこに置いているのか把握しているのです。」

「僕らは家を片付けようと何度もしました。物が捨てられるのではなく、少し動かされたというだけでも、母は激怒しました。」

「こうやって実家に戻ってくるのは、本当にエモーショナルな体験です。」


「子どものころ、人が来ても、玄関のドアは一瞬しか開きませんでした。もちろん、家に誰かを招いたことなんてありません。」

「僕はごみ屋敷で育った…」20年ぶりに実家に帰って気づいたこと「僕はごみ屋敷で育った…」20年ぶりに実家に帰って気づいたこと「僕はごみ屋敷で育った…」20年ぶりに実家に帰って気づいたこと「ものは壊れても、絶対に直されない。冷蔵庫はいつも壊れていました。冬には食べた残したものはベランダに置きっぱなし、夏にはアイスボックスを買っても、またすぐに壊れるの繰り返しでした。」

「僕はごみ屋敷で育った…」20年ぶりに実家に帰って気づいたこと2「僕はごみ屋敷で育った…」20年ぶりに実家に帰って気づいたこと

2013年、ついに兄妹は実家に戻ってきました。ジェニファーさんは言います。

「一緒に苦しみを分かち合った兄とごみ屋敷に行くというのは、とても大切な時間だったと思います。兄と思い出話をしました。そして今、兄も私も親となったので、この環境が子どもであった私たちにどんな影響を与えてきたのかを想像することができます。」

「自分の娘がごみ屋敷にいるのを写真で見て、合成なので実際にその場所にいるわけではないのに、胸が締め付けられる思いでした。」

「とても子どもを育てるような場所ではないですよね。」

片付けられない母親でありながら、兄妹は彼女が亡くなるまで、連絡を取りあい、良好な関係を築いていたそうです。しかし、”家”に対しては複雑な気持ちが消えないままだったといいます。

「私たちのママはよく働き、いくつも仕事を掛け持ちながら、子どもを2人育ててくれました。そのことに対しては彼女を責めません。ただ、僕たちは大変でした…。」


2 コメント

  1. 私もあまり片付けが上手くなく病気かと思っておりましたが...。
    実際の汚屋敷を見て唖然としました。これはないわ!!有り得ない。
    実際にこんな中で生活をしていた人って同じ様にはならないものなのでしょうか。
    とても疑問に思います。

  2. 私の兄が同じ状態です、唯良いことは片づけることに異を唱えません。何度も何度も片づけます。きれいな部屋で過ごす快適さを知ってくれればいつか汚い部屋で暮らすことを不自然と感じて片づけてくれるようになるだろうと。
    鬱になって引きこもりになった息子が全く同じ状態になった下宿の部屋で暮らしているのを知った時は血筋なのかとぎょっとしました。息子は根気よくの御陰で今は人並みの部屋で暮らしています。兄は相変わらず。多分どこか心の病なんじゃないのかと思います。何かが欠けているのではなく満たされない。
    最初は面倒くさいから始まっていつしか理由をつけているうちに、大義名分となっていく。そして固執する。最近は兄に関してはお手上げで放棄です。私が泊まるわけでないし、見ないことにしています。

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